児童養護施設職員は、夜勤ありの不規則勤務だ。
何事もなければそれなりに寝られるけれど、何事かあればほとんど寝られない時もある。
本日は夜勤2連チャンあけ。
一晩目の夜は何事もなかったけど、深夜というか早朝から騒ぎ出した中学生二人の対応に追われた。
感情的に叱っても全く効果なく、むしろ逆撫でしてくるので、ひたすら穏やかに。
でもきっと子どもからしたらイライラしながら対応されたと思ってるに違いない。
ベテランとはいえ、ボクも完璧な職員でも仏様でもないので、イライラするコトもある。
人間が人間相手の仕事をするってそういうコト。
プロとして、そんな自分の心と身体をいかにコントロールするか、である。
とは言え、暴言や挑発に対して穏やかに対応し続けるというのはなかなか至難の業である。
しかも複数になると気が大きくなって、そのエネルギーは増大してしまう子どもたち。
残念ながら一喝して鎮めるだけの迫力はボクにはない。
でも、他の子たちが寝ているので騒ぎを大きくしたくない。
参った参った。
何とかその二人を対応しつつ、他のコたちのフォローもするコトに。
その辺はベテランなので何とかできる。
心身共にフラフラになって帰宅し、仮眠後、二晩目の夜勤へ。
こういう時の出勤の足取りはどうしても重くなるけれど、当然、休む訳にもいかずに出勤。
昨夜、暴言を浴びせてきた一人、Aくんは、多少気まずそうに接してきた。
内心、コノヤローと思ってはいたけど、気持ちを切り替え、穏やかに穏やかに。
中学生ってエネルギーが有り余ってて、それを上手く消化できないコが施設には少なくない。
そんな一人であるAくんを外へ連れ出すコトに。
要望に応じて自転車に乗って、夜の公園へ。
極寒、極寒すぎる^_^;
一緒にひたすら走った。
途中で疲れたAくんは、自転車に乗って、ボクの前を走った。
その後、自転車に乗って、場所移動。
お薦めの夜景スポットを案内してくれると言うので、言われるがままについていく。前に施設を飛び出した時、ここへ来たそうだ。
田舎なので夜景は大したコトなかったけど、このシチュエーションはドラマみたい。
優しい夜景が眼下に広がっていた。
しばし穏やかな時が流れる。
寒いしそろそろ帰ろっか。
帰り道、何故だか30年後の話に。
30年後?
オレは死んでるかもなー。
冗談っぽくそう言うと、
そんなマイナスなコト言っちゃダメだよー。
Aくんがそう返してきた。
だってAくんがいつも、死ねって言ってくるしなー。
意地悪っぽくボクがそう言うと、
じゃあ長生きして。
暗闇だったから、どんな顔してAくんがそう言ったのかは分からない。
時々、素直にそんなコトを口にするからこそ、昨夜みたいに騒いだり暴言をぶつけてきても、まぁいっかと思えてしまう。
帰園後、乱雑な彼の部屋を一緒に片付けた。
ありがとう。
すぐ「死ね」って口にする彼が発するこの5文字がボクをまた大きくしてくれる。
その日、Aくんは朝までぐっすり寝てくれた。
他の職員が対応してくれたもう一人の中学生、Bくんも同じく。
児童養護施設職員、心身しんどい時もあるけれど、時々、本当に時々、ドラマみたいなコトもあります。
人を育てる仕事って本当にエネルギーが要る。
育てるだけでなく、癒やすとなると更に更にエネルギーが必要となる。
アツく、時に穏やかなエネルギーが。お疲れ様、自分。