先日ですが、上野の国立科学博物館を訪問しました。目的は下記の記事を見つけたからです。
http://www.kahaku.go.jp/news/2014/04historic_telescope/historic_telescope2014.pdf
この20cm屈折赤道儀は日本で生産された大型望遠鏡では古参の機材ということだけではなく、同館に勤めていた村山定男先生や小山ひさ子先生が長年観測で使っていた愛機でもあったことはご存じの方も多いことでしょう。
この望遠鏡のことは文献で良く知っていたものの、筆者は実機を見ることなく2005年に運用を終えてしまい縁がありませんでしたが、こうして科学博物館で展示されることになりやっと対面することができました。
見て思ったのが、ディテールは違えど、雰囲気は五藤光学研究所製の25cmや20cm(旧型)赤道儀と似ていること。これは両社とも大型屈折望遠鏡のお手本となったカールツアイス社の影響が感じられてとても興味深いです。また望遠鏡のプレートも「NIKKO」や日本光学の「学」が違っていたりと時代を感じさせてくれます。
あらためて望遠鏡の姿を見ると、別の階に展示されている恐竜の化石のような迫力と風格を感じてしまうのは筆者だけなのでしょうか。願わくばこれで天体を見てみたいと思ったのは言うまでもありません。(kon)
画像上:20cm屈折赤道儀全景
画像中:会社のプレート
画像下:重錘式の追尾装置