奈良)尼寺廃寺跡史跡公園が完成
2016年4月20日03時00分
「香芝市尼寺廃寺(にんじはいじ)跡史跡公園」(尼寺2丁目)が完成した。日本最大級の塔心礎を写真陶板で表示し、はぎ取られた塔跡発掘当時の「トレンチ壁面」などを展示する尼寺廃寺跡学習館もできた。学習館は21日の開園式以降に公開される。
市教委によると、史跡は7世紀後半に創建された寺院跡で、敏達天皇系の王族が造営したとの説が有力だ。1991年度から調査が始まり、96年に日本最大級となる約3・8メートル四方の心礎の巨石を発見。耳環12点、水晶玉4点なども見つかった。さらに、全国で初めて塔基壇の構築過程が分かる遺跡であることも判明している。
2002年に国史跡に指定され、03年度から整備事業が始まり、今年3月末に完了した。総事業費は約13億7200万円。
公園の面積は約1万平方メートル。史跡部分は約8300平方メートルで、地下約1・2メートルにある心礎を写真陶板で表示。残っていたほかの12個の礎石は実物を保存処理して見学できるようにした。
学習館は鉄骨造り平屋建てで、軒は古代寺院の回廊をイメージ。基壇構築法が分かる、塔跡発掘当時のトレンチ壁面(長さ約11メートル、高さ約2・5メートル)が展示されるほか、床下には大きさが実感できる塔心礎の実大模型もある。開館時間は午前9時~午後4時半(月曜休館)。駐車場もある。(小林正典)