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昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

1月6日の部分日食

2019-01-07 09:34:40 | 天体観測

新年のご挨拶をするには日が経ってしまいましたが、あらためて本年もよろしくお願いいたします。

2019年最初の記事は昨日の部分日食です。年明け早々でしかも日曜日に日食を観測できるというのはそうありません。当日は朝から徐々に曇ってくるという予報でしたが、食がはじまる前には太陽が出ているところがすでに曇っており、最初は厳しそうな感じがしました。幸い食がはじまり、最大食分あたりまでは雲の切れ間がそこそこあり、画像のように東京での最大食分(10時6分ごろ)をとらえることができました。その後は雲が厚くなってきましたが終了までなんとか見届けることができました。筆者は撮影しながら同架した五藤光学製3㎝ガイドスコープで観望も楽しみました。雲があったり、黒点がなかったりということがありましたが拝めただけ良しとしたいと思います。あとご存じの方もいると思いますが12月26日にも部分日食がありますので、2019年は2度おいしい年となりそうです。(kon)


酷暑と砂嵐と・・・

2018-07-24 10:07:19 | 天体観測

昨日のニュースは酷暑による**では最高気温**℃とか観測史上最高気温等々の話題で持ちきりでした。地球(日本の場合ですが)はこの通り外出も危険な状況になってきましたが、大接近を迎える火星も気象の話題で持ちきりで大規模な砂嵐が発生中という状況です。砂嵐は収まりつつあるのか模様が再び見えてきているものの、処理した画像とは異なり眼視だとまだまだ淡い感じがしました。こんな風に隣り合う惑星の気象状況を想っていると、以前ブログで紹介した鈴木壽壽子さんの「星のふるさと」を思い出しました。その中の1971年7月31日の火星スケッチはちょうど上の画像の位相とほぼ同じで、ほぼ正面に子午線湾が左端には大シルチスとヘラスが見えます。当時のスケッチにはミツカドコオロギの音をきいていたと風情あるコメントがありましたが、筆者の場合はエアコンの室外機の動作音を聞きながらという感じでした。当時のスケッチと昨夜の画像はほぼ半世紀という時間差がありますが、その間の機材と画像処理技術の向上は著しく、当時とは比べ物にならないくらいの記録をアマチュアでも残すことができるようになりました。しかし、それ故にどうしても表面のディテール抽出に目を奪われがちで、今回の接近を果たして広い視点で楽しめているのかいろいろ考えてしまいます。「星のふるさと」はそういった昨今の天文界の状況において楽しみ方をいろいろ考えさせてくれるのではないかと思いました。(kon)


火星大接近へ

2018-07-02 10:28:05 | 天体観測

関東地方は例年よりとても早く梅雨が明けてしまったようですがその分夜になれば、金星・火星・木星・土星と惑星がそろい踏みで晴れ日が続くと観望・観測が楽しめるようになりました。今年は何と言っても火星大接近ですが、現在火星では大規模な砂嵐が発生中で表面模様が見づらい状況が続いています。画像は本日撮影したのですが、強力な画像処理をしても表面模様は淡く、眼視だと言われれば模様があるような感じで天文ソフトのシミュレーションと比較しても判別が難しい状況になっています。ただ2001年に見たような模様がほぼ見えない状況まで行っていないので月末の大接近の頃になるとどういう風にふるまうか興味深いところです。今のところ報道メディアでの扱いはあまりありませんが、ワールドカップが終わったら2003年のような火星大接近騒ぎになるのかも知れませんね。(kon)


1月31日 皆既月食

2018-02-01 09:50:04 | 天体観測





昨夜の皆既月食ですが、天気予報を見る限りでは期待できそうにないと思っていました。それでも機材はセットして雲の合間でも何とか見る(撮る)ことができればとよしと考えていたところ良い方に予報は外れたみたいで(珍しい?)、終了間際は雲が厚くなったもののほぼ全過程を観測することができました。前回筆者が観測したのは2014年10月8日で、その後にあった皆既月食は天候に恵まれなかったので、気が付くと3年以上経っていました。また部分食の状態ではHDR処理を試してみて天文誌でも記事になっていたターコイズフリンジをねらってみました。画像を見るとそれらしい青みが出ているようですが、ホワイトバランス設定でどうにでもなってしまうような感じもあって結構難しいなと感じました。今回は速報なので撮影画像はじっくり処理してみようと思います。(kon)

 


超新星 SN2017B

2017-03-23 18:50:35 | 天体観測

 

五藤光学研究所 嶋 邦博さんがうしかい座方向の銀河NGC5685に超新星を発見しました。発見は2017年1月2.79日(世界時)、五藤光学研究所 八ヶ岳観測所の45cmカセグレン式望遠鏡に0.33倍レデューサーを装着、冷却CCDカメラを使って4.8億光年かなたの銀河内での星の大爆発をとらえることに成功しました。

発見後はなかなか分光観測の報告があがらず確定されなかったのですが、先日リック天文台によってIa型超新星という報告が公表されSN2017Bという番号がつきました。

嶋さんの超新星発見は、2016年12月、おうし座方向の銀河CGCG 466-003に発見したことに続き通算で6回目となります。新月期中心の限られた時間の中にも関わらず精力的に捜索を続け、2年続けての発見となりました。

嶋さん、6個目の発見おめでとうございます。 (kon)

画像上:発見時の画像(嶋邦博氏提供)