昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

今シーズンの火星

2020-10-19 14:01:17 | 天体観測



今シーズンの火星ですが、前回の大接近に比べても、視直径は20秒を超えているし、何よりも南中高度が高いのでむしろ条件は良いくらいだと思います。しかし、関東はずっと晴天に恵まれない状況で、好条件にもかかわらずいささか残念な状況が続いています。そのような中で、昨夜は久しぶりに晴れたので火星を見ると、大シルチス・ヘラス・サバ人の湾~子午線湾といった火星の名所を見ることができました。また南極冠も小さいながらポツンと見えています。しかし、時間が経つにつれ寒気が入ってきたのか、気温が下がってくるにつれ、シーイングが悪化し、火星がグニョグニョに歪むような状態でした。なかなかうまくいかないものだと思いましたが、画像のように撮影もでできたので良しとしたいところです。

さて、火星で思い出すのが以前ブログで書いた「星のふるさと」のことでしょうか。
(記事は下記URLを参照ください。)

https://blog.goo.ne.jp/gototelesco/e/341daaa0dac84335194142fb8ab3063b

四日市市の主婦 鈴木壽壽子さんが6㎝屈折望遠鏡による火星スケッチの高い観察眼だけでなく、その時の様子を書いた情景あふれる文章は天体だけでなく、五感で観測を楽しむことを教えてくれました。

この大接近の後、条件の良い接近を迎えるのは2033年とのことなので、できる限り観測していきたいと思います。




 

 

 


ネオワイズ彗星

2020-07-27 17:08:39 | 天体観測



このところ期待している彗星が残念な結果に終わっている中、ネオワイズ彗星が久しぶりにその雄姿を見せています。
しかし、梅雨ということもあり関東地方は悪天候のため、いまだに観測することができずにいます。

そんな中、天体スペクトル観測キットのユーザーである小澤様が、7月17日に北海道で撮影したネオワイズ彗星の画像を送っていただきました。
画像を見た感じでは1997年のヘールボップ彗星を思い出しました。

最後に出張にもかかわらず、撮影機材を用意し、貴重なネオワイズ彗星画像を提供いただいた小澤様にお礼申し上げます。


6月21日の部分日食

2020-06-22 07:12:08 | 天体観測





昨日の部分日食ですが、みなさまはご覧になることができましたでしょうか。これまで日食は数年に1回くらいのペースで観測できていましたが、次回日本の広範囲で観測できるのが10年後という状況になってしまうためその姿を収めようとMX-HD赤道儀を出動させました。しかし関東地方は梅雨ということもあったのか天候に恵まれず、終始雲に阻まれてしまいました。MX-HD赤道儀であれば原点復帰から太陽を自動導入したあと、極軸高度・方位微動で太陽を中心に入れるとおおよそではありますが極軸合わせができるのですが、ここまで天候が悪いとそのメリットも発揮できませんでした。そうした厳しい天候ではありましたが雲が薄くなるほんのわずかな時間に欠けた太陽の姿を何とかとらえることができたので良しとしたいところです。


アトラス彗星 核分裂

2020-04-08 11:01:37 | 天体観測


※画像はクリックしてください。

5月にとても明るく見えると期待されているアトラス彗星ですが、ここに来て光度が予想より上がらず気になっていたところ、彗星核が分裂したと情報が入ってきました。画像は天体スペクトル観測装置のユーザーである小澤様が月明りの中、4月6日と7日にわたって撮影した彗星画像を送っていただきました。画像を見ると6日はまだ核に中央集光がありますが、7日になると中央集光がなくなった細長い姿に大きく変化しています。光度も落ちているようでこのままだと崩壊・消滅の可能性も考えられるとのことです。またしても残念な結果になりそうなのですが、逆に初期の著しい増光とここに来て分裂に至った原因が何なのかは興味深いです。この結果を踏まえて彗星についてさらに理解が深まればと思っています。

最後に月明りの中で撮影し、貴重な様子を組画像で提供いただいた小澤様にお礼申し上げます。


MX-HD赤道儀でアトラス彗星(C/2019 Y4)を撮影

2020-03-23 11:47:26 | 天体観測





5月に明るくなるのではと期待されているアトラス彗星(C/2019 Y4)ですが、さっそくMX-HD赤道儀を使って撮影・処理しました。
今回、MX-HD赤道儀にBluetoothでステラナビゲーター11を接続し、そこからアトラス彗星を導入しました。また撮影中はオートガイドをおこなっています。都市部での撮影ではありますが、現在8等級と言われている彗星をとらえることができました。

なかなか予報通りにいかない彗星の光度ですが、百武彗星とヘールボップ彗星以降のことを思うと今度こそと思いたいところです。

3月20日  22時34分  デジタル一眼レフ(ISO1600で 60秒×34コマ)
90㎜屈折(f=540mm) MX-HD赤道儀
東京都立川市で撮影 ※中央部をトリミング