先週の金曜日にある雑誌社の企画で座談会がありました。
知り合いのライターの方と元文部科学省の方との3人です。
文部科学省の方というのがミスター「ゆとり教育」といわれた方、
この方の執筆予定の本にゆとり教育が企業にどのような影響を
与えたかということで企業の採用に詳しい人事マンとの対談
がセットアップされたのでした・・・
座談会自体は予定の2時間を超えても話が尽きず大いに盛り上がりました。
この方が目指した教育改革というのは、多様な人材を生み出すために
義務教育の現場に独自性を持ち込める仕組みを入れるということでした。
そのために総合学習の時間を造ったそうです。
簡潔にまとめると上記のような内容で細かい部分や目指す方向性などなど
非常に共感できる部分(私がこんなこと言うのも僭越なんですが・・)
が多く10年以上前にすでにこのような方向性を見越していろいろやって
いたというのはすごいことだなと感心いたしました。
しかし今の「ゆとり教育」の実情はまことに残念ながらこの方の目指した方向には
現時点ではほとんど進んでおらず(草の根的には変化してきている部分は
あるのですが・・)、全体の方向としては総合学習の時間を造るために
げずった理数系を中心とした学力低下が大きな問題になっています。
(結果的には政府としてゆとり教育の政策転換を行い、この方は官僚の
職を辞さざるを得なかったわけですから・・)
今回の対談を通して感じたことは目指す方向性は間違っていなかったが
周囲の人間の理解、組織の使い方、そして持っていきかたがまずく
かえって教育の現場に混乱を巻き起こしてしまったような気がします。
ただ「ミスターゆとり教育」の異名どおりこの方が政策課長時代に
かなりの部分を仕切っていたというお話をお聞きしてこれもびっくり!!
(文部科学省という巨大組織でそこまで個人に権限委譲するというのはすごい
ことです・・)
お話させていただいた印象としては官僚というよりベンチャーの創業者に
いそうなちょっと変なところがあるけど発想がユニークなタイプなんですよね・・
前にブログに書きましたがこのようなタイプの方は仕事はできるのですが
安定した大組織では偉くなれないタイプに分類されます。
まあ今回の対談も入れて本が8月下旬に刊行されるのですが
これがベストセラーになると今度は政治家としてかえりざくチャンスも出てくる
のではないでしょうか?
現在とある関西の私大で教鞭をとっていらっしゃるのですが
このまま野においておくのは勿体ない人材であるのは間違いないのではと
思いました・・・・
ちなみに私は今回の座談会では匿名となっております。
(こいつはやばいことを平気で言う奴だと社内で思われているようで
広報部から「絶対に匿名で・・」と事前に強く釘をさされておりました・・)