「板垣死すとも自由は死せず」
<緒方死すとも人間の安全保障は死せずか>
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2015年3月20日 東京
国連大学は2015年2月27日、独立行政法人国際協力機構(JICA)の元理事長で、元国連難民高等弁務官の緒方貞子氏
<緒方 貞子(おがた さだこ、1927年〈昭和2年〉9月16日 - 2019年〈令和元年〉10月22日[1][2][3])は、日本の国際政治学者。学位は、政治学博士(カリフォルニア大学バークレー校)。旧姓:中村(なかむら)。
上智大学名誉教授。独立行政法人国際協力機構理事長、国連人権委員会日本政府代表、日本人初の国連難民高等弁務官、アフガニスタン支援政府特別代表を歴任。また日本における模擬国連活動の創始者でもある。(92歳没) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%92%E6%96%B9%E8%B2%9E%E5%AD%90
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をお招きして、国連大学対談シリーズ「State Security to Human Security(国家の安全保障から人間の安全保障へ)」を開催しました。
デイビッド・マローン国連大学学長と緒方貞子氏は、外交官、管理者、学者としての緒方氏の積年の経験を織り交ぜながら、幅広い議論を行いました。同氏の職業人として、また個人としての長い経験が対談に深みを与えました。
イベントの中で、緒方氏は国連でキャリアを積んだ時期のエピソードとして、職業生活の初期、個人としての役割と職業上の役割のバランスを取ろうと苦労したことなどを話してくれました。そして、参加者に「野心を持ってください、でも現実的であることも忘れないでください」と語りかけ、人生の課題を楽しむよう勧めました。マローン学長はこの言葉に共感し、人は野心的になればなるほど、ぶつかる困難が多くなるだろうと述べました。
対談では日本の難民政策が何度もテーマに上がり、緒方氏は長年の経験に基づき、日本による人道的受け入れの拡大を訴えました。法律的、政治的優先事項を慎重に考慮する必要があるとしながらも、日本政府にはこの分野で国際的なパートナーから経験と安心を学んでほしいと主張しました。
また、緒方氏は参加者に、地域で他者との個人的なつながりを育み、そうしたつながりを利用して、日本と近隣諸国との関係を強化することを熱心に説きました。政府と個人の両方の活動を通じた地域的な結びつきが、日本の今後の力強い発展と繁栄の鍵であると話しました。
参加者はイベントの間、さまざまな質問を行い、多くの人が人間の安全保障という概念に立ち戻りました。緒方氏のすぐれた貢献により、この概念が個人の安全を重視するものから、社会・環境・経済に関する要素をも含むものへと発展し、同氏の数々の重要な洞察が、人間の安全保障に関する議論の中に展開されました。このイベントは、緒方氏の率直さとユーモアにより、活気あるものになりました。
<は11社を超える日本企業からウイグル人の 強制労働を中国内部でのサプライチェーン実態調査を開始し、公表か>
7/30(木) 22:45配信
アメリカ政府は中国当局によるウイグル人の弾圧への抗議を強め、7月下旬、新たに中国企業11社がウイグル人の強制労働を利用してきたとして経済制裁の措置をとった。
同時期にアメリカを拠点とする民間の人権擁護の国際団体が世界各国の企業にウイグル人の 強制労働を中国内部でのサプライチェーンに使わないことを呼びかけた。
こうしたウイグルに関する国際的な批判は中国で生産活動を展開する日本企業11社にも向けられた経緯があり、日本の経済界にとってもウイグル人権問題は中国での活動での大きな課題となってきたようだ。
アメリカ商務省はウィルバー・ロス長官名で7月20日、特定の中国企業11社に対してアメリカの技術や製品の購入を認めないという制裁措置を発表した。その理由はこれら中国企業が新疆ウイグル自治区、あるいは中国領土内の他の地域での生産活動でウイグル人の強制労働を使用していたことだとされた。 7月23日にはワシントンやニューヨークを拠点とする国際人権擁護組織の「ウイグル地域強制労働終結連合(Coalition to End Forced Labour in the Uyghur Region)」が合計180の各国の傘下団体を通じて中国の国内で生産活動を実施や下請けしている各国企業に労働を強制されたウイグル人労働者を使わないことを訴えた。
同連合はとくにウイグル人強制労働使用の中国側企業の製品を購入しているアメリカ大手企業のナイキやアップルに強い警告を出したという。 こうした動きの背景には中国当局がここ数年以上、新疆ウイグル自治区に住むイスラム教徒のウイグル人らを中国化するために政治や宗教の教育をする強制収容所に隔離してきたという経緯がある。
中国当局は合計100万とも200万ともみられるウイグル人を拘束し、その多数を強制労働による生産活動にも従事させてきた。 米側の最近の情報によると、中国当局は政治洗脳教育を終えたウイグル人の若者を中国の他の地域の企業や工場に送り、労働に従事させるようになり、その人数は約8万に達したという。 その約8万人のウイグル人男女が中国各地のどのような企業で強制労働をさせられているかについはオーストラリアの安全保障分野では最有力のシンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所」(ASPI)が2020年3月に作成した調査報告書が最も詳細で正確な情報源とされている。同報告書は「売りに出されたウイグル人=新疆を越える再教育・強制労働・監視(Uyghurs for Sale, ‘Re-education’, forced labour and surveillance beyond Xinjiang. )」と題されていた。 同報告書は現地からの直接の情報に加え、偵察衛星の写真多数などにより、新疆ウイグル地区での強制収容、強制労働の実態を報告したうえで、2017年から19年までの間に同地区から中国領内の他の地域に送られ、強制労働を余儀なくされている約8万人のウイグル人男女の実情も具体的な工場や企業の名と所在地をあげて伝えていた。 前述の「ウイグル地域強制労働終結連合」もこのASPIの報告書を根拠にナイキやアップルなど特定の企業への抗議や質問を発していた。
同報告書の内容でとくに注目されるのは
中国各地でウイグル人の強制労働を下請けのサプライチェーンなどで使っている主要企業として合計82社の名をあげた点だった。報告書はこの82社が「新疆ウイグル地区の外での生産活動で直接、間接にウイグル人の強制労働からの利益を得ている」と断じて、それぞれの企業についてウイグル人強制労働とのかかわりを下請けの中国側企業の具体名をあげて説明していた。 それら外国企業のなかには以下の日本企業11社の名前も記されていた。 日立製作所、ジャパンディスプレイ、三菱電機、ミツミ電機、任天堂、パナソニック、ソニー、TDK、東芝、ユニクロ、シャープ 以上のような報告書の調査結果について日本在住のウイグル人たちの集りの「日本ウイグル協会」が5月に上記の日本企業11社の社長あて書簡を送り、この「疑い」について質問と要望を伝えた。 7月までに同11社のうち10社から回答があったが、ほとんどが「当社の調査による限り、そうした事実はない」という趣旨の回答だったという。またいずれも強制労働を知りながら部品製造の下請けなどサプライチェーンの企業を使ったことはない、という否定の答えだった。 しかし中国の内部でのウイグル人の強制労働への国際的な批判はなお厳しく続くことが確実で、日本企業も中国内での生産活動での企業倫理が国際的に問われるという新たな局面を迎えることになったようである。