良寛はこよなく酒を愛したようである。現在残っている書簡からでも、十二軒の家から三十回も贈られているとのことである。
そこで良寛が詠った酒の歌を集めてみた。
いつとてもよからぬとにはあらねども飲みてののちはあやしかりけり
(柘榴(ざくろ)はいつ食べてもうまからぬということはないが、酒を飲んで喉のかわいた時には、殊更に、不思議なくらいうまい*)
うま酒を飲み暮しけりはらからの眉白妙(しろたへ)に雪のふるまで
(うまい酒を飲み飲み、同胞(きょうだい)お互いに眉の毛の白い老年に至るまで、永の年月をすごしてしまったなあ*)
百鳥(ももどり)の木伝(こづた)うて鳴く今日しもぞ更にや飲まむ一つきの酒
(たくさんの小鳥が木から木へ枝から枝へ伝いつつ鳴く、たのしい今日の春日にこそ、お互いにもう一杯酒を酌み足そうよ*)
さすたけの君がすすむるうま酒にわれ酔ひにけりその美酒(うまざけ)に
(心親しい君のすすめるおいしい酒に、わたしはすっかり酔った、そのおいしい酒にさ*)
ちんばそに酒に山葵(わさび)に給はるは春はさびしくあらせじとなり
(ほんだわらや酒や山葵や、くさぐさのものを贈られたが、これは草庵にひとり正月を迎えたわたしをさびしくさせまいとする、あなたの温かい心遣いによることだ*) *:吉野秀雄

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