昨日ですが、日本望遠鏡工業会の関係者向けの研修会に参加してきました。
今回は3月にオープンした香川県かがわ市の天体望遠鏡博物館についてで、理事長である村山氏自ら講演をいただきました。
この施設を作った経緯や展示している大型望遠鏡の引き取りなどは同施設のホームページ等で十分語られているかと思うので、今回は運営についてスポットを当てることにしました。
同館の運営のポイントですが・・・
・正職員は置かず、ボランティアスタッフのみで構成。よって基本的に土・日のみの開館
・廃校となった小学校を利用し、過疎化しつつある地域の活性も考慮
こう見ると博物館を呼称するからには、機材の蒐集・調査をする学芸員や来館者対応をするにはボランティアを束ね、接客等を指導をする職員がどしても必要ではないかと思っていたのですが、村山氏の考えは経営リスクを考慮して現在のスタイルに決めたとのことです。
運営コストを最低限にして、経済状況や大家である自治体の方針が変わるなどして、状況が悪くなっても施設維持を優先できるようにするということでしょうか。これは80年代~90年代にかけて全国に文教施設・公開天文施設が多く作られながらその後は運営が厳しいという背景を考慮していると思いました。
また、現在は公共施設運営も民間業者に委託するようになっており、評価の指標として入館者数や運営コスト削減の実績を求める傾向が強く、その尺度のみで考えてし待った場合、天体望遠鏡だけをテーマにした同館の場合は最初から成り立たないのは明白でしょう。その分同館のエリアを核にした地域のコミュニティづくりや望遠鏡を活用した地道な活動を長期にわたって続けていくことが大事かと思いました。
何にせよ、まだ始まったばかりですが、同館が新しい施設運営の好事例となり、他の施設にも影響を与えるようになればと思い陰ながら応援させていただこうと思います。(kon)
関連記事 天体望遠鏡博物館オープン
http://blog.goo.ne.jp/gototelesco/e/a21a0cef1a0f426a46b30296ab4654fa
天体望遠鏡博物館HP
http://www.telescope-museum.com/
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