この電車は「メトロ丸の内線」の新宿駅で。
事故を防ぐ為だろう。ホームは囲われている。
14日、朗読を聴きに行く時のことである。
正午過ぎ、郊外電車に乗って空いている席に座り、
イヤホーンで自分の講座の録音を聴いていた。
何度聴いてもうまくイメージ出来ずに発音もワザとらしく
上手く行かない箇所がいたる所に有る。
それで講師の発音を耳を済まして聞いている内はいいが、
時に、つい無意識にそれを声を出してしまう。
芥川龍之介の短編、「トロッコ」を習っていて、その主人公の名前が
実在感を持って発音できなくて四苦八苦している。
「良平は」 の発音。
主人公の良平は8歳の男の子で孫と同じ年齢なのだから孫をイメージして、
孫の弾む魂を持ったつもりで、と自分を誘導するのだが・・
ICレコーダーから聞こえて来る講師の発音をつい繰り返し、電車の中で
「良平は」 と声に出してしまい、周囲の席の人をギョッとさせている。
その度に肩を竦めて小さくなっている。
すると途中駅から女性が3人乗ってきた。
1人は私の隣の空いた席に座り、2人は前に立っている。
チラと隣を見ると、前に立っている若い女性の母親のようだ。
私の前に居るもう1人は、3人連れと思ったが、彼女は連れではないらしい。
良く見るとお腹が出ている。
よくよく見るとどうも妊娠中で8ヶ月は過ぎていそうだ。
お腹が大きくてコートの前が留まらないらしい。
顔いっぱいを覆うような大きなマスクをしているが、時に辛そうな表情をする。
こんな大きなお腹だから疲れるだろうな、と心配した。
席を譲りたい。
だが明らかに高齢の私に譲られて座ってもらえるだろうかと
不安で躊躇したが、思い切って声を掛けた。
「赤ちゃんなの?」
すると彼女は目を見張って驚いたようだったが、ニッコリして
「そうです。」と嬉しそうに言った。
「ここに座って!私はジムに行っていて40分も歩いているのだから
立つのは平気なのよ。」
「あっすいません。ありがとうございます。」
と笑顔で言って素直に座ってくれた。
私は嬉しかった。
昼間の電車だから、混んではいない。
反対側に行って外の景色を眺めていた。
何駅か過ぎると、座っていた人が何人か降りた。
彼女の周りの人も降りたようだった。
するとその女性に呼ばれた。
自分の隣りの席を指して手招きしてくれている。
有り難く彼女の隣に座った。
「私はね、本当は身体を弱らせない為に、立っていた方が健康に良いのだけど
席があると、つい座ってしまうのが悪い癖なの。」と弁解した。 すると
「私もです。」 と親しげにニッコリした。
彼女の顔を改めて見ると、大きな二重のビックリするような美人らしい。
残念ながら大きなマスクをしているので顔を全部見たわけではないけれど。
声を聴くと明らかに20代の声。
彼女は海老名に住んでいてこれから茨城にある実家の近くの病院へ検診に行くという。
いつも茨城に検診に行っているということは、生む時は実家に戻るのだろう。
幸せな若い女性の、人を疑ることを知らないような人懐っこい瞳に魅了されて
「この人、大好き!」と突然、いとおしく思った。
育児に疲れた時は力になりたい、と心の中でお節介がよぎったが・・
私のほうが先に電車を降りた。
幸せな女性が多いほうが良い。 世の中の光のような気がした。
事故を防ぐ為だろう。ホームは囲われている。
14日、朗読を聴きに行く時のことである。
正午過ぎ、郊外電車に乗って空いている席に座り、
イヤホーンで自分の講座の録音を聴いていた。
何度聴いてもうまくイメージ出来ずに発音もワザとらしく
上手く行かない箇所がいたる所に有る。
それで講師の発音を耳を済まして聞いている内はいいが、
時に、つい無意識にそれを声を出してしまう。
芥川龍之介の短編、「トロッコ」を習っていて、その主人公の名前が
実在感を持って発音できなくて四苦八苦している。
「良平は」 の発音。
主人公の良平は8歳の男の子で孫と同じ年齢なのだから孫をイメージして、
孫の弾む魂を持ったつもりで、と自分を誘導するのだが・・
ICレコーダーから聞こえて来る講師の発音をつい繰り返し、電車の中で
「良平は」 と声に出してしまい、周囲の席の人をギョッとさせている。
その度に肩を竦めて小さくなっている。
すると途中駅から女性が3人乗ってきた。
1人は私の隣の空いた席に座り、2人は前に立っている。
チラと隣を見ると、前に立っている若い女性の母親のようだ。
私の前に居るもう1人は、3人連れと思ったが、彼女は連れではないらしい。
良く見るとお腹が出ている。
よくよく見るとどうも妊娠中で8ヶ月は過ぎていそうだ。
お腹が大きくてコートの前が留まらないらしい。
顔いっぱいを覆うような大きなマスクをしているが、時に辛そうな表情をする。
こんな大きなお腹だから疲れるだろうな、と心配した。
席を譲りたい。
だが明らかに高齢の私に譲られて座ってもらえるだろうかと
不安で躊躇したが、思い切って声を掛けた。
「赤ちゃんなの?」
すると彼女は目を見張って驚いたようだったが、ニッコリして
「そうです。」と嬉しそうに言った。
「ここに座って!私はジムに行っていて40分も歩いているのだから
立つのは平気なのよ。」
「あっすいません。ありがとうございます。」
と笑顔で言って素直に座ってくれた。
私は嬉しかった。
昼間の電車だから、混んではいない。
反対側に行って外の景色を眺めていた。
何駅か過ぎると、座っていた人が何人か降りた。
彼女の周りの人も降りたようだった。
するとその女性に呼ばれた。
自分の隣りの席を指して手招きしてくれている。
有り難く彼女の隣に座った。
「私はね、本当は身体を弱らせない為に、立っていた方が健康に良いのだけど
席があると、つい座ってしまうのが悪い癖なの。」と弁解した。 すると
「私もです。」 と親しげにニッコリした。
彼女の顔を改めて見ると、大きな二重のビックリするような美人らしい。
残念ながら大きなマスクをしているので顔を全部見たわけではないけれど。
声を聴くと明らかに20代の声。
彼女は海老名に住んでいてこれから茨城にある実家の近くの病院へ検診に行くという。
いつも茨城に検診に行っているということは、生む時は実家に戻るのだろう。
幸せな若い女性の、人を疑ることを知らないような人懐っこい瞳に魅了されて
「この人、大好き!」と突然、いとおしく思った。
育児に疲れた時は力になりたい、と心の中でお節介がよぎったが・・
私のほうが先に電車を降りた。
幸せな女性が多いほうが良い。 世の中の光のような気がした。
色々なものにチャレンジしたり
試行錯誤を繰り返すのは
覚悟の上ですよね。
どうあがいたって
忘れられないのだから
思いっきり忘れちゃいましょう。
なるべく忘れている時間を
長くしましょう。
笑うチャンスを逃さずに
大いに笑いましょう。
退院
不安もあるでしょうけれど、
お母さまも来てくださるのだし
ご主人は仕事で忙しいでしょうけど
今は人の気配があるのが一番
良いような気がします。
だって1人じゃ思い出し笑いか、
微笑 苦笑 くらいしか出来ないですもの。
最初は気兼ねのいらない人の間で
笑っていたら、その内 何処ででも
笑えるようになる筈だから。
気張らないでボチボチと
いきまっしょ!
ある光を
探してしまいます。
でもあの光は
もう戻ってこない。
ある光。
違う光を探して
これから生きていく。
あぁ・・
難しいですね。
でも
それをしないと
Yちゃんも嬉しくないですよね。
おかあさんと
笑い皺の競争できるよう
がんばらなきゃ。
退院が3月10日頃に
決まりました。
不安ですが
また入院してしまわないように
これから笑って、笑って。
いつの間にか光を探しています。
12月に落ち込んだ時、
何かを手がかりにして
光の中に居続けようと思いました。
後ろめたいなんて思わないで!
私達が光の中にいると、きっとYも
光を浴びられるのだと思うの。
だから後ろめたく思わずに
笑い皺の競争でもしましょうね(笑)
電車で出会った若い女性、
風音さんの顔立ちとそっくりだったのよ。
二重の切れ長の大きい瞳!
わたしたちは何ヶ月もすごして
時々光が差す、
そんなときは
とてもうれしいけれど
後ろめたくもあって。
でも
おかあさん、
笑顔の日々をもっとつくりましょうね。
笑い皺がある女性って
素敵ですもの。