*今夜の報道ステーションで古舘キャスターは冒頭(最近の殺人事件多発に関連して)「本来我々の持っている筈の人間性」などと無思慮でアッパラパーな導入をした。我々に本来(生来)備わっているのは「鰐の脳=中脳」であって「人間性」ではない。かつて久米さんは吉本隆明大先生に「超民主的なことを言う!」と揶揄されたことがあるが、この古館さんという人は競輪やプロレスの中継生放送には出色の才能を示すが、報道番組のキャスターには不向きだということは私も以前述べた。しかし前身たる久米さんの「ニュース・ステーション」の視聴率を彼は既に突破しているそうで、局としてはこのあまり知的とは思われないキャスターを下ろす理由がないのである。彼には影のコメント・オブザーバー(?)が常に発言をサポートしているという報道が以前あったが、本番で彼がこの助言にアドリブを付加したりすると論旨はくちゃくちゃになってしまうに違いない。ニュース番組は他にもあるが、私は多分久米さんへの郷愁だけで「報道ステーション」にアクセスしているのかも知れない。今日の古館「超性善説」には全く根拠というものがない。近代法というからには近代の法であって、それ以前には今では到底許容されないであろう法体系が敷かれていた。是非は言わず「人は(白紙で生まれ)訓練され教育されて初めて人間になる」というのが近代法秩序の下での我々現代人のほぼ共通した認識である。「野蛮から文明へ」というその教育が一部(かどうか?)瓦解しているのが我が国だが、その修正は「ゆとり」を増減したり、或いは「行政の介入」を強化したりすることによっては適わないのである。 . . . 本文を読む