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ゆるキャン△の聖地を行く44 その7  野反湖 どじょう小屋沢からカモシカ淵へ

2025年01月03日 | ゆるキャン△

 野反湖ハイキングの続きです。約5キロの湖畔西岸ルートをたどりました。今回は上図の「どじょう小屋沢」から「押出し」を経て「カモシカ淵」までの約1キロの赤線のコースを紹介します。

 

 「どじょう小屋沢」の標識の地点にて、歩いてきた道を振り返りました。沢がどこかに流れているのかと思って探していたからです。
 これまでに二ヶ所ほど小さな橋を渡りましたが、地形的に細い谷間になっている箇所ばかりで水は流れておらず、「どじょう小屋沢」の辺りに沢があるのだろうと思いましたが、それ以前に沢を渡る橋がまったくありませんでした。

 

 道は再び登り坂となりました。林も疎らになってきて、視界が次第に広がってきました。ハンディGPSの高度計は1520メートルを示していましたので、登っていると思っている割にはさっきよりも低い位置にいるのだと知りました。
 登りきると道は平坦になり、右手に野反湖の湖面が広がってゆきました。

 

 少し行くと上図の分岐点に出ました。弁天山ルートから北麓へと降りる支道がここに繋がっているのでした。標識とベンチがあり、眺めも良いので展望所を兼ねているようです。
 時計をみると12時54分でした。富士見峠を12時35分にスタートしましたから、19分で1キロ余りを歩いたことになります。

 

 同じ位置から後ろを振り返りました。斜面をびっしりと覆う千島笹の群生も、このあたりでは背が低くなっていました。雑木林の下では背が高く育っていて私の頭ぐらいまで伸びていた千島笹が、このような日当たりの良い場所では膝下ぐらいの高さにしかなっていませんので、不思議な気がしました。日陰を好む植物なのでしょうか。

 

 歩き出しつつ、野反湖の景色を眺めました。御覧のように周辺数キロの山々にもまったく人工物、例えば送電線鉄塔や電柱などが見当たりませんので、太古以来の大自然の風景をそのまま満喫出来ます。

 ですが、林野庁の報告資料などを読みますと、江戸期より付近の人々により入山地区の生活圏として認識されていたようで、毎年の秋に人々がイワスゲ(タテヤマスゲ)刈りを行い、食糧とするための山菜や生活用品の材料を採取する場として利用していたそうです。
 さらに前述したように明治期には野反池にドジョウやコイを放流し養殖する事業が行われて弁天山麓の湖畔に笹小屋が建てられています。また、昭和の始めには湖畔に登山者のための山小屋が建てられ、戦後には野反ダム建設のための板材とするべく、現在の野反湖キャンプ場の範囲の樹林が伐採されています。

 このように、野反湖エリアには江戸期より色々と人の手が入っており、いま自然林に見える雑木林も、一部は伐採後の代替植林であるそうです。

 

 道は平坦なまま北へと続き、やがて湖面が北へも回り始めてきました。ハンディGPSの現在位置表示を見て、弁天山の北麓の主尾根の先端にさしかかるところだと知りました。この日はよく晴れていましたから、雲などによるGPSの誤差は殆ど無かったようで、国土地理院の地図と照らし合わせてもあまりズレが感じられませんでした。

 

 道が左へ曲がり始めた地点に上図の標識がありました。弁天山の北麓の主尾根の先端が湖面に押し出すように張り出している地形をそのまま「押出し」と呼んだのでしょうか。シンプルで分かりやすい地名です。

 

 道は左に曲がり、再び上図のように真っすぐになり、その先で再び左に曲がりました。弁天山の北麓の主尾根の先端をぐるりと西へ回っていることが実感出来ました。
 こういった移動中に方位磁石の針が揺れてゆくのを見、ハンディGPSの表示数値が刻々と変わっていくのを見るのはなかなか楽しいです。現在地の地形状況をリアルタイムで把握出来ますので、野反湖湖畔の地形が手に取るように分かります。

 

 尾根の先端部から湖面を見ました。野反湖の水面が西側に大きく張り出す部分ですが、地図で見るよりも広々として感じられました。どこを見ても絵になる景色ばかりですので、撮影のほうも楽しくて大忙しでした。
 この日の野反湖だけで500枚ぐらい撮りましたが、全部をブログに掲載するのは無理なので、色々と厳選し、嫁さんにも選んでもらって50枚程度に絞り込みました。

 

 野反湖の西の張り出し部分は水深が浅くなっているようで、汀の砂浜もゆるやかに広がっていました。このあたりから道が下り坂となり、谷間のような低地を橋で渡り、さらにドロドロの地面が水草の間に見え隠れする湿地を再び長い橋で渡りました。

 

 このあたりで道が最も低い位置に下りて、ハンディGPSの数値は1512メートルを示しました。地図表示に切り替えると、細い谷間部分を示しました。

 

 その直後に上図の標識に出会いました。なるほど「カモシカ淵」か、さっきの低い谷間のような地形と湿地がもとは淵だったのだろう、と思い当りました。
 カモシカの姿は見当たりませんでしたが、林野庁の資料によれは、ニホンカモシカを始め、テンやキツネなど10種類以上の哺乳動物、オオタカ・ハイタカ・クマタカなどの鳥類が生息している、とあります。  (続く)

 


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