小室が眞子さまの夫になったらどうなる?スキャンダルまみれの欧州王室に見る未来
5/23(日) 8:02配信
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眞子さまと小室圭さん(C)朝日新聞社
2019年10月の令和の天皇の即位の儀式で、皇后雅子さま(57)とスペインのレティシア王妃(48)の熱い抱擁が話題を集めたのは、記憶に新しい。
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スペイン国王フェリペ6世(53)の妻、レティシア王妃は、離婚歴もあるバリバリのキャリアウーマンだ。NY同時多発テロやイラク戦争でも現場に立ち、若手ジャーナリストとして賞も贈られたほどの実力派。過去に妃のいとこが出した暴露本では、同妃が中絶手術(同国では違法)を行ったことなどが暴露された。しかし、その程度のゴシップはかすむほど、生臭い醜聞が絶えないのが欧州の王室だ。
欧州王室の大半は、女性にも王位継承権を認めている。王女と結婚した夫は、王室に「婿入り」する。日本の皇室でも女性・女系天皇に理解を示す声が大きくなりつつある。いま、継承問題とは切り離し皇族の数の減少に歯止めをかけるために、女性皇族を軸にした案が検討されている。
結婚したのちも皇室に残る「女性宮家」や民間から公務を支える「皇女」案だ。
秋篠宮家の長女、眞子さま(29)と婚約内定者の小室圭さん(29)の結婚問題も、この議論の延長にある。
眞子さまが小室さんと結婚するとの意思は変わらず、既定路線との見方が強い。「女性宮家」や「皇女」案が具体化する時期とふたりの結婚の時期が重なれば、小室さんは皇室に「婿入り」か民間人なった「皇女」の夫という立場となる。危機的状況にある皇室。女性王族の活躍という意味では、欧州王室が未来図のひとつのヒントにもなるだろう。
しかし、王室に「婿入り」した男性が待遇面での不満から、金銭スキャンダルを起こす例もあとを絶たない。世界的な贈収賄事件である、76年のロッキード事件に絡んだのがオランダ王室だ。当時のユリアナ女王の夫、ベルンハルト殿下は、ロッキード社から110万ドルを受け取った疑惑が明るみに出て全ての公職から退いた。
スペイン国王フェリペ6世の義兄は、なんと横領の罪で禁錮6年3月の実刑判決を受けて刑務所にいる。国王の姉、クリスティーナ王女(55)の夫のイニャキ・ウルダンガリン被告(53)は、ハンドボールの五輪選手としても有名だった。
ふたりは、アトランタ五輪で知り合い電撃的な結婚をした。王室は、彼の人となりも見極めないままに迎え入れ、ふたりに一代限りの公爵の称号を与えた。だが、国王の義兄は信頼を裏切る。実業家となったウルダンガリンは、本人が会長を務める財団など通じた脱税や背任で、約600万ユーロ(約8億円)の不当利得を手に入れたとして2018年に、首都マドリードから100キロ離れたブリエバ刑務所に収監された。
高い支持率に支えられてきたスペイン王室だが、スキャンダルにまみれて威信は地に落ちている。前国王ファン・カルロス1世(83)は、世界自然保護基金(WWF)スペインの名誉総裁を務める身でありながら、アフリカの地で愛人同伴で象狩りツアーの接待を受けたことが露見して、退位に追い込まれた。長男のフェリペ6世に王位を譲ったが、スキャンダルが明るみに出る。
国王ともなると手にする金額の桁が違う。在位中にサウジアラビアでの高速鉄道建設計画に絡んで、スペイン企業やスイスの隠し口座を使ってサウジから不正なお金を受け取ったとして、捜査当局が動いた。
さらに、サウジの故アブドラ前国王から1億ドル(約106億円)を受け取り、愛人に6500万ドルを贈った疑惑も浮上。ちなみに愛人は、スイス当局の調べに対して、「愛情から贈られた」と認めている。追及が渦巻くなか前国王は、2020年にカリブ海のドミニカ共和国に「亡命」。
コロナ禍になるとワクチンスキャンダルが追い打ちをかけた。今年3月、現国王の姉ふたり、エレナ王女(57)とクリスティーナ王女は、国内ではワクチンの接種対象になっていないのに、優先してワクチン接種を受けことが暴露された。ふたりの王女は、父親カルロス前国王が長期滞在するアラブ首長国連邦を訪ねた機会を利用して接種。横領や金銭スキャンダルにまみれた王族の、優先接種に、国民の怒りはおさまらない。大スキャンダルに発展した。
お金が集まりすぎる王室は醜聞にまみれる。逆に、自分の食いぶちは自分で稼ぐ「自助自立」ーの道を行くのがデンマーク王室だ。
デンマーク女王マルグレーテ2世(81)の孫のニコライ王子(21)は、モデルとして活躍する王子として有名だ。高校を卒業してすぐに、モデル事務所に所属。バーバリーの2018年春夏メンズコレクションで、モデルデビュー。ディオールのメンズコレクションの常連モデルで、2020年にはウクライナ版『ヴォーグ』の表紙も飾った。
デンマークの他に英国やアジア、東欧など各国の血が混じり、引き美形ぞろいの王室のなかでもひときわ目立つ美貌だ。王族は美形が多い。
モナコのレーニエ3世・前大公に嫁いだグレース・ケリー。そのDNAを受け継いだ孫は、美貌のカシラギ3兄妹として有名だ。長女のシャルロットは、過去3回もグッチの広告に起用された美女。アンドレア(36)とピエール(33)兄弟は、大富豪の賢女と結婚した。やはり孫のカロリーヌ・ド・モナコは、ハイブランドのモデルをこなす。
ギリシアの君主制は廃止されたが、コンスタンティノス・アレクシオス王子(22)は、いまだ王子の称号を持つ。インドも君主制は廃止されたが、マハラジャ(藩王)の末裔のパドマナーバ・シンは、いまも王子さまとして敬われている。資産総額は900億円ともいわれ、ポロ選手として活躍するかたわら、「ドルチェ&ガッバーナ」のモデルも務めた。
王室メンバーは経済的にも恵まれているケースが多く、モデル業はアルバイトのような位置づけだ。だが、デンマーク王室のニコライ王子の場合は、ちょっと事情がある。マグレーテ女王の次男、ヨアキム王子と香港出身のアレクサンドラ元妃の間に誕生したのがニコライ王子だ。両親は2005年に離婚。王子の継承順位は7位と低い。しかも2016年から、デンマーク王室では、皇太子の長男以外の王室の子どもは18歳の成人の年から、王室から給料が出ないことに決まった。
ニコライ王子は高校卒業後、軍の学校に入ったがすぐに中退。モデルとして稼ぐ一方で、経営学を学ぶためビジネススクールに入学した。
デンマーク王室で本家以外の王族は、自分の力で稼ぎ生活をしなければならない。ロイヤルメンバーとしてそこに生まれ、公務をこなすことで衣食住と生活費が保障されるわけではない。厳しいが、時代に沿った選択のひとつだ。
日本の皇室制度を考えるうえで、他の王室との比較がよく引き合いに出される。人権や女性の継承権も大事だが、経済的な面も参考にできるところはありそうだ。(AERAdot.編集部 永井貴子)