11年6月4日 土曜日 06/04各社社説
今日は昨日と違い、首相の退陣時期について鳩山前首相が約束が違うと首相をペテン師と非難した社説一色だった
私たち庶民から見ると鳩山前首相の発言がどこまで本当か,菅首相が鳩山前首相との会談でどこまでその真意が伝わったかも分からない。要は党の分裂を避けただけだったのかとも考えられる。
要は菅首相も鳩山前首相の言動も国民はどこまで信用しているかだ。どちらがペテン氏か国民には見えてこない。
朝日新聞(社説)
その1
「一定のめど」―菅さん、それはない(全文はここからお入り下さい)
原発事故から目が離せない。震災復興に道筋をつけずに投げ出せない。そんな首相の責任感からなのか。
辞めると認めたら、野党から「退陣する首相など相手にできない」と無視されるので、それを避けたいのか。
辞意を表明した菅直人首相が一転、続投をめざすそぶりだ。おととい夜の記者会見でも、きのうの参院の審議でも「辞任」を口にせず、わけがわからない状況に陥っている。
だが、与野党の国会議員がののしり合っても何も生まれない。ここはまず、お互いにかっかしている頭を冷やすことだ。
確認しておこう。
その2
税と社会保障―改革のバトンをつなげ
税と社会保障の一体改革を議論してきた政府の「集中検討会議」が改革案をまとめた。今月下旬に、政府・与党で正式決定するという。
サービスの充実と削減を組み合わせたうえ、現行制度に開いた財源の穴を埋めるため、消費税率を2015年度までに10%に引き上げるとした。
急速な少子高齢化のなか、首相が誰であれ、痛みを伴う改革は避けられない。今回、負担増から逃げない案が出てきたことは評価したい。
読売新聞(社説)
首相退陣時期 政治不信の根源を早期に断て(全文はここからお入り下さい)
お粗末としか言いようのない政治の姿である。これでは国民の不信感が深まるばかりだ。
菅首相が内閣不信任決議案の採決前に退陣の意向を表明しながら、否決された後は、なお長期間、政権を維持する意欲を示している。
菅首相に退陣を求めて直談判した鳩山前首相は、約束が違うと猛反発し、首相を「ペテン師まがい」と、非難した。
およそ一国の首相と前首相の言動とは思えない。
そもそも鳩山氏が首相とかわした確認文書に退陣時期は明示されず、「第2次補正予算の早期編成のめどをつけること」とあるだけだ。玉虫色の合意だった。
それ以上に、菅首相の不誠実な態度が問題である。
IAEA報告 原発の安全向上に指摘生かせ(全文はここからお入り下さい)
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて来日した国際原子力機関(IAEA)調査団が、原因に関する報告書概要版を政府に提出した。
調査団は、福島第一原発だけでなく、東日本大震災で被災した複数の原発で、「津波の想定が過小評価されていた」と指摘した。
さらに、原発の安全対策では最大級の自然災害を想定する必要があるとした。その意味は重い。
日本列島は自然災害が多い。政府は、調査団の指摘を原発の安全向上策に生かさねばならない。
調査団は、5月後半から、福島第一原発など、被災した複数の原発を視察し、現場の技術者たちに聞き取り調査した。
その結果、原発の事故で最悪の事態とされる「炉心溶融(メルトダウン)」の防止策と、炉心溶融が起きた後の対応に、多くの問題点があったとしている。
福島第一原発では、原子炉冷却用の非常電源が津波で壊れ、代替電源を確保できなかった。
毎日新聞(社説)
辞任時期問題 「残る課題」明確に示せ(全文はここからお入り下さい)
退陣の意向を表明した菅直人首相が実際に辞任する時期が新たな対立の材料となっている。首相は2日夜の記者会見で早期退陣に否定的な考えを示し、野党に加え民主党内からも批判が起きている。
不信任決議案が否決され大混乱が何とか回避された直後に不毛な政争を蒸し返すことは、厳に慎まねばならない。首相は与野党の疑心暗鬼を広げないためにも復興政策など自身に残された課題を、より具体的に説明すべきである。
党の分裂を取り繕うためのあいまい決着だったが、早くも食い違いが表面化した。
社会保障改革 どんな政局であろうと(全文はここからお入り下さい)
政治がこのようなありさまだからこそ確認しておきたい。わが国は先進諸国の中で最も高齢化が進んでいるが、国民負担は最低レベルだ。ほころびは出ているが国民皆年金・皆保険も実現している。負担は少ないのにどうしてなのかといえば、膨大な借金をしているからだ。それを払うのは子や孫たちである。
産経新聞(社説)
菅首相「続投」 国民愚弄にも限度がある(全文はここからお入り下さい)
時期を特定しないまま退陣の意向を表明した菅直人首相が、早期に身を引くことに否定的見解を示し、与党の民主党内で混乱が広がっている。
首相が2日夜の記者会見で、辞任の「一定のめど」として、福島第1原発事故の収束への工程表で来年1月を期限としている原子炉の冷温停止などに言及したためだ。
年明けまで政権を維持する意向を示唆したと受け止められ、菅首相に早期辞職を確認したとしている鳩山由紀夫前首相は、「約束を守れないならペテン師だ」と、首相の姿勢を厳しく批判した。
内閣不信任決議案採決という重大局面で、最高指導者と前任者の約束のいいかげんさにもあきれてしまうが、これ以上の居座りを画策する首相の姿勢は国民を愚弄するものだというほかない。
内モンゴルのデモ 人権弾圧と格差が根源だ{/arrow_r/}(全文はここからお入り下さい)
中国の内モンゴル自治区で、遊牧民2人がトラックにひき殺されたのを引き金に大規模な反政府抗議デモが広がり、遊牧民らモンゴル族と漢族の対立が表面化した。
学生らの民主化運動が武力鎮圧された天安門事件から6月4日で22年がたつ。中国当局は同自治区で治安部隊を動員し、デモ参加者多数を拘束する厳戒態勢を敷いた。流血の弾圧を繰り返せば国際社会の一層の非難を浴びると認識すべきだ。
日経新聞(社説)
実現できるか年金・医療改革と消費増税(全文はここからお入り下さい)
菅内閣の不信任決議案が否決された日に、政府は社会保障と税制の一体改革案をまとめた。2015年度までに消費税率を5%上げ、年金・医療や子育て支援を充実させる。年金の支給開始年齢の引き上げを課題にあげるなど、制度の効率化にも一歩、踏み込んだ。
改革は手順が重要だ。まず効率化で給付の伸びを抑える。それでも足りない分とある程度の制度充実に必要な分を消費税と社会保険料で賄うべきだ。給付の抑制と国民負担の引き上げは、有権者の納得が必要な難題である。それを成し遂げる意志と力が民主党政権にあるかが、最大の問題だ。
復旧後も霧晴れぬ自動車産業(全文はここからお入り下さい)
大震災で滞った自動車の生産が回復してきた。被災した部品や材料の工場が次々と復旧し、今週は車の性能を最も左右する「マイコン」のメーカー、ルネサスエレクトロニクスでも茨城県の工場が一部稼働した。
日産自動車は6月中に震災前と同じ水準に生産を戻すという。トヨタ自動車も9割近くまで回復させる。国内では毎年900万~1千万台の自動車が生産されている。今年は600万~700万台に落ち込む懸念があったが、このままいけば800万台程度には挽回できそうだ。
東京新聞(社説)
広がる混乱に呆れる 首相「続投」表明(全文はここからお入り下さい)
菅直人首相の辞任はいつか。その時期をめぐって混乱が広がっている。曖昧な合意が政治を再び停滞させてしまう。収拾の責任はまず民主党にある。
菅内閣不信任決議案が否決されて一夜明けた三日午前、首相と早期辞任で合意したとする鳩山由紀夫前首相は「(採決)直前に辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。そんなペテン師まがいのことを首相がしてはいけない」と、怒りを記者団にぶちまけた。
前首相が現職首相を「ペテン師まがい」とののしる異常さ、首相の辞任時期をめぐる混乱に呆(あき)れ、開いた口がふさがらない。
◆辞意で不信任否決
◆めどは冷温停止?
◆新しい政治潮流を
今日は昨日と違い、首相の退陣時期について鳩山前首相が約束が違うと首相をペテン師と非難した社説一色だった
私たち庶民から見ると鳩山前首相の発言がどこまで本当か,菅首相が鳩山前首相との会談でどこまでその真意が伝わったかも分からない。要は党の分裂を避けただけだったのかとも考えられる。
要は菅首相も鳩山前首相の言動も国民はどこまで信用しているかだ。どちらがペテン氏か国民には見えてこない。
朝日新聞(社説)
その1
「一定のめど」―菅さん、それはない(全文はここからお入り下さい)
原発事故から目が離せない。震災復興に道筋をつけずに投げ出せない。そんな首相の責任感からなのか。
辞めると認めたら、野党から「退陣する首相など相手にできない」と無視されるので、それを避けたいのか。
辞意を表明した菅直人首相が一転、続投をめざすそぶりだ。おととい夜の記者会見でも、きのうの参院の審議でも「辞任」を口にせず、わけがわからない状況に陥っている。
だが、与野党の国会議員がののしり合っても何も生まれない。ここはまず、お互いにかっかしている頭を冷やすことだ。
確認しておこう。
その2
税と社会保障―改革のバトンをつなげ
税と社会保障の一体改革を議論してきた政府の「集中検討会議」が改革案をまとめた。今月下旬に、政府・与党で正式決定するという。
サービスの充実と削減を組み合わせたうえ、現行制度に開いた財源の穴を埋めるため、消費税率を2015年度までに10%に引き上げるとした。
急速な少子高齢化のなか、首相が誰であれ、痛みを伴う改革は避けられない。今回、負担増から逃げない案が出てきたことは評価したい。
読売新聞(社説)
首相退陣時期 政治不信の根源を早期に断て(全文はここからお入り下さい)
お粗末としか言いようのない政治の姿である。これでは国民の不信感が深まるばかりだ。
菅首相が内閣不信任決議案の採決前に退陣の意向を表明しながら、否決された後は、なお長期間、政権を維持する意欲を示している。
菅首相に退陣を求めて直談判した鳩山前首相は、約束が違うと猛反発し、首相を「ペテン師まがい」と、非難した。
およそ一国の首相と前首相の言動とは思えない。
そもそも鳩山氏が首相とかわした確認文書に退陣時期は明示されず、「第2次補正予算の早期編成のめどをつけること」とあるだけだ。玉虫色の合意だった。
それ以上に、菅首相の不誠実な態度が問題である。
IAEA報告 原発の安全向上に指摘生かせ(全文はここからお入り下さい)
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて来日した国際原子力機関(IAEA)調査団が、原因に関する報告書概要版を政府に提出した。
調査団は、福島第一原発だけでなく、東日本大震災で被災した複数の原発で、「津波の想定が過小評価されていた」と指摘した。
さらに、原発の安全対策では最大級の自然災害を想定する必要があるとした。その意味は重い。
日本列島は自然災害が多い。政府は、調査団の指摘を原発の安全向上策に生かさねばならない。
調査団は、5月後半から、福島第一原発など、被災した複数の原発を視察し、現場の技術者たちに聞き取り調査した。
その結果、原発の事故で最悪の事態とされる「炉心溶融(メルトダウン)」の防止策と、炉心溶融が起きた後の対応に、多くの問題点があったとしている。
福島第一原発では、原子炉冷却用の非常電源が津波で壊れ、代替電源を確保できなかった。
毎日新聞(社説)
辞任時期問題 「残る課題」明確に示せ(全文はここからお入り下さい)
退陣の意向を表明した菅直人首相が実際に辞任する時期が新たな対立の材料となっている。首相は2日夜の記者会見で早期退陣に否定的な考えを示し、野党に加え民主党内からも批判が起きている。
不信任決議案が否決され大混乱が何とか回避された直後に不毛な政争を蒸し返すことは、厳に慎まねばならない。首相は与野党の疑心暗鬼を広げないためにも復興政策など自身に残された課題を、より具体的に説明すべきである。
党の分裂を取り繕うためのあいまい決着だったが、早くも食い違いが表面化した。
社会保障改革 どんな政局であろうと(全文はここからお入り下さい)
政治がこのようなありさまだからこそ確認しておきたい。わが国は先進諸国の中で最も高齢化が進んでいるが、国民負担は最低レベルだ。ほころびは出ているが国民皆年金・皆保険も実現している。負担は少ないのにどうしてなのかといえば、膨大な借金をしているからだ。それを払うのは子や孫たちである。
産経新聞(社説)
菅首相「続投」 国民愚弄にも限度がある(全文はここからお入り下さい)
時期を特定しないまま退陣の意向を表明した菅直人首相が、早期に身を引くことに否定的見解を示し、与党の民主党内で混乱が広がっている。
首相が2日夜の記者会見で、辞任の「一定のめど」として、福島第1原発事故の収束への工程表で来年1月を期限としている原子炉の冷温停止などに言及したためだ。
年明けまで政権を維持する意向を示唆したと受け止められ、菅首相に早期辞職を確認したとしている鳩山由紀夫前首相は、「約束を守れないならペテン師だ」と、首相の姿勢を厳しく批判した。
内閣不信任決議案採決という重大局面で、最高指導者と前任者の約束のいいかげんさにもあきれてしまうが、これ以上の居座りを画策する首相の姿勢は国民を愚弄するものだというほかない。
内モンゴルのデモ 人権弾圧と格差が根源だ{/arrow_r/}(全文はここからお入り下さい)
中国の内モンゴル自治区で、遊牧民2人がトラックにひき殺されたのを引き金に大規模な反政府抗議デモが広がり、遊牧民らモンゴル族と漢族の対立が表面化した。
学生らの民主化運動が武力鎮圧された天安門事件から6月4日で22年がたつ。中国当局は同自治区で治安部隊を動員し、デモ参加者多数を拘束する厳戒態勢を敷いた。流血の弾圧を繰り返せば国際社会の一層の非難を浴びると認識すべきだ。
日経新聞(社説)
実現できるか年金・医療改革と消費増税(全文はここからお入り下さい)
菅内閣の不信任決議案が否決された日に、政府は社会保障と税制の一体改革案をまとめた。2015年度までに消費税率を5%上げ、年金・医療や子育て支援を充実させる。年金の支給開始年齢の引き上げを課題にあげるなど、制度の効率化にも一歩、踏み込んだ。
改革は手順が重要だ。まず効率化で給付の伸びを抑える。それでも足りない分とある程度の制度充実に必要な分を消費税と社会保険料で賄うべきだ。給付の抑制と国民負担の引き上げは、有権者の納得が必要な難題である。それを成し遂げる意志と力が民主党政権にあるかが、最大の問題だ。
復旧後も霧晴れぬ自動車産業(全文はここからお入り下さい)
大震災で滞った自動車の生産が回復してきた。被災した部品や材料の工場が次々と復旧し、今週は車の性能を最も左右する「マイコン」のメーカー、ルネサスエレクトロニクスでも茨城県の工場が一部稼働した。
日産自動車は6月中に震災前と同じ水準に生産を戻すという。トヨタ自動車も9割近くまで回復させる。国内では毎年900万~1千万台の自動車が生産されている。今年は600万~700万台に落ち込む懸念があったが、このままいけば800万台程度には挽回できそうだ。
東京新聞(社説)
広がる混乱に呆れる 首相「続投」表明(全文はここからお入り下さい)
菅直人首相の辞任はいつか。その時期をめぐって混乱が広がっている。曖昧な合意が政治を再び停滞させてしまう。収拾の責任はまず民主党にある。
菅内閣不信任決議案が否決されて一夜明けた三日午前、首相と早期辞任で合意したとする鳩山由紀夫前首相は「(採決)直前に辞めると言い、否決されたら辞めないと言う。そんなペテン師まがいのことを首相がしてはいけない」と、怒りを記者団にぶちまけた。
前首相が現職首相を「ペテン師まがい」とののしる異常さ、首相の辞任時期をめぐる混乱に呆(あき)れ、開いた口がふさがらない。
◆辞意で不信任否決
◆めどは冷温停止?
◆新しい政治潮流を