話題のパナマ文書って、どんな内容なの?
2016年4月13日05時00分
■租税回避地(そぜいかいひち)に会社をつくった大金持(おおがねも)ちや大企業(だいきぎょう)の情報(じょうほう)
コブク郎 「パナマ文書(ぶんしょ)」が話題(わだい)だね。
A パナマは、北米(ほくべい)と南米の両大陸のつなぎ目にある国だよ。そこに本拠(ほんきょ)をおく法律事務所(ほうりつじむしょ)「モサック・フォンセカ」のたくさんの書類(しょるい)が外部にもれた。匿名(とくめい)の人物から南ドイツ新聞の記者に渡され、その内容を世界のジャーナリストが分析(ぶんせき)して今月、一斉(いっせい)に報じた。それらの書類が「パナマ文書」とよばれている。
コ どんな内容?
A この事務所は、世界にあるタックスヘイブン(租税回避地〈そぜいかいひち〉)で、会社をつくる手伝いをしていた。お客さんには大金持(おおがねも)ちや大企業(だいきぎょう)が多い。今回はその中に世界の首脳(しゅのう)や親戚(しんせき)たちもいたことがわかり、各国でさわぎになっている。日本の約400の個人(こじん)や会社もふくまれていたんだ。
コ 「タックスヘイブン」で会社をつくる?
A タックスヘイブンは直訳すると「税の避難所」。これらの国や地域は、政府(せいふ)にはらう税金がほとんどないかとても安い。そこに会社をつくり、本国のもうけを移せば、本国ではらう税金を節約(せつやく)できるというわけだ。会社の多くは工場(こうじょう)や事務所がない「ペーパーカンパニー」なんだ。
コ そんなつごうのいい話が本当にあるの?
A 会社の情報(じょうほう)がほとんど公表(こうひょう)されないのが、タックスヘイブンの特徴(とくちょう)だ。社長(しゃちょう)や株主(かぶぬし)がだれなのか、そんな基本情報すらも調べることができない。税金を集める各国の税務当局(ぜいむとうきょく)でも、その内容を調べるのが難しい。だから、財産(ざいさん)をかくしたり、税金を払わずにすませたりしてしまう個人や会社がいまもあるんだ。
コ どうしてタックスヘイブンはなくならないの?
A すべての取引が違法(いほう)ではないからだ。国ごとに法律が違うことも影響(えいきょう)している。パナマや英領バージン諸島(しょとう)などは産業がなく、資源(しげん)もとぼしいため、海外のお金を呼び込む手段(しゅだん)にしているんだ。