直径約8メートルの小惑星が16日、地球をかすめるように通過したと、東京大木曽観測所(長野県木曽町)が20日発表した。地球と月の間の約半分にあたる22万キロの距離だったという。昨年末には、10メートルほどの小惑星がベーリング海上空に落下したことも判明しており、地球には頻繁に小惑星が接近していることが分かってきた。

 東大によると、木曽観測所の105センチシュミット望遠鏡が16日夜、しし座の方向を移動していく暗い天体を見つけた。国内外の望遠鏡が追加観測し、国際天文学連合が18日、8メートルほどの小惑星が月までの距離の約半分にあたる22万キロ先を16日未明に通過したことを確認。発見時の距離は32万キロだった。

 ログイン前の続きこうした小惑星隕石(いんせき)になることもある。2013年、ロシアのチェリャビンスクに小惑星が落下した際は、衝撃波で数千棟の建物が被害を受け、千人以上のけが人が出た。爆発の威力は広島型原爆の30倍にあたる440キロトンとされる。1908年にロシアのツングースカに落ちた隕石はさらに威力が大きく、東京都ほどの面積の森林がなぎ倒された。

 米航空宇宙局(NASA)によると、ベーリング海上空で昨年12月、これらに次ぐ170キロトンの威力の隕石落下があったらしい。当初は誰も気づかなかったが、日本の気象衛星ひまわり8号」の画像に、隕石が落下した際の煙が写っていることを英研究者が発見し、話題になった。

 東大によると、月の軌道より近づいて地球に衝突する恐れのある小惑星は、年50個ほど確認されているが、実際にはより多くが発見されないまま通り過ぎているとみられる。