月刊天文ガイドが今月発売された7月号で創刊50周年を迎えたとのこと。
今月号は50周年特集ということで関係者のメッセージや藤井旭氏のこれまでの歩みを述べた記事を興味深く読ませていただきました。
筆者が天文ガイドをはじめて読んだのは1980年9月号でした。6㎝屈折経緯台を手に入れて間もなくだったように思います。当時小学校5年生ですから内容のほとんどがチンプンカンプンなので、望遠鏡の広告や読者の天体写真の作品をながめるだけでした。今になると仕事で天体望遠鏡に関わることになるとは思いもよりませんでしたが・・・・・
同誌の特色はやはり天体撮影に関することでしょうか。天文に興味を持つ前に写真も興味があったので、内容はともかく、6㎝屈折経緯台に一眼レフを装着して月や惑星、標準レンズで固定撮影をすでにやっていて、今は無理でもいつかはコンテスト掲載作のような画像を撮ってみたいと思っていました。そんな中、同誌の記事もコダック103aシリーズ、水素増感、超高感度カラーフィルム、冷却CCDカメラなど天体撮影について数々の記事・ノウハウ・作例・関連機材が紹介され、天文アマチュアの方向性と市場に大きな影響を与えたと思います。
筆者もそんなアマチュアのはしくれなので天体画像なり、記事なりで同誌に載ってみたいと思っていたのですが、これまで弊社の紹介をはじめ何回か掲載され、その末席に名を連ねることができたのは幸いでした。
そんな筆者の思いでを語ってみましたが、内容でやはり気になったのが藤井氏の記事に読者年齢のことが書いてあり、創刊当時15-8歳だったのが、現在は60歳前後を迎えているというところでした。これは創刊当時の読者層がそのままスライドしてしまったことを表していると思います。これは天文分野に限らず趣味層が高齢化を辿っており、このままだと10年後はどうなんだろうと危惧してしまいます。
昨今は雑誌自体が苦境ということもありますが、まだやれることはあるのではないかと思いました。
・以前のように編集スタッフが取材に飛び回ったり機材を使ったりした記事を書く。
・撮影だけでなく、アマチュアでも天文学に貢献できるような観測法の紹介・評価・目標づくりなど。
・中学・高校天文部の雑誌への参画。
・他誌との連携。
・眼視観測の魅力も伝える。
月刊ペースが難しければ、かつての「天体写真NOW」「STARWACHING」「インタラクティブアストロノーミー」などのような別冊で展開しても良いでしょう。天文ガイドの良さの一つは別冊の企画力もありますので50周年を節目にこの先の50年に向けてエールを送りたいと思います。(kon)