昨日は春到来という陽気ということもあり、シーイングも期待できそうだったので帰宅後望遠鏡を出して木星を観測することにしました。
望遠鏡はすでに完売品ではありますが、GTM100/1000APOの試作機を使いました。画像をご覧いただくとわかるかと思いますが架台はビクセンGPD赤道儀に搭載しています。使ってみて感じたのは全長は長いものの、見た目ほど重くは感じず、組立や取り回しは長焦点機としてはしやすいほうかと思いました。一部鏡筒径をもっと太くしてコントラストを向上させてほしいという声もあったのですが、これをやってしまうとハンドリングが悪くなり、かつ重くなるので、赤道儀も1ランク上が必要にになってしまいそうです。なので業界で標準となっているφ115mmというのは落としどころでしょうか。
主役の木星ですが、多少の揺らぎはあるものの口径10㎝ということで十分楽しめるコンディションです。筆者の効き目は飛蚊症もあるので、オルソ6mm(167倍)・7mm(143倍)を中心に使いました。目立つ2本の縞を良く観察すると、縞の濃淡差やうねりは確認できますが凝視することで詳細を追える感じです。あと衛星の影が一つ木星表面に落ちていました。20時を過ぎると大赤斑が姿を見せます。当然見えていますが、赤みは乏しく、最近は小さくなっているせいか少々さみしい感じもしなくはありません。でも大赤斑が見えると木星らしくなってきますので、10㎝の望遠鏡でも見ていて飽きません。あと明記しているg線を飛ばしたことによる2次スペクトルですが、木星を見る限りわかりませんでした。
最後はGTM100/1000APOは眼視用をうたっていますが、バローレンズとPCカメラを取付け、動画撮影後に画像処理をしてみました。画像処理が強力なこともあり、眼視では淡くしかとらえていないところも明瞭に表れてきます。口径10㎝でもシーイングが良好であれば、銀塩時代のもっと大きな口径で撮影したものよりもディテールが出てくるのはデジタル時代ならではの恩恵でしょうか。
この望遠鏡を企画した筆者のレビューなので主観はいろいろとございますがこの機会に紹介させていただきます。GTM100/1000APOをお持ちのユーザー様にはぜひ木星をご覧いただきお楽しみいただければ幸いです。(kon)