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『疑似科学入門』 その2

2008-05-07 19:45:03 | Weblog
『疑似科学入門』(池内了著 岩波新書 2008年刊)その2
 
 左下の愛犬ブログで、当ブログで先日取り上げた「疑似科学入門」を参考にして、地球温暖化キャンペーンを批判しているので、是非お立ち寄りを。そこで、改めて『疑似科学入門』(池内了著 岩波新書)における「地球温暖化」についての記述を振り返ってみたい。

 著者の池内了氏は、地球温暖化に対して、両論併記のスタイルを採っている。先ず、事実として、地球が温暖化していること、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスが大気中に増えていることを確認する。

 温暖化に対しての、主流の主張は、人間の活動により温室効果ガスが増加したため地球が温暖化している論である。反対の主張は、地球が何らかの原因で温暖化したため、地中や海水中に閉じ込められていた二酸化炭素が放出されて増加したという論である。
 
 続いて、池内氏は、私たちは地球温暖化にどのような態度で対応すべきかと問う。単に自然現象として座視するのか、自分たちの問題として捉えるのかと。それに対し、池内氏は、「予防措置原則」を提起する。

 人間や環境にとって、危険が予想される場合にはそれが顕在化しないよう予防的な手を打つべきであると主張する。二酸化炭素の抑制を行なうことに投資すべきという意見である。

 しかし、この提起は、客観的な態度を装いながら、マスコミを総動員し批判的な考え方を封じている翼賛型の現在の温暖化キャンペーンに組していることになるのではないか。もし、温暖化と温室効果ガスの間に、因果関係が無かった場合、この取り組みは浪費ということになる。やらないよりやった方が良いといったレベルの問題ではなく、限られた資源の使途の無駄遣いである。

 今、必要なのは、複雑系として未解明なことが多い地球を対象とした「科学的」な分析や考察ではないだろうか。人類は、総力を挙げて、何が真実なのかを突き止めるべきだと思う。

 池内氏は、残念ながらこの問題の最後の部分で、疑似科学に陥っている。



 私の科学的な裏づけの無い直感からは、サミットのテーマになること自体が、とても胡散臭さを感じる。これまでサミットは、先進国による世界的な利権の再分割協議の場であり、地球温暖化対策は、ITに続く世界経済浮揚のための新たな需要分野となるのであろう。
コメント
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