最近のスプリングスティーンは、一時期の葛藤から、抜け出て、上手に脱皮した感じがします。
最近のライブを見てると、全盛期とは違った、味わい深い、カッコ良さがあります。
大衆のヒーローも、その名が世界中に広まる頃には、いつのまにか、ただの富裕層になっているものです。
すると、もはや、明日なき暴走も、ハングリーハートも、遠い日の、若気のいたりと、ただ色褪せていくばかりです。
ヒーローには、立ち位置に、立てなくなる日が必ず訪れる。
そんな、宿命があるようです。
スプリングスティーンは、90年代後半あたりから、10年以上もの間、まさにそんな葛藤の中で、暗中模索していました。
そして、2001.911から、徐々に、新しいテーマに向かって、想像を始めた。
そんな、気がします。
ディランがそうであったように、メッセージ性の強いアーティストが、必ず一度は落ちる溝です。
そこから、どうぬけ出るのか、そこが、この手のアーティストの勝負所です。
大物ほど、大変な葛藤となる、ようですね。
…
あゝ凡人でよかったなぁ〜(; ̄ェ ̄)
日本の場合は、米国のような、たくさんの民族、宗教、文化を、わずか200年で、チャンポンにした国家ではないので、米国のような表現文化、日本にはありません。
日本人の表現の基本は、美的…なのだそうです。
表現のプロセスと、その着地点を大切にするのだそうです。
中島みゆきを聴いてると、それが、とてもよくわかります。