栃木県足利市に“奇跡の保育園”と呼ばれる認可保育所がある。その名も「小俣幼児生活団」。園児は、自ら考え決断できる、自立した子供に育つと評判で、入園希望者が絶えない。
3000坪以上ある敷地内には、池や丘、梅林が広がり、保育士が見守る中、ある子は裏山を走り回り、またある子は園舎で折り紙に没頭するなど、皆が思い思いに過ごしている。カリキュラムごとに園児を管理する一般的な保育園とは違う光景が、ここにはある。
「当園の方針は、『ほったらかし保育』。何時に来てもいいし何時に帰ってもいいの。来たら好きなことをして遊ばせて、お昼寝もしたくないならしなくていい。給食もお腹が空いた時に食べればいいの」
微笑みながらこう話すのは、92才ながら同園で主任保育士として働く大川繁子さんだ(「」内、以下同)。