親北派の学生ら、ソウルの駐韓米大使公邸に侵入 「出ていけ」との横断幕掲げる
10/19(土) 12:54配信
AFPBB News
(c)AFPBB News
【10月19日 AFP】韓国の首都ソウルで18日、親北朝鮮派の韓国人学生ら20人近くが駐韓米大使公邸の敷地内に侵入し、ハリー・ハリス(Harry Harris)米大使の帰国を求める抗議活動を繰り広げた。
フェイスブック(Facebook)に投稿された写真によると、学生らはソウル中心部にある駐米大使公邸に壁を乗り越えて侵入。ある写真では、「韓屋(ハノク)」と呼ばれる伝統様式の住宅の縁側に立ったデモ参加者らが、「ハリス(大使)はこの地から出ていけ」と記された横断幕を掲げる姿が捉えられている。
参加者らは抗議の理由について、米政府が在韓米軍の駐留経費の負担額を増やすよう韓国政府に要求しているためと説明。1950年に韓国に攻め入り、核武装した北朝鮮から韓国を防衛するため、米国は兵士2万8500人を同国へ駐留させている。
警察はAFPに対し、「大使公邸に侵入した後、捜査のため学生17人の身柄を拘束し、警察署に連行した」と説明。
韓国外務省は、「外交官らに対していかなる危害や攻撃を加えることも、どんな状況下であっても正当化され得ない」として学生らを非難するとともに、米大使館と公邸周辺の警備を強化するよう求めた。
この学生グループは以前、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長がもしソウルを訪問すれば、歓迎すると明かしていた。(c)AFPBB News
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10/19(土) 10:21配信
朝鮮日報日本語版
親北朝鮮団体「韓国大学生進歩連合」所属の大学生らが18日、ソウル市中区の米国大使公邸の塀を乗り越えて侵入するという事件が起きた。学生らは大使公邸の塀をはしごを使って越えて中へ入り、「米軍支援金5倍増額要求 ハリス(駐韓米国大使)はこの地を去れ」と書かれたプラカードなどを掲げたという。一行は警察に連行されながらも「米国は韓国から出ていけ」「米軍は撤収せよ」と主張した。ソウル・光化門の真ん中で「金正恩(キム・ジョンウン)万歳」のスローガンを叫んでいたのが、米大使公邸の塀を乗り越える事件まで起こしたのだ。米大使公邸の占拠は、反米デモが盛んだった1980年代に起きていたことだ。公邸には警備に立つ警察官がいたが、「(デモ隊が)けがするのではと思って積極的に阻止しなかった」という。
少し前に、この団体はソウルの光化門広場で世宗大王像を占拠し、反米デモを繰り広げた。昨年には「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のソウル訪問を歓迎する白頭称頌(しょうしょう)委員会」結成を主導した。ソウル各所で金正恩ソウル答礼訪問歓迎のPR活動を繰り広げ、「金正恩万歳」を叫んだ。太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使を脅迫し続け、公開講演の妨害も行った。
彼らは、大学生の支持を得られない少数の逸脱グループにすぎないだろう。しかし彼らの行動を軽く見てばかりいることはできない。今の韓国社会では、女子中学生2人が米軍の装甲車にはねられて死亡した2002年の「美善(ミソン)・孝順(ヒョスン)事件」が再燃しかねない条件が作られているからだ。総選挙を前にして、経済の失敗、チョ・グク法相問題などで左派陣営は窮地に陥っている。北朝鮮は、米国が開城工業団地、金剛山観光の再開を妨げていると連日非難している。最近の米朝交渉決裂直後、北朝鮮の『労働新聞』は「南朝鮮当局が対米追従と決別しないのなら、わが民族は日に日に高まる侵略戦争の危険から逃れられない」と主張した。
米国のせいで「南北ショー」ができずにいる不満は、韓国の現政権内部でも大きい。大統領に強い影響力を持つ文正仁(ムン・ジョンイン)特補は「南北関係において最も大きな障害物は国連軍司令部」、「米国大使館前で市民がデモしてこそ(米国は)変わる」と発言した。現政権の中心人物が、表立って言葉にはしないものの、内心考えていることは18日に米大使公邸へ侵入した親北団体と大して変わらない-ということもあり得る。
こうした中で米国のトランプ大統領は、在韓米軍の分担金を大幅に引き上げろと圧力をかけている。韓国国民の反発を呼びかねない。既に韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄後、韓米同盟の亀裂は大きくなっている。米国は、これまで中立を守ってきた韓国軍の独島訓練問題でも不満を示している。何かのきっかけで誰かが火を付ければ、反日に続いて反米の炎が燃え上がりかねない。
今、韓国は内憂外患に直面している。経済は大変で、国民は分裂しており、政権は信頼を失った。外では友邦が一つでもあるかどうか分からない有様だ。こんな状況で反米デモまで起きたら、安全保障と経済そろって「弱り目に祟り目」ということになりかねない。韓国政府は米大使公邸侵入事件を軽視せず、はっきりと一線を画し、反米の火の手が拡大するのを早期に遮断すべきだ。
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朝鮮日報日本語版
リビア元筆頭国務次官補が持論を語る
米国の元政府高官が「北朝鮮はここ1年間、韓国左派へのイデオロギー攻勢で大きな成功をおさめた」と指摘した。昨年4月の南北首脳会談をはじめとして、韓国国内の左翼勢力に対話攻勢を仕掛けることで彼らの民族感情を刺激し、北朝鮮に同調する勢力として引き入れることに事実上成功したということだ。
ブッシュ政権で東アジア太平洋担当の筆頭国務次官補を歴任したエバンス・リビア氏は17日(現地時間)、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に出演した。リビア氏は北朝鮮が韓国に対して露骨な暴言などを使っていることについて「北朝鮮としては韓国を外交的、政治的、イデオロギー的に(利用する)都合の良い位置に置いたことを把握し、蔑視しているということだ」とした上で、上記のように述べた。北朝鮮がいかなる行動をとったとしても、韓国は無条件でそれに従うため、かえって韓国を無視するようになったというのだ。
リビア氏は「このような(イデオロギー攻勢の)成功は、韓国国内における北朝鮮に同調する動きや反応を北朝鮮が当然視するレベルにまで達した」「北朝鮮は自分たちよりも韓国のほうがより対話や協力を願っていることと、北朝鮮がどんな行動をとっても韓国は常に手を差し出し、協力を求めることを確信するようになった」と指摘した。
リビア氏は北朝鮮が米国に対して同様の非難を行わないことについて「米国は韓国のように当然視できる相手ではないからだ」とした上で「北朝鮮が望む安全保障、韓米合同軍事演習の中断、在韓米軍の撤収などを提供できるのは米国だけだ」と説明した。
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