晴走雨読

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政権交代とは? 裏金疑惑 支持率 政策転換 

2024-06-30 15:59:49 | Weblog

政権交代とは? 裏金疑惑 支持率 政策転換    

2024年も半分が過ぎた。通常国会は自民党の政治資金問題に時間を費消してしまった。野党は、国民受けを狙ってか重要法案について十分な議論もしないでこの問題に付き合ってしまった。僕は、自民党の政治資金はこの政党の本質を体現しているだけのことであり、国民向けに自ら改革が必要と考えるならば勝手にやればいいと思っていた。あとは、国民が選挙で判断するだけのことだから。

さて、キシダ内閣及び自民党の支持率が低下して政権交代の可能性が出てきたといわれている。僕が気になったのは、最大野党の党首が、「私たちが政権を任されても、防衛、安保、外交など国の基本的な政策は変えないので、国民の皆さん安心してください。」という主旨の発言をしたことだ。(2024.6.21、BSフジ、プライムニュース)

そこで、政権を交代する、政権を奪うとはどういうことなのだろうかと考えた。現状を「変える」ために政権交代をする。現在の政権与党の政策の問題点を指摘して、それを改める考え方を国民に訴えて、支持を広げてはじめて政権を任されるのだと思う。急ハンドルは切らなくてもいい。しっかりと結論付けた政策まで打ち出せなくても、問題を内包する課題を考える必要性、その解決の方向性を国民に示し、闊達な議論を提起すべきだ。「変えない」から安心してくださいというのは全くナンセンスで、政権交代を行う意味などないと考える。

「変える」必要性のある課題は山積している。例えば、米国が世界の警察官の役目を止めて、アメリカ第一主義に転換した現在、この国の対米従属、いいなり外交を見直さなくてもいいのだろうか。43兆円の兵器を買ってほしいといわれて反論もできないで約束してしまう状態。キシダは枕詞のように「我が国を取り巻くかつてない厳しい安全保障環境」というが、それでは何か緊張を解く動きをしているのだろうか。現状では険悪な空気が漂う近隣諸国との関係を信頼を築く方向に転換するべきではないか。

まだある。辺野古をどうするのか。沖縄の人に耐え忍ぶことを続けさせるのか。本気を出して能登地震災害の復興を行っているのか。メタンガスとヒアリが出る夢洲万博、IRカジノは?大井川が涸れてしまうリニアは?・・少子・高齢・人口減少・労働力不足のこの国を世界の中でどうしていくのか。1,200兆円も累積した国の借金、国の財政をどうするのか。政権交代を訴えるのであれば、多くの課題に真摯に真正面から取り組むべきだ。

現状、与野党を問わず今の政治家は、「我が亡き後に洪水よ来たれ」状態としか思えない。政治資金などという些末な問題が国会のメインテーマという堕落した情況。そして、僕ら高齢者も心のどこかに大きな問題は先送りして、残った時間を何とか無事に過ごすことができればいいやと考えているフシがある。

マスコミに出てくる識者といわれている人たちも、国民(市民)が暮らしていくうえで困った問題に直面すると、「ここは、国や地方自治体が補助や支援をすべき」と簡単に言う。その典型的な結果が誰も反対する国民のいないバラマキ政策だ。今の国の財政状況を家計に例えると、返済不可能なほどローンを抱えてしまっているのに、家族のそれぞれが、あれもほしい、これも必要だと買い物を続けている状態だ。破産を避けたいなら、今は我慢の時だ、あれを止めてその分でこれにしよう、ということになるだろう。与党に対抗して政権を担いたいのであれば、無償化や給付の拡大をいう前に、不要な制度を止めてその分の財源をここに投下したい、と野党は苦い選択も国民に問うべきだ。

 

 

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吉田敏明 『鉄から見た我が国の古代史』 葦原中津国(あしはらのなかつくに)のワケ 葦(あし) 河童は実在した

2024-06-12 14:10:51 | Weblog

『鉄から見た我が国の古代史』(吉田敏明著 火力原子力発電技術協会 2015年刊) 葦原中津国(あしはらのなかつくに)のワケ 葦(あし) 河童は実在した  

友人から、高効率発電システム研究所吉田敏明氏が火力原子力発電技術協会誌(Voi.66 No.9)に寄稿した古代史論文のコピーをいただいた。実に面白く久しぶりにわくわくして読んだ。古代においてこの国は、「葦原中津国(あしはらのなかつくに)」と呼ばれていたが、なぜ葦(あし)なのか、その謎が解明された。葦が重要な植物だったのだ。パシカルが「人間は考える葦である」と言ったことと通じるのだろうか。

昔から「鉄は国家なり」といわれている。古代においては、鉄をつくる技術を持つと丈夫な鉄製農具を作ることができ、農業が発展し、そのため強い集団づくりにつながっていた。

以下、本論文の内容を記す。我が国への鉄の伝来ルートは3つある。

①弁辰鉄資本ルート、ニニギ族が朝鮮半島(後の任那)から九州北部にもたらした、鋳鉄・鍛治(間接製鉄法)。この一族から初代天皇の神武が生まれた。

②大陸産鉄族ルート、スサノオ族が同じく朝鮮半島から山陰地方の出雲に伝えた砂鉄製鉄(半溶融直接還元法)たたら製鉄技術。素戔男尊(スサノオ)は朝鮮経由で出雲に来た。

③海辺産鉄族ルート、アタ族が中国沿岸から九州熊本(球磨川)に伝えた湖沼製鉄法

重要なのは、③の湖沼製鉄法だ。

古代の人たちは焚火の灰の底に鉄が溜まる現象を知っていた。その理由は、鉄バクテリアによって湿地帯に生える葦の根元に湖沼鉄という水酸化鉄が溜まり、この葦を燃やすと、焚火程度の比較的低温(600~800℃)でも水酸化鉄から鉄をつくることができる。葦から鉄を採るのだ。皆さんは、沼のような湿地で、根元が赤くなっている植物をみたことがあるだろうか。また、水面に赤く油のようなものが浮いているのを見たことがあるのではないか。そこに、鉄を含んだ物質があるのだ。これが、「葦原中津国(あしはらのなかつくに)」とこの国が呼ばれていた理由だ。

僕は、河童(かっぱ)はカエルから連想した想像上の生き物だと思っていた。だが、河童は実在していたという。河童は、河の子、すなわち水辺に這いつくばって葦を刈る人のことだそうだ。製鉄につながる職業だったのだ。

以上、葦から鉄を採る技術を持っていたのが、中国の河南から熊本の野間岬に辿りついたアタ族である。アタ族は、万之瀬川下流の湿地帯に定住した。

①のニニギ族は鍛治技術のみで製鉄技術を持っていなかった。そこで、ニニギ族は湖沼鉄の技術を手に入れた。その方法は、アタ族首長大山衹神(オオヤマミツ)の娘である木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と婚姻関係を結んで入手したのだ。その3代あとに初代天皇になる神武が日向(宮崎県高原町)で生まれた。神武の東征といわれる行動は、九州東岸、瀬戸内海沿岸、紀伊半島と湖沼鉄を求めながらの湿地帯を辿る旅だったのだ。

そして、当時は湿地だった大和盆地に辿りつき、その皇后に③スサノオ族からヒメタタライスケヨリヒメ(比売多多良伊須気余理比売)を迎えた。ヒメの名前には、砂鉄から鉄をつくる「たたら製鉄」を意味する「タタラ」という言葉が入っている。このことは、神武勢力が出雲のスサノオ族を服属させ、ヤマト政権を樹立したことを表している。

これで、葦から鉄をつくる技術から始まって古代政権の樹立までの歴史が説明されたことになる。

葦原中津国、なぜ葦なのか、ずっと引っかかるものがあった。この理論では、それをすっきりと説明している。僕は、なるほどそういうことだったのかと納得した。ただ、証拠があるかというとないのだ。残されている証拠は、「古事記」「日本書記」などの書物と考古学的に発掘されたものだけだ。

古代史ファンといわれる人は多い。僕も詳しくはないがこの国の成り立ちを知りたいと思い興味を抱いてきた。古代史の専門家、さらに在野の研究者を含めてそれぞれ説得力のある理論を展開している。その中で、何が真実なのだろうか、決定的な説はない。逆にいうと、そこが古代史研究の魅力なのだ。なぜなら歴史の解釈にロマンが漂うからだ。

 

 

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「消滅自治体」に異議あり! 人口戦略会議 産む性 砂上の楼閣  

2024-05-27 09:38:44 | Weblog

同時代にふたりの天皇が並び立つシン・南北朝を幻視した。二十歳の会見以来、愛子内親王の人気がうなぎ登りだ。僕の周囲の方たちも女性天皇としてふさわしいという意見だ。安定的な皇位継承のあり方をめぐる与野党協議も始まった。即位も現実になるのではないか。一方、男系男子を貫くべきとする保守派も悠仁親王への継承を死守するだろう。

 

「消滅自治体」に異議あり! 人口戦略会議 産む性 砂上の楼閣   

「人口戦略会議」が、全国744の自治体を「消滅自治体」として公表した。その推計に用いた方法は、2020から30年間で20~39歳の女性が半数以下に減少する自治体を消滅すると定義したものだ。

この発表に違和感を抱いた人は多いのではないかと思う。まず、若い女性の数を指標にしたことを批判しなければならない。この考え方の底流には、女性は子どもを産む、産める存在であるという点にだけ価値がある、逆にいうと産まない存在、産めない存在に対してマイナスの評価をしていることが問題だ。

自治体の存立は、現在に至る歴史的な背景、その地域にある資源、それを活用する産業構成、気候など自然的な情況などさまざまな複合的な要因によっている。若い女性数だけで推計しるのは乱暴な議論である。

また、このレポート、おそらく東京近辺で活動している有識者によるものだろうが、北海道、東北の6割以上が消滅するとのことだ。北海道に住んでいる僕にとっては、そこで生活している人びと、そこでこれからも生きていこうとしている人に対する侮辱として捉えてしまう。

僕からみると、わずか数センチの降雪で交通機関がマヒしてしまうと大騒ぎする首都圏の方が、食料、エネルギー、災害などに対して脆弱さを露わにしていると思う。臨界埋立地にタワマンの光景は、まさに砂上の楼閣であり、東京こそが消滅可能性ナンバーワン都市だ。

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タンスにホン!

2024-05-15 08:54:50 | Weblog

 

古い整理タンスが不要になりました。安っぽく軽いのですが、2階から降ろすのはちょっと無理。

バラバラに解体してしまおうと思ったのですが、ふと、本を収納できるのではと思いつきました。

引き出し2段を1段に。最初は、引き出しを一つおきに残そうとしたのですが、引き出しの底面がぺランぺランのベニヤ板で本の重量に耐えれないことがわかりました。

それで、引き出しの前面の比較的丈夫な板を接着剤で張ることにしました。

その結果、奥行きがあってかなり収納できる本棚ができました。

「タンスにホン!」です。

 

 

 

 

 

 

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酒井隆史 『賢人と奴隷とバカ』 魯迅 竹内好 2010年代 福島第一原発事故 天皇制 保守リベラル化

2024-04-26 14:28:41 | Weblog

道内選出の参議院議員長谷川岳氏(旧アベ派)が、その言動,振る舞いを批判されている。誰かが言い出すのを待ってそこらじゅう一斉にバッシングを始める構造は、ジャニーズ問題と同じ光景で、横並び意識が蔓延してしまっていることにある種の危機を感じる。政局的には、議員辞職した某宮澤衆議と同様、「溺れた犬(アベ派)は棒で叩いて殺せ」ということなのだろう。

 

『賢人と奴隷とバカ』(酒井隆史著 亜紀書房 2023年刊) 魯迅 竹内好 2010年代 福島第一原発事故 天皇制 保守リベラル化  

書名は、魯迅の『賢人と奴隷と馬鹿』からきている。その翻訳者の竹内好はいう。「日本の近代は、優秀な賢人たちによっておしすすめられた優等生の文化である。しかし、日本の近代はその優秀性ゆえに『負けた』のではないか。優等生(賢人)の文化では、あたらしいものがそれ自体で価値を帯びあたらしい原則に人は次から次と飛びつく」。賢人(優等生)はダメだと。

それに対して、魯迅のような作家を生み出す土壌においては、状況がどれほど変わろうが、にわかに方向を変えるころはできない。そこでは状況に流されない頑固さをもったバカが必要だ。バカであることにこだわる。

酒井氏は、2010年代に対する「おとしまえ」をつけるという。時代の意味、どういう時代にあって、何を課題にすべきかを模索する態度が希薄になったのではないかと問う。この間の言説の微妙な変化に対して感度を研ぎ澄ます。

2010年代、僕にとってはどういう時期だったのか。2010年から16年までは現役として働いていた。バリバリで全力疾走していたと胸を張りたいところだが、「ひとから後ろ指をさされない程度にはやるか」がモットーだった。2017年にリタイアしその後は無業者生活である。この間、僕なりに世の中の情況や言説にこだわってきたつもりだ。時々に感じたことはこのブログに書いた。だが、酒井氏が見たらどう思うだろうか。

僕がバカにこだわった例は、2011.3.11福島第一原発事故以降の世論動向に対する異議だ。それまでの自分の原発に対するスタンスを総括しないで、いとも簡単に「反原発」を唱え始めた多くの人びとに疑問を感じた。それから10年あまりが経過した現在、その人たちの今はどうなっているだろうか。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」状態だ。だから世論の動向を見極めたキシダが原発再稼働、新設に舵を切ったのだ。再び、多くの人の「再転向」が起きたのだ。

僕は、この変わり身の速さに付いていけなかった。僕は「産んだ子(原発技術)は、育てなければならない」と考える。現実にメルトダウンしている原発を横に置いて、反原発を叫んでも事態は打開できないと考える。原子力に関する技術をもっともっと開発しなければならない。廃炉技術をもっと前に進めなければならない。僕は頑固なバカでありたい。

僕が時流に流される賢人だった例がある。それは酒井氏の指摘で、ハッと気づいたことだ。氏はいう。「2010年代に顕著になった批判的言説の『保守リベラル化』のなかで、現在の議会政治の『劣化』が、かつての自民党政治やあるいは天皇制すら担ぎ上げて対抗させるというかまえがあらわれた。」と。この意味するところは、右派ではなくリベラルと称される人びとの中に生じた、平成天皇を民主主義者として讃える言説を指しているのだろう。アベ右派政権と平成天皇は必ずしも折り合いが良かったようには見えない。リベラルの中に、天皇のコメントにはアベ政治に対する批判があらわれているという捉え方だ。だが、酒井氏は天皇制の本質はいささかも変わっていないという。僕も、平成天皇が何かリベラルの声を代弁しているような錯覚をもったことがある。この点では、天皇制に対してはもっと自覚的であるべきだったと反省する。

天皇制の本質を見出さなければならない例を思い浮かべると、皇族の被災地訪問のおり、皇族と面会した人びとは、マイクを向けられた時に口々に興奮と幸福感を表明する。もちろんこころから発していると思う。無意識レベルも含めて、この賞賛コメントに含まれる天皇制のソフトな権力性を感じなければならないと思う。僕は、ものわかりのいい優等生の賢人だった。

2010年代に、何が起こって、どのような言説が流布され、僕がそれらとどれだけ自分の中で向き合うことができたのだろうか。本書を読むと、後ろからゴツンと頭を叩かれたような衝撃を感じる。

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柳原滋雄 『実録 白鳥事件―「五一綱領」に殉じた男たち』 白鳥一雄 村上国治 日本共産党 男沢哲男

2024-04-03 12:46:16 | Weblog

このブログを始めたのが2006年4月。19年目に入った。51歳から69歳になった。当時はブログが盛んだったと思う。今は短くつぶやきささやくのが流行りらしい。読み返してみると体内の毒が減っていることに気付く。備忘録として始めたが、今は脳トレになっている。読んでいただいている方に感謝したい。

 

『実録 白鳥事件―「五一綱領」に殉じた男たち』(柳原滋雄著 論創社 2023年刊) 白鳥一雄 村上国治 日本共産党 男沢哲男  

白鳥事件は、戦後の混乱期を象徴する興味深い出来事なので、これまでこのブログに、2013.5.6にHBC開局60周年記念番組『インターが聴こえない~白鳥事件60年目の真実』(2011.3.27放送)、2013.5.19に『白鳥事件 偽りの冤罪』(渡部冨哉著 同時代社 2013年刊)、2014.12.25に『私記 白鳥事件』(大石進著 日本評論社 2014年刊)と書いてきた。 

また、先日2024.3.30に放映された、「NHKスペシャル未解決事件File.10『下村事件』」も同時期に起きた謎の多い事件だ。

本書で著者は迷いなく冒頭のプロローグからこの事件を「冤罪を装った殺人事件」(P3)と断定して記述をスタートする。すなわち白鳥警部を殺したのは日共の組織的犯行であり、村上国治被告が主張する冤罪説は虚偽だとみなしている。事件後70年以上経過しているため関係者が亡くなっていて聞き取りなどは制約があると思われるが、本書において事件に関する新たな事実などは書かれていない。また、著者独自の推論もない。ほとんどが類書からの引用で構成されている。従って、僕は本書を周りの人に薦める気持ちはない。

強いて言えば、白鳥の生い立ちを描いているところが特徴だ。その中で、帯広中学(旧制)で白鳥と「同じ剣道部に所属した男沢哲男の証言」(P52)という記述が出てくる。ここは、僕の個人的なことだが、この男沢先生から僕は釧路の高校で古典の授業を受けた。懐かしい記憶だ。

本書には表現に粗な箇所が散見される。例えば、

・「現在の比布駅は車掌も常駐しない小さな駅だ」(P6)。無人駅と言いたいのだろうが、駅に常駐するのは車掌ではなく駅員だ。

・「年末には農村工作隊を編成」(P38)は、山村工作隊の誤りだろう。日共関係の書籍を刊行するにしては基礎的な知識が不足しているのではないか。

・「1939(昭和14)年発行の・・・によると、・・新潟または敦賀から北朝鮮の羅津港までの・・・北朝鮮経由ルート。・・下関から釜山までの・・韓国ルート」(P65)。当時は、北朝鮮も韓国も建国されていない。朝鮮半島北部、南部と表現すべきだろう。

・「関東軍(旧日本陸軍)」(P66)に“かんとん”とふりがなされている。かんとん軍というのは聞いたことがない。かんとう軍の誤りだろう。

そして、最後のくだりにある「イデオロギーの対立を除いて虚心坦懐に向かい合い、腹を割って話し合ったら、二人は理解し合える関係になったと私はこれまでの取材で痛感してきた」(P280)。僕には著者が何を言いたいのか全く理解できない表現だ。そもそも白鳥と村上が、警察と党という関係抜きに会うという場面が想像できない。

本書には描かれていないが、僕が白鳥事件を考える上でのポイントは、①実行犯は誰なのか。日共関係者なのか、権力の謀略なのか。証拠とされる銃弾、関係者の証言などが分析尽されているのか。

②日共の歴史的正統性の問題。「五一綱領」およびその方針のもと運動したことが現在の日共の歴史から抹消されていること。出獄直後の村上を日共は支援していたが、その後距離をとったこと。村上はアルコールに溺れ、最後は火災で亡くなっているが、その心の中はどうだったのか。事故死なのか、自死なのか。

かつて(2014.12.25大石進著『私記 白鳥事件』)このブログに書いた「この事件が代表するように日共は、これまで、革命という大義のもと不幸を強いられた党員、シンパに対し真摯な総括をしていない。党が分裂していた時代の一部の分派がやったことと党史にも記載されず、歴史の証人になりえる関係者は中国に追っ払って口を封じ、彼らの帰国後も知らん顔を決め込んでいる。党員の人権すら大事にできない党が、国民の人権についてどのような顔をして議論できるのであろうか。戦後の日共史上の白鳥事件、また伊藤律事件などの総括無しに、日共は政権も獲れないし、政権に近づくことも許されないと思う。」という考え方は変わっていない。

 

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北海道コンサドーレ札幌サッカー専用スタジアム構想 その12 北海道立北広島高校 立命館慶祥高校 日本ハム セレッソ大阪

2024-03-23 09:31:17 | Weblog

北海道コンサドーレ札幌サッカー専用スタジアム構想 その12 北海道立北広島高校 立命館慶祥高校 日本ハム セレッソ大阪   

前回(2024.3.12)その11で、サッカー専用スタジアム妄想」を予告した。以前、その3(2017.10.29)でJR北広島駅から徒歩3分と近い石屋製菓工場の隣接地(石屋製菓所有)がカシマスタジアムと同等の面積(4.5ha)であることから適地だと述べた。JR北広島駅位の場所だ。また、その7(2019.10.8)では、ボールパーク内に用地を確保すべきと書いた。

今の僕の頭の中に浮かんでいる場所は、ボールパーク隣接地、BP内と言ってもいい場所だ。周辺は、BP関連で道路が整備され上下水道のインフラ環境も整っており、駐車場もBPと併用すればよい。2028年にはJR新駅も建設されることから利便性は抜群の場所だ。ゆっくりと周辺を回ってみて妄想が浮かんだ。

さて、それはどこか。ずばりBPの南側にある北海道立北広島高校の土地だ。BP関連道路に囲まれたBPと一体化している場所に高校があるのだ。同校を調べると、1978年に開校しており校舎等は築46年を経過してことから近いうちに改築が必要になるだろう。また、同校の校地面積は、 53,833.1m2(約5.4ha)と石屋工場隣接地よりも広い。僕は勝手にここが唯一無二の土地と定めた。

では、今の北広島高校をどこに移転するかだ。同校は進学校なので、より静謐な環境を求めるべきと考える。JR千歳線は石狩低地帯より一段高い台地の上を走っている。従って、JR北広島駅の東側方向には住宅地とともに、無限に広がる原野(昔は水田)がある。今は江別市西野幌にある立命館慶祥高校(中学校)が札幌市からの移転先を探した際に有力な候補地だった場所だ。(1997年に移転)JR北広島駅から徒歩10分ほどなので現在地よりも通学の便はよく静かで勉学に打ち込める場所だ。道立高校の移転改築なので道庁や道教委にも理解し協力してもらおう。

場所は決まった。次は、資金だ。北海道コンサドーレ札幌にとっては身の丈を超える資金を調達しなければならなくハードルは高い。でもいつまでもそこに縛られていてはチームを大きく脱皮させることはできない。今まで支えてくれたスポンサーには大感謝だ。義理も感じる。でもクラブの現状は、飛躍するか、シュリンクするかの瀬戸際に立っている。

僕は、BP関連事業として日本ハムの力を借りる時と考える。日本ハムがセレッソ大阪の株主なのは承知している。セレッソには申し訳ないのだが、日本ハムにセレッソからコンサドーレのスポンサーに変わってほしいのだ。日本ハムが北海道のプロ野球球団とサッカークラブを運営してほしいのだ。BPという同じ空間の中で野球とサッカーを観戦でき、ビジネスとしても成功してほしい。専用スタジアムで臨場感のある試合と圧倒的で熱量のある応援を観たい。

 

 

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北海道コンサドーレ札幌サッカー専用スタジアム構想 その11 開幕戦 野々村チェアマン

2024-03-12 15:24:54 | Weblog

北海道コンサドーレ札幌サッカー専用スタジアム構想 その11 開幕戦 野々村チェアマン

このテーマでは、2016.6.19のその1に始まり、2017.6.3その2、2017.10.23その3、2018.2.13その4、2018.4.19その5、2018.8.13その6、2019.10.8その7、2023.9.29その8、2023.10.12その9、2023.10.22その10と書いてきた。

今年は、コンサのホーム開幕戦(3.10)に行かなかった。毎年、開幕を待ち遠しく冬を過ごしてきた。開幕戦の時期はまだ寒いのだが朝早くから屋外で並んで、入場を待っていた。しかし、今年はなぜかわくわく感が湧かず、結局テレビ観戦になってしまった。

初戦を終えて、札幌ドームのピッチコンディションが悪い、浦和の選手に怪我人が出た、日ハム移転により札幌ドームの年間赤字が3億円を超えるなどネガティブな情報が出ているが、僕のしょんぼり感の原因は少し違う。

一言でいうと、「このチームの目指す方向が見えないこと」なのだ。昨年の最終戦を終えた時に三上GMがあいさつで「来年度はひとけた順位を目指す」と言ったが、「タイトルを目指す」とは言わなかった。シーズン中のク・ソンユン、金子、オフの小柏、田中、福森など主力選手が流出してしまう情況ではとても言えなかったのだろう。だが、選手たちはけな気にもタイトルを口にしている。

僕は、Jリーグの秋春制移行に便乗して、積雪寒冷地の地理的条件を前面に出して、ちょっとゴネながら、専用スタジアム実現に向けた動きをするべきと思っていたのだが、三上GMはあっさりと受け入れを表明した。これもちょっとした失望だった。

そんな時に、展望のある話を見つけた。

『アビスパ福岡の課題…Jリーグ野々村チェアマンがズバリ答えた! 苦戦する集客の打開は? 新スタジアムは?』(西日本新聞社3/11(月) 18:00配信)

野々村さんのコメントを以下に抜粋する。

札幌時代に集客で注力したことは、「お金をしっかり使って、投資をして露出を獲得していく。結局、露出がすごく大事でクラブがいい情報、知ってほしい情報を届けられるかということは徹底してやってきました。」

「クラブが強くなるってことはクラブの売り上げがどれだけ伸ばせるかっていうことと、ほぼ比例する。」

勝ち負けも大事だが、「熱量のあるスタジアムの方が本当にレベルが上がっていくと思っていたので、熱量のあるスタジアムをどうやってつくるかということを、僕が(札幌で社長を)やっていたころは考えていました。」

「(福岡の新スタジアムについては)基本的にはクラブと地域でサッカーを中心にどんな社会をつくっていけるのかみたいなことのコンセンサスを取ることだと思うんですよね。」

「フットボールサイドから見れば、サッカー専用のいろいろな楽しみが持てるようなスタジアムじゃないと、たぶん、クラブとして生き残っていけなくなると思うんですよ。生き残っていけないというか、トップクラブになっていくのなら、それを実現しないと難しくなっていくと思います。」

読むだけで力が湧いてくる。「未来のチームの姿のためにスタジアムに足を運んでほしい。チケットを買ってほしい。グッズも買ってほしい。友人、知人を誘ってほしい。」と呼びかけてほしい。そして、ともにコンサをトップクラスのチームにしていこうと。

次回は、僕の「北海道コンサドーレ札幌サッカー専用スタジアム妄想」を書こう。

 

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「抑止力・防衛力・軍事力」  43兆円 敵基地攻撃能力 トマホーク 専守防衛 核共有

2024-02-21 09:37:31 | Weblog

能登半島地震に対応する復興予算を2023年度補正予算で措置せず、2024年度当初予算案の予備費増額に盛り込むことを認めた時点で、立憲民主党の「負け」がはっきりした。というのは、ウラ金問題に注力しているのはいいが、予算の成立が遅れる見通しになってきた時点で、その原因は立憲のせいだと自民党から切り返しに遭うことになると思うからだ。立憲の審議引き延ばしによって能登の復興が遅れたと。そもそも自民党が悪いのだが、したたかさでは一枚上手だから。

 

抑止力・防衛力・軍事力」  43兆円 敵基地攻撃能力 トマホーク 専守防衛 核共有  

先日乗車したタクシーの運転手さんとの会話で、「自衛官のお客さんが、長沼町馬追山にあるミサイル(パトリオット)では、下降しながら向かってくるミサイルを撃ち落とすのは至難の技だ、と言っていた」と。

国民に増税を強いてまで2023年度以降5年間の防衛費に従来の2倍、総額約43兆円をかけるという。さらに敵のミサイル基地をたたくことで、日本への攻撃を阻止しようとする反撃能力(敵基地攻撃能力)も保有することとした。その中には、すでに時代遅れとも言われているトマホーク400発、2,000育円も含まれる。

僕は、国家財政が借金まみれの中で増税をしてまで整備するという防衛力が本当に有効な方策なのだろうかと疑問を持つ。長沼のパトリオットもトマホーク400発も機能するのだろうか。ここで選択の分かれ道に直面する。では、真に有効な能力のもっと高い兵器を揃えるのか、それとも別の方策を取るのか。

参考になったのは、2022.12.27道新「論壇時評(中島岳志)」だ。政治学者の遠藤乾氏は、「日本の反撃能力は中国の脅威にならない。相手基地の滑走路に撃っても1日で修復されるような被害しか与えられない通常弾頭のミサイルを仮に1000発持っても、中国のような核保有国が脅しと感じるだろうか。移動式ミサイルを正確に破壊するのも難しい」という。さらに、「戦後日本が他国を攻撃しないという専守防衛で培った世界的な信用資源」が大切だという。

能力のもっと高い兵器の究極は核兵器だ。日本も核を保有し抑止力を持とうということになるのか。遠藤氏は、この考えを否定する。僕も、専守防衛に徹するべきと考える。

同じく政治学者の豊下楢彦氏は、「ウクライナ戦争で明らかになったことは原発の脆弱性である。日本の原発が空からのミサイル攻撃の耐えられないことは明らかになっている。日本の原発の6割近くが日本海側にあり、その存在自体が、巨大なリスクとなっている。原発を再稼働するのは「支離滅裂」である」という。

防衛力強化に向かってまっしぐらに見えるキシダだが、一方で、既存原発の再稼働、運転期間の延長、新増設を決めるという全く矛盾したことをやっている。これをどう理解したらいいのだろうか。

政府=自民党は本気で防衛力を強化しようとは考えていないのだろう。米国の軍事産業を儲けさせるためにセコハン兵器を爆買いして米国のご機嫌をとることが先なのだ。その財源は、国民からの増税。能登半島地震で潜在的な危険性が明らかになった原発。福島第一の廃炉も見通せず、貯まりに貯まってきた高レベル放射性廃棄物の処分場所も決められず、すべてが先送りで「大洪水よ、我が亡き後に来れ!」だ。

キシダは、4月に国賓待遇で訪米するという。これまでも首相の訪米では兵器購入などのお土産を持たされて帰ってきた。今回の宗主国米国の意図はどこにあるのか。被爆地出身を売りにしている岸田に対しての最大のジョークは「核保有」の約束だ。通常兵器では核保有国中国に対する抑止力にならないので、米国の管理下において核を持てと。いち早くアへが言い出していた核共有ではないか。米国の言うことを聞いている限りキシダ政権は延命できる。

 

 

 

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ウクライナ戦争から見えてきたこと 台湾有事 防衛力増強

2024-02-14 09:31:50 | Weblog

自民党裏金問題のターゲットは親中派二階と親ロ派森だろう。5人衆を指名するなど事実上の安倍派オーナーの森を葬り去るために安倍派の解体が進んでいる。中・ロと対峙していくためには二階と森は邪魔な存在と米国は捉えているのではないか。

 

ウクライナ戦争から見えてきたこと 台湾有事 防衛力増強          

ロシアがウクライナを侵攻してから2年が経つ。当初、欧米諸国と日本はウクライナ支持一色だった。だが、ここにきてその熱が冷めてきているように感じる。

この間、米国がやっていることを冷静に観察すると、米国は兵器の供与だけに留めて、自らの国民の命の犠牲を最小限に抑えながら、ロシアの力を大きく削ぐことに成功しつつあるということがわかってきた。従属国であるウクライナの国民に血を流させて敵対的な大国ロシアを弱体化させる戦略だ。そして米国のパシリ役を担わされたのがゼレンスキーだ。

さてここからは、このウクライナ戦争モデルを東アジアに応用するとどうなるだろうかという頭の体操だ。米国の事実上の従属国である日本の国民に血を流させて敵対的な大国中国を弱体化させる戦略が見えてこないか。そして米国のパシリ役をキシダなのか誰かが担うのだろうか。

そう考えると今この国が進めていること、向かっている方向は戦争へまっしぐらということになる。2015年、アへ政権において安保法制が強行採決され集団的自衛権の行使が可能になった。キシダ政権になり、2022年末に防衛3文書の改定、敵基地攻撃能力の保有を含む防衛費をNATO加盟国並みGDP2%(倍増)、23年度からの5年間で43兆円にすることを決めた。その決め方も秋の臨時国会での議論を避け、閣議の開催だけで決め、早速2023年1月にバイデン大統領のもとに飛んでいき伝えた。バイデンはキシダの頭をよくやったなとなでたことも理解できる。これは、国民の代表からなる国会を軽視しただけではなく、米国の言いなりで、全く主権のある独立国とは思えないような卑屈で姑息なやり方だ。

国民の中で台湾有事を危惧する声は大きいと思う。今にも中国が台湾に侵攻するような危機を煽り、軍備増強に突き進んでいるこの国のありようを少し立ち止まって冷静に見る必要があると考える。だが中国もバカではない。中国はロシアの情況を見ているので、台湾問題でロシアと同様のことをするとどうなってしまうかは百も承知だと思う。

米国の意図は、自らは血を流さず、大国の力を弱体化させることにある。ウクライナで起きていることを明日のこの国で起こしてはいけない。

 

 

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大相撲が面白い! 琴の若 霧島 照ノ富士

2024-02-01 09:40:44 | Weblog

大相撲が面白い! 琴の若 霧島 照ノ富士

初場所が終り、新大関に琴の若が昇進した。霧島の横綱昇進は見送られた。休場明けの照ノ富士はまだまだ強かった。ここ最近は、熱海富士、大の里など若い力士もどんどん出てきている。大相撲が面白い。

子どもの頃は、栃錦、若乃花、続いて大鵬、柏戸がスターだった。ラジオで聞いて、その後は白黒テレビだった。プロ野球と大相撲しか無かった昭和の時代である。そして相撲から遠ざかった長い時間がある。それが10年ほど前くらいからなぜか見るようになったのだ。歳のせいかも知れない。

大相撲っていうのは不思議な仕組みで成り立っている。運営のすべてを親方、行司、呼出しなど内部の人で分担している。引退した元横綱白鳳でも売店に立つことがある。場内アナウンスも呼出しの仕事だ。

土俵下の審判員は、親方たちが担っている。自分の弟子の取り組みも審判するのだ。裁き役の行司もそれぞれの部屋に所属している。野球でいえば、審判を自分のチームの監督やコーチがやるようなものだ。客観性、第三者性などとは無縁に見えるが、判定に贔屓が入っているようには見えない。

力士はある相撲部屋に入門すると原則として移籍がない。一つの部屋で親方、おかみさん、行司、呼出しとともに家族のように過ごす。野球やサッカーのように移籍やトレードされることもない。前近代的といえばそうなのだが、しこ名や親方を継承するという名誉を担うことができる。

誰と誰を対戦させるのかという取り組みにも厳密なルールはない。取り組みは、親方たちによる編成会議で2日前に決まる。優勝が絡むクライマックスの場面では、前日の相撲の結果を受けて決める時もある。同じ部屋同士や兄弟力士は当てないなどの決めはあるものの、成績によっては幕内下位と横綱が当たることもある。かなり恣意的に決めることができるので、この力士とこの力士の相撲が観たいと思うと実現することがある。興味をひくような取り組みをつくることができるのだ。

場所の成績をもとに次の場所の番付づくりもおおまかな基準があるものの、厳密なルールはない。横綱、大関、関脇、小結への昇進や新入幕で話題づくりもできる。横綱、大関の人材が不足していれば、昇進基準を緩めて何とかスターをつくろうとする。しかし、どんなに筋書きを書いても、想いどおりにならないのが相撲だ。下位が上位を倒す番狂わせもある。ケガをしてしまうこともある。

あらためて大相撲の面白さはどこにあるのだろうか。それはもちろん体格もタイプも違う個性溢れる力士たちの真剣勝負のぶつかり合いにある。メイクも衣装もなしでまわしひとつ、自分を鍛えて見せる身体をつくる。よくスポーツの面白さは「筋書きのないドラマ」と表現されることがあるが、大相撲の場合は、筋書きをつくるのだが筋書きどおりに進まないところに魅力がある。どうやら歳をとったみたいだ。

 

 

 

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ラピダスの本質  国策会社 内国植民地 2nm半導体技術

2024-01-20 13:55:39 | Weblog

ラピダスの本質  国策会社 内国植民地 2nm半導体技術 

数年前から僕はあるサークルで北海道の歴史を勉強している。時々考えるのは「何のために歴史を学んでいるのか?」ということだ。ある出来事についての背景などを知ることができると「ああ、そういうことだったのか」と喜びを感じることがある。また、世界の未来を考えるためには過去の歴史に学ぶことが大事だともいわれている。

まだ勉強途上で軽々には言えないが、明治からの北海道の歴史を一言でとらえると、「内国植民地」だと思う。北海道の人が本州を内地と呼ぶことに象徴されるように、国内植民地なのだ。地場の資本が弱いので何かを起業する場合には独力ではできず、つねに本州資本の力が必要だった。また、国は先導して、北からのロシアの脅威に対抗するため、屯田兵の入植をはじめ北海道開拓が国策として進められた。

以上のことから今を考える。千歳市に半導体の製造拠点としてラピダスが建設中で、ラピダスは北海道経済の希望の星になっている。道内のマスコミからは、用地造成、工場建設、上下水道や道路などのインフラ整備、従業員ためのマンションやアパート建築などの需要が大きいと景気のいい話ばかりがマスコミから報道されている。だが肝心の、2ナノメートル半導体の量産技術が未だ確立されていない、製品を販売する顧客が決まっていないなどというネガティブな情報は片隅で少々伝えられている程度だ。さらに、今のところトヨタ、NTTなど民間8社からの出資が73億円なのに対して、国から1兆円近くの公費投入が決定されているのも不自然と思う。

この情況をどのように捉えたらいいのだろうか。歴史を学んでいるものとして、最大限の想像をめぐらしてみたい。

先日、ある方と話をした。「ラピダスで製造する半導体は米国軍事産業からの要望である。台湾や韓国にある半導体工場が地政学的リスクにさらされているために、これからを見据えて日本に製造拠点をつくる(移す)のだ」という。

僕はなるほどと思った。地政学的リスクを考えると台湾のTSMCが熊本に工場を建設している理由もわかる。台湾の工場が稼働できなくなった場合に対する保険の意味があるのだろう。ゆえに日本のラピダスが選ばれたのだろう。だが、大手民間資本は技術開発と販路の見込みに確信を持てないため現実的な判断から様子見ということで腰が引けているのだろう。しかし、何ごとも米国に従属した判断をしている政府は、宗主国である米国からの要望は絶対的なものであり、無条件に従うべきという姿勢から前のめりになって既に約1兆円も支援を決めたのだろう。まさにこれらからラピダスの国策会社としての性格が明らかに見えてくる。

さらにその方は、「現在、技術を開発中のIBMは、浮き沈みの大きい量産からは手を引いていて、低コストで製造できる海外に委託先を求めている。そのためラピダスにはできる限り低コストで製造することが求められているのだ」ともいう。

早々に北海道にラピダスの進出が決まった要因は、第一に北海道の地価が安いことが有利に働いたのだろう。また、賃金や大量に使う水なども安価に抑えられる見込みがあると判断されたためであろう。また、僕の推測では、ラピダス製の半導体製品が米国軍需産業からの求めだとすると、他国から工場が攻撃されることは許されないために隣接地にある航空自衛隊千歳基地の存在もあるのではないかと思う。

また、以前から僕は気になっていたのだが、ラピダスで表舞台に出てくる会長の東哲郎氏、社長の小池淳達氏ともにずいぶんと高齢なのだ。本来最先端産業のリーダーはベンチャーの臭いがしてしかるべきと思っていたが、なるほどIBMの下請け工場であればさもありなんということだ。ここからもこの国でリスクを冒しながらも新しい技術や産業が創出されてこない理由が見える。ラピダスはベンチャー企業ではないのだ。

以上から、歴史に学んだとおり北海道は明治以来、いつまで経っても内国植民地の様相だということがあらためてわかった。そして今、道内の大学など東北の大学と協力して有為な人材を有望な就職先としてのラピダスに送り込もうとしている。学生はラピダスの本質をよく理解してから進路を考えるべきだと考える。

 

 

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鹿砦社編集部 『ジャニーズ帝国60年の興亡』

2024-01-07 16:19:20 | Weblog

能登半島地震(1日)、羽田空港での衝突事故(2日)と波乱の年明けになりました。テレビで何回も同じ映像を見ていると徐々に慣らされて無感動になっていく自分がいます。洪水のような報道の中ではたして肝心なことが報道されているのだろうかと思います。志賀原発の現状はどうなっているのでしょうか。政府もマスコミも国民に対してフェイクに気を付けろといいますが・・

 

『ジャニーズ帝国60年の興亡』(鹿砦社編集部編 鹿砦社 2023年刊) 

歌手、俳優、タレントなどで活躍している芸能人といわれる人たちは、それぞれ優れた才能を持っているからだと思うが、表舞台で仕事ができて多くのファンに応援される存在になるためには所属する芸能事務所の力が相当影響するとも思う。その中でもジャニーズ事務所の持つ力は他を寄せ付けない圧倒的なものがあったのだろう。そう、少し前までは。昨年3月にイギリスBBCが取り上げてからは、大手マスコミが堰を切ったようにその内実を批判し始めた。また、それもジャニー喜多川が亡くなっているのも影響しているのだろう。

僕はこの話題でいくつかの問題を考える。ひとつは、過去において『週刊文春』、『噂の真相』、鹿砦社も含めていくつかのメディアが報じたにもかかわらず大手マスコミはスルーを決め込んでいた。その理由は、ジャニーズ事務所とバーターな関係ができていて報じることができなかったといわれている。ジャニーズ以外にも大手芸能事務所は他に何社もある。ということは、同様の関係、すなわちマスコミが取り上げるのをはばかられる事実が他にもあると推測される。

もうひとつは芸能以外にも共通するのだろうが、絶大な権限を持ったカリスマが支配する物言えぬ閉鎖的な組織においては、理不尽な要求も受け入れなければならないという組織の持つ支配構造の問題だ。非合理なオキテがまかりとおり、デビュー、センター・・を餌に夢多き少年たちが弄ばれた。これもジャニーズだけの問題ではないはずだ。

後者の組織構造の問題は、程度の差はあるが僕らが所属していた会社組織も風通しが悪ければ同じようなことが起こる可能性がある。会社組織の場合、人事権を振りかざすことが社員に対して一番言うことを効かせる手段になる。自分の意志と違う指示を受けた時に、違うことは違いますと言えるか、唯々諾々と従うか。頭に浮かぶのは、家族を食べさせるために辞めるわけにはいかない。耐え忍ぶしか道はないという考えだ。

本書は2部構成で、第1部は「苦境に立たされるジャニーズ」と題し、鹿砦社が過去においてジャニーズ事務所との間で出版をめぐって係争した記録の復刻だ。鹿砦社にはジャニーズ事務所批判の先駆者という自負があるのだろう。でも少し鼻につく文章だ。

第2部は、「ジャニーズ60年史 その誕生、栄華、そして」で、こちらは面白い。例えば、田原俊彦は「たのきんトリオ」としてブレイクする前に何回か売り出しを試みたがパッとしなかったのだ。60年の歴史を簡単にまとめると、ジャニーズに始まりフォーリーブスの解散で人気が凋落、低迷期を脱したのはたのきんトリオ、そしてSMAP、嵐でピークを迎えた。驚くのは、実に多くの少年たちが市井から見出され、育成され、デビューを果たしているのだが、その中で人気を得て表舞台で活躍できたのはほんの一握りだということだ。無名のまま夢を諦めざるを得なかったり、いくつものユニットが組み換えられたりするのは、すべて喜多川氏の気持ちひとつだったのだ。だから彼らは不当な要求も受け入れたのだ。

ただ、少年たちを被害者としての面ばかりで見てはいけない。不祥事、非行、犯罪と彼らの素行が酷いことにも驚くのだ。これは、ジャニーズ事務所の力が強かったがゆえに、少年たちのスキャンダルを握りつぶし表沙汰にならないようにしたからであろう。本書に書かれていて既に明るみになった事案だけでもすごい数なのだから事務所がもみ消したのも相当あるのだろう。

 

 

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桐野夏生 『日没』

2023-12-31 14:16:07 | Weblog

2023年大晦日。今年は、週1本アップを目標にしていましたが、結果は30本ということになりました。70歳を前にして脳みその劣化を自覚しています。2006年4月から書き初めて17年余、トータル1386本、閲覧数1,256,732PV、訪問数526,941UUです。人気ブログからはほど遠い絶滅危惧種ブログを読んでいただきましてありがとうございます。来年も自分の脳髄トレーニングと備忘録として続けたいと思います。

 

『日没』(桐野夏生著 岩波書店 2020年刊) 

僕は、ほとんど小説を読まない。登場人物が多くなると途中でストーリーを見失しなってしまうことが多々あるので読むことができないといった方がいい。今年を振り返っても、中村文則『私の消滅』、吉村昭『羆嵐』と本書の3冊しか読まなかった。

では、なぜ急に桐野氏の小説を読みたくなったのかというと、ニューアルした『世界』の2024年1月号で『反社会的で、善なるもの いま小説を書くということ』という桐野氏のインタビューを読んだからだ。桐野氏については、大昔に『OUT』で無慈悲、残酷、悪意の表現がリアルで巧い人だという印象を持っている。それで近くの図書に走った。

『日没』は、桐野氏自身を投影していると思われる小説家のもとに「総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会」(通称ブンリン)なる組織から召喚状が届くところから始まる。出頭先に向かうと、海辺の断崖に建つ「七福神浜療養所」に収容され、「社会に適応した小説」を書くよう矯正される。そこでは終わりの見えない闘いが続くというストーリーだ。

『世界』のインタビューにおいて桐野氏は、作家や編集者、出版社が過激、過剰な表現を避ける傾向にあるのではないかという。それは、国家による単純な監視や規制ではない。「国民」の側から発せられる声を国家が意図的に使う場合があり、作品の中に差別的表現があるなどという声を理由にして過去の出版物が図書館の書棚から消えたり、作家が表現の場を失ったりしているという。またこのような社会の空気が表現する側の自己規制を産むという。桐野氏は、表現者として現実にぶつかる壁や現在の社会が向かっている先に危機を覚えている。

では、僕自身がブログを書いている当事者としてはどうなのだろうか。過去に一度だけ炎上したことがある。それは鉄道車両について辛口のコメントをした時に、非難のコメントが殺到したのだ。その時以来、慎重に言葉を選んだり、何回も校正したりしている。批判をする時は、「・・・とも言われている。」「・・という考え方もある。」というように他人の口を借りて言葉にすることも多くなった。

今の世の中を見ても、TVでは複雑な問題も30秒程度で表面的に説明できる人がコメンテーターとして重用されている。マスコミは見えない権力の意図を忖度して、自主規制しているのは明らかだ。一見すると良いことのように思えるが、危うさを感じる動きもある。例えば、ヘイトスピーチ規制法も差別的な言説を許さないという点からは良いことのように見えるが、権力による言論規制の端緒になりかねないという危険性もある。コンプライアンスという言葉も、同じような構造を持っていて、法令遵守、公平・公正にという誰も反対できないことを掲げられると、何事も堂々とまかり通ってしまう考え方だと思う。

この小説の中には『日没』という言葉は一度も出てこなかった。作者はどうしてこの題にしたのだろうか。この国は「日出ずる国」のはずなのだが、このままでは沈みゆく国になってしまうということなのか。

 

 

 

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ガンバレ・キシダ(その2) アベ派ゼロ内閣でスッキリした表情に

2023-12-18 10:00:42 | Weblog

ガンバレ・キシダ(その2) アベ派ゼロ内閣でスッキリした表情に

MEMOという紙くず、断片を集めてみると気付くことがある。僕は、裏読み、逆バリが大好き人間だと。

○NTT東日本とNHKに解約しようと電話をかけたが、どちらも20分以上「ただ今電話が混み合っています。このままお待ちいただくか、しばらくしてからおかけ直し願います。」とのメッセージが繰り返し流れる。合理化し過ぎで人手不足なのか、解約をしにくくして嫌がらせをしているのか?

○11月16日、バイデンは習近平と4時間、一方、キシダとは20分で全く相手にされず。これでキシダが米国に見限られたことが明らかになり、東京地検からのウラ金疑惑のリークが始まった。10日に元派閥会長の細田が亡くなったのも契機になった?

○イスラエルの暴挙によって、欧米ではネオナチの勢いが増すだろう。

○高市が勉強会を立ち上げた。ネトウヨ、参政党、百田保守党、自民党右派、ついでに杉田水脈もまとめてもって出ていけ。でも人望は無いのだろう。

○柿澤、陣中見舞いと言い訳。選挙時の陣中見舞いは買収そのものだろう!

○11月27日、羽鳥慎一モーニングショーで田崎史郎が官房機密費について「ポケットマネーにすることはないだろうが選挙には使われている可能性はある。」と口を滑らす。河井アンリの1億5千万円を思い出す。

○札幌五輪招致断念。職員40人体制、活動費に13億円を使った。人件費を含めると40億円?

○記載漏れが大疑獄への予感。これは検察のアベ政治への意趣返しだろう。ネタ元は、森に土下座しても5人衆に入れてもらえなかったS村かな?

○連合の芳野友子は、労働貴族でもなくダラ幹でもなく、企業の労務担当重役の典型だ。

○中島岳志i曰く。「キシダ、ブレることだけがブレない」。異議なし!

○年間10億円の官房機密費の使途問題は消えた。検察は法に触れないので興味なし。

○免許更新手続きでマイナンバーのマの字も出なかった。

○ヤメ検郷原。政治家は複数の政治団体を持っている。「ウラ金は性格上帰属があいまいで、どの政治団体の報告書に記載義務があるのか、犯罪事実の特定が難しい」ので、議員側の立件は難しい。一方、派閥側は会計管理者が事務総長(又は会長だが、アベ、ホソダともに死んでいる。)から指示を受けていればその政治家を立件できる。

○栗山英樹が嫌いだ。その理由は、世の中に自分を嫌いだと思っている人がいないだろうと思っていそうなところだ。

○ウラ金疑惑の着地点は見えないが、先週の文春砲の見出し(記事は未読)に西村経産大臣(前)の架空パーティー。経産省は半導体産業を育成するために巨額の国費をつぎ込んでいる。当然、参入したい企業がそこに群がる構図。よってパー券は簡単に捌ける情況にある。北海道選出国会議員のH本、H井、W田らの名前も浮上。彼らの実力以上にパー券が売れている。そこにラピダスをめぐる構図があるのではないか。

 

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