恥ずかしながら、この年になってようやく宮沢賢治をまともに読んだ。まともにというのは過去二度ほど手にしたが、最後まで読んだ記憶がない。
もちろん、本のカバーにつられて読んでみようと思ったのではない。(わざわざ書くことでもなのですが念のため・・・)12月に盛岡に行く予定なので心のどこかに残っていて、花巻出身の宮沢賢治の本を手にしたかもしれない。いや、そんなことはない、それは後で知ったのですから~。ようは何故かわからないけれど突然読みたくなった。
「やまなし」「いちょうの実」「よだかの星」「ひかりの素足」「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」以上の6作品が載っている。一言でいうと 読んでみてよかった。内容は皆さんご存知だと思うので書きませんが、独特の表現方法に最初は戸惑ったが、読んでいくうちにどんどん深みにはまり、すっかり魅了されてしまった。
「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから。」 銀河鉄道の夜 の中の灯台守の台詞である。少年少女用の話なのでしょうが、大人が読んでもズシリとこたえる。少年よりも大人が読んだほうが心に染みいる物語なのかもしれない。(自分がオヤジになってから読んでいるので・・・)
子供のほっぺの表現などは大人が読むとほほえましく思える。純粋無垢な子供の姿を表現させると独特な表現であるがとても想像しやすい。宮沢賢治本人も純粋無垢な人だったのだろう。この本を読んでいる時は別世界に入り込み、時間と現実を忘れさせてくれた。命の大切さも失う残酷さも平然と書かれている・・・。
自分の子供には少年少女のころに一度は読んで欲しい一冊です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます