11年6月8日 水曜日 06/08・各社社説
今日は原発に関係する社説が7っもあった。
ドイツ政府が脱原発の方針を閣議決定した。日本は「脱原発」よりまず経済のことを念頭に置く。これでは何時までたっても「脱原発」は出来っこない。
考えると今後の事故の対応次第では日本は世界の笑い者になるやもしれない。
朝日新聞(社説)
その1
ドイツの決断―脱原発への果敢な挑(全文はここからお入り下さい)
ドイツ政府が「脱原発」の方針を閣議決定した。17基ある原子力発電所のうち8基をすぐに閉鎖、残り9基も2022年までに段階的に閉鎖する。
世界の主要国の一つであり、欧州経済を引っ張る国である。原発という巨大なリスクを、徐々に取り除いていこうという決断は重い。
もともと中道左派政権は02年に脱原発の旗を掲げていた。昨年秋、中道保守のメルケル政権は原発の運転期間の延長をいったん決めたが、今回の決定で元の路線に戻った。
その2
大阪維新の会―少数意見、聞く度量を
橋下徹・大阪府知事が代表を務める地域政党・大阪維新の会は先の府議会で、議員定数削減条例案など4議案を提案し、他の主要会派が反対するなかで可決、成立させた。
維新の会は、4月の統一選で過半数の議席を得た。これを背景に、異論にはほとんど耳を貸さないまま議決に持ち込む姿勢に懸念を抱かざるを得ない。
現在の109議席を88にする定数削減条例は、維新の会が統一地方選で具体的に掲げた公約である。一定の民意の支持を受けた政策といえるだろう。
読売新聞(社説)
原発事故報告 安全策の見直しは国際公約だ(全文はここからお入り下さい)
原子力発電所の安全確保策は、根本から見直さざるを得ない。
政府がまとめた福島第一原発事故の報告書が、そうした厳しい認識を示した。
今月20日からウィーンで開かれる国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合で報告される。
今回の事故の教訓として、報告書は、政府の安全規制組織や法制度の再検討、事故対応や全原発の安全向上策など28項目を挙げ、政府の方針を述べている。
届かない義援金 応援要員投入し迅速な支給を(全文はここからお入り下さい)
東日本大震災の発生から、まもなく3か月になるというのに、被災者の手元には、集まった義援金の15%程度しか届いていないという。
あまりに遅い。政府と被災自治体は、速やかな支給に全力をあげるべきだ。
厚生労働省が事務局を務める義援金配分割合決定委員会が、義援金の支給状況などをまとめた。
これまで、日本赤十字社や中央共同募金会などに寄せられた義援金は約2500億円。うち約800億円が第1次分として、被災した15都道県に送金された。
残りも第2次分として被災各県に配分される。その基準は、全壊世帯に半壊の2倍支給する、といったものだ。具体的な金額は自治体の裁量に委ねられる。
毎日新聞(社説)
日本の政局 世界の物笑いになるな(全文はここからお入り下さい)
内閣不信任案否決後、さらに混迷を深めるかのような政争劇。被災者そっちのけの権力ゲーム。これでは日本の復興を応援したくてもその気がなえてくるのではないか。
主要8カ国首脳会議(G8サミット)首脳宣言が「日本はこの危機から迅速に立ち直り、より強くなることができると深く確信している」と連帯を示したのはわずか10日余り前だ。菅直人首相の退陣表明で来年のサミットにはまた別の首相が出席する。毎年くるくる首相が代わるのはいつもの日本の風景とはいえ、大震災という非常時に「辞める時期は」「次は誰」と時間を空費する政治が国際社会にどう映るか。世界の物笑いにならないことを祈る。
原発事故検証 国民に判断材料を示せ(全文はここからお入り下さい)
国際原子力機関(IAEA)の会合に向け、日本政府がまとめた福島第1原発事故の報告書が公表された。事故の経緯を述べた上で28項目の「教訓」が列挙されている。
その多くが、専門家やメディアが指摘してきたものの、政府が公式に認めていなかった内容だ。
たとえば、今回のように炉心溶融に至るシビアアクシデント(過酷事故)を想定した対策は、電力会社の自主的取り組みに任されてきた。事故対策の指針は20年近く見直されず、訓練も不十分だった。
産経新聞(社説)
ドイツの脱原発 実態知らずの礼賛は禁物(全文はここからお入り下さい)
ドイツの脱原発が決定的になった。6日の政府閣議で正式合意に達したためである。同国内にある17基の原発は2022年までに全廃される。
福島第1原子力発電所事故を契機に、世界で急速に高まった反原発世論に押された結果のエネルギー政策の大転換だ。
日本国内にもこの方向転換を評価する声がある。だが、手放しの脱原発礼賛は禁物だ。ドイツ経済や国民生活などへの影響を慎重に見極めたい。
復興基本法案決着 首相は一刻も早く退陣を(全文はここからお入り下さい)
菅直人首相の退陣表明は、東日本大震災対応に一定のめどがついた段階とされていたが、その柱である復興基本法案が来週中にも成立の見通しとなった。
既に退陣を予告した首相は「死に体」に陥っている。早期に身を引くことに否定的見解を示し、「ペテン師」などと批判されて国民の信を決定的に失っている。一刻も早く辞任することが国家と国民の利益にかなう。
日経新聞(社説)
原発事故調は聖域つくらず真相究明を(全文はここからお入り下さい)
東京電力の福島第1原子力発電所の事故原因を調べ、再発防止策を考える事故調査・検証委員会が7日、初会合を開いた。委員長の畑村洋太郎・東京大学名誉教授は「100年後に見ても恥ずかしくない中身にしたい」と述べた。
東電と政府による事故の説明の内容は二転三転してきた。肝心な事実の公表が遅れ、国内だけでなく世界から不信の目でみられ、日本製品への風評被害の一因になった。調査委は徹底した真相究明を進め、日本の信頼回復につなげるべきだ。
村上裁判が市場に残した課題{/arrow_r/}(全文はここからお入り下さい)
ライブドアによるニッポン放送株取得をめぐるインサイダー取引事件で、最高裁が証券取引法違反の罪に問われた村上ファンド元代表、村上世彰被告(51)の上告を棄却した。
村上被告に懲役2年、執行猶予3年などを言い渡した二審判決が確定する。市場の公正を損なうような悪質な取引が厳しく裁かれたのは当然である。
東京新聞(社説)
どうする「脱原発」 事故の教訓はどこに(全文はここからお入り下さい)
政府が「ポスト福島」のエネルギー政策の素案を示した。白紙から見直すはずなのに原発をなお重要戦略に据えている。内実が伴わぬ菅直人首相の政治主導では自然エネルギーの大量導入は危うい。
地震、津波に破壊された東京電力福島第一原発がまき散らす放射性物質は、周辺住民の暮らしを壊し、安心を損ね、国民への食料供給をも不安定にさせている。
だからこそ菅首相は主要国首脳会議などで二〇二〇年代の早い時期までに、民家一千万戸の屋根に太陽光パネルを敷き詰め、自然エネを総発電量の20%を超える水準に引き上げると力説したのではなかったか。
どうする「脱原発」 ドイツの重い問いかけ(全文はここからお入り下さい)
ドイツのメルケル政権が二〇二二年までの原発全廃を閣議決定した。来月にも法制化される。東日本大震災後も原発維持が大勢を占める国際社会への重い問いかけと受け止めたい。
原発に依拠しない国としてはすでにオーストリアやデンマークなどの例があるが、欧州経済の牽引(けんいん)車たるドイツの決断が国際社会に与える影響は遥(はる)かに大きい。
今日は原発に関係する社説が7っもあった。
ドイツ政府が脱原発の方針を閣議決定した。日本は「脱原発」よりまず経済のことを念頭に置く。これでは何時までたっても「脱原発」は出来っこない。
考えると今後の事故の対応次第では日本は世界の笑い者になるやもしれない。
朝日新聞(社説)
その1
ドイツの決断―脱原発への果敢な挑(全文はここからお入り下さい)
ドイツ政府が「脱原発」の方針を閣議決定した。17基ある原子力発電所のうち8基をすぐに閉鎖、残り9基も2022年までに段階的に閉鎖する。
世界の主要国の一つであり、欧州経済を引っ張る国である。原発という巨大なリスクを、徐々に取り除いていこうという決断は重い。
もともと中道左派政権は02年に脱原発の旗を掲げていた。昨年秋、中道保守のメルケル政権は原発の運転期間の延長をいったん決めたが、今回の決定で元の路線に戻った。
その2
大阪維新の会―少数意見、聞く度量を
橋下徹・大阪府知事が代表を務める地域政党・大阪維新の会は先の府議会で、議員定数削減条例案など4議案を提案し、他の主要会派が反対するなかで可決、成立させた。
維新の会は、4月の統一選で過半数の議席を得た。これを背景に、異論にはほとんど耳を貸さないまま議決に持ち込む姿勢に懸念を抱かざるを得ない。
現在の109議席を88にする定数削減条例は、維新の会が統一地方選で具体的に掲げた公約である。一定の民意の支持を受けた政策といえるだろう。
読売新聞(社説)
原発事故報告 安全策の見直しは国際公約だ(全文はここからお入り下さい)
原子力発電所の安全確保策は、根本から見直さざるを得ない。
政府がまとめた福島第一原発事故の報告書が、そうした厳しい認識を示した。
今月20日からウィーンで開かれる国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合で報告される。
今回の事故の教訓として、報告書は、政府の安全規制組織や法制度の再検討、事故対応や全原発の安全向上策など28項目を挙げ、政府の方針を述べている。
届かない義援金 応援要員投入し迅速な支給を(全文はここからお入り下さい)
東日本大震災の発生から、まもなく3か月になるというのに、被災者の手元には、集まった義援金の15%程度しか届いていないという。
あまりに遅い。政府と被災自治体は、速やかな支給に全力をあげるべきだ。
厚生労働省が事務局を務める義援金配分割合決定委員会が、義援金の支給状況などをまとめた。
これまで、日本赤十字社や中央共同募金会などに寄せられた義援金は約2500億円。うち約800億円が第1次分として、被災した15都道県に送金された。
残りも第2次分として被災各県に配分される。その基準は、全壊世帯に半壊の2倍支給する、といったものだ。具体的な金額は自治体の裁量に委ねられる。
毎日新聞(社説)
日本の政局 世界の物笑いになるな(全文はここからお入り下さい)
内閣不信任案否決後、さらに混迷を深めるかのような政争劇。被災者そっちのけの権力ゲーム。これでは日本の復興を応援したくてもその気がなえてくるのではないか。
主要8カ国首脳会議(G8サミット)首脳宣言が「日本はこの危機から迅速に立ち直り、より強くなることができると深く確信している」と連帯を示したのはわずか10日余り前だ。菅直人首相の退陣表明で来年のサミットにはまた別の首相が出席する。毎年くるくる首相が代わるのはいつもの日本の風景とはいえ、大震災という非常時に「辞める時期は」「次は誰」と時間を空費する政治が国際社会にどう映るか。世界の物笑いにならないことを祈る。
原発事故検証 国民に判断材料を示せ(全文はここからお入り下さい)
国際原子力機関(IAEA)の会合に向け、日本政府がまとめた福島第1原発事故の報告書が公表された。事故の経緯を述べた上で28項目の「教訓」が列挙されている。
その多くが、専門家やメディアが指摘してきたものの、政府が公式に認めていなかった内容だ。
たとえば、今回のように炉心溶融に至るシビアアクシデント(過酷事故)を想定した対策は、電力会社の自主的取り組みに任されてきた。事故対策の指針は20年近く見直されず、訓練も不十分だった。
産経新聞(社説)
ドイツの脱原発 実態知らずの礼賛は禁物(全文はここからお入り下さい)
ドイツの脱原発が決定的になった。6日の政府閣議で正式合意に達したためである。同国内にある17基の原発は2022年までに全廃される。
福島第1原子力発電所事故を契機に、世界で急速に高まった反原発世論に押された結果のエネルギー政策の大転換だ。
日本国内にもこの方向転換を評価する声がある。だが、手放しの脱原発礼賛は禁物だ。ドイツ経済や国民生活などへの影響を慎重に見極めたい。
復興基本法案決着 首相は一刻も早く退陣を(全文はここからお入り下さい)
菅直人首相の退陣表明は、東日本大震災対応に一定のめどがついた段階とされていたが、その柱である復興基本法案が来週中にも成立の見通しとなった。
既に退陣を予告した首相は「死に体」に陥っている。早期に身を引くことに否定的見解を示し、「ペテン師」などと批判されて国民の信を決定的に失っている。一刻も早く辞任することが国家と国民の利益にかなう。
日経新聞(社説)
原発事故調は聖域つくらず真相究明を(全文はここからお入り下さい)
東京電力の福島第1原子力発電所の事故原因を調べ、再発防止策を考える事故調査・検証委員会が7日、初会合を開いた。委員長の畑村洋太郎・東京大学名誉教授は「100年後に見ても恥ずかしくない中身にしたい」と述べた。
東電と政府による事故の説明の内容は二転三転してきた。肝心な事実の公表が遅れ、国内だけでなく世界から不信の目でみられ、日本製品への風評被害の一因になった。調査委は徹底した真相究明を進め、日本の信頼回復につなげるべきだ。
村上裁判が市場に残した課題{/arrow_r/}(全文はここからお入り下さい)
ライブドアによるニッポン放送株取得をめぐるインサイダー取引事件で、最高裁が証券取引法違反の罪に問われた村上ファンド元代表、村上世彰被告(51)の上告を棄却した。
村上被告に懲役2年、執行猶予3年などを言い渡した二審判決が確定する。市場の公正を損なうような悪質な取引が厳しく裁かれたのは当然である。
東京新聞(社説)
どうする「脱原発」 事故の教訓はどこに(全文はここからお入り下さい)
政府が「ポスト福島」のエネルギー政策の素案を示した。白紙から見直すはずなのに原発をなお重要戦略に据えている。内実が伴わぬ菅直人首相の政治主導では自然エネルギーの大量導入は危うい。
地震、津波に破壊された東京電力福島第一原発がまき散らす放射性物質は、周辺住民の暮らしを壊し、安心を損ね、国民への食料供給をも不安定にさせている。
だからこそ菅首相は主要国首脳会議などで二〇二〇年代の早い時期までに、民家一千万戸の屋根に太陽光パネルを敷き詰め、自然エネを総発電量の20%を超える水準に引き上げると力説したのではなかったか。
どうする「脱原発」 ドイツの重い問いかけ(全文はここからお入り下さい)
ドイツのメルケル政権が二〇二二年までの原発全廃を閣議決定した。来月にも法制化される。東日本大震災後も原発維持が大勢を占める国際社会への重い問いかけと受け止めたい。
原発に依拠しない国としてはすでにオーストリアやデンマークなどの例があるが、欧州経済の牽引(けんいん)車たるドイツの決断が国際社会に与える影響は遥(はる)かに大きい。