今シーズンの木星はおうし座にあって高度が高いものの、ジェット気流のせいでほとんどボケた姿しか見れずフラストレーションが溜まってましたが、3月になって条件が良くなり久しぶりにの木星表面の様子が楽しめました。
ちょうど大赤斑が見えていたのですが、実はずっと気になっていたことがありまして、筆者はかれこれ30年以上木星を見て・撮影していますが、途中南赤道縞(SEB)が消失したときに少し赤っぽいなとは思った以外、パイオニアやボイジャー探査機が撮影したような大きくて赤味が強い大赤斑を見たことがありません。しかもその頃よりも赤みが薄くなっているだけでなくサイズも小さくなっているではありませんか。
先日、そんな話を社長にしたら、筆者が生まれる前の年1969年5月に観測した木星の貴重な資料を貸してくれました。写真とスケッチがありますが、確かに大きくてこれぞ大赤斑と思うような木星が記録されています。
望遠鏡が発明されて木星を観測したのはせいぜい400年くらいですから、この後大赤斑が縮小の一途をたどるのか、それとも元に戻るのかはわかりません。しかし一度くらいはアマチュア諸先輩達が見たような大赤斑を一度は見ておきたいなと思いながら木星を見続けることになりそうです。(kon)
画像上:2013年3月9日 20cmシュミットカセグレンで撮影した木星(kon)
画像下:1969年5月3日 12.5cm屈折で撮影した木星(suzu)
画像下:1969年5月3日 12.5cm屈折でスケッチした木星(suzu)