今回も知人からの依頼品です。ご覧の通りのグリーンマックスの東急5000系です。
動力ユニットが不調という事で調整または改造・改良工事をしようと思います。
具体的な症状としては、走行時のギクシャクした走りとたまに発生するショートです。
ギクシャクした走りはこの動力ユニット特有の現象ですが、ショートに関しては恐らくモーターの内部的な物であろうと思われます。
動力ユニットは皆さんご存知の2モーター動力です。
この動力ユニットについては既に多くの方々が調整に挑戦してらっしゃると思います。
私も今回の作業にあたり諸先輩方のサイトを多く見て周り、分解の方法から調整の仕方まで勉強させて頂きました。
この場をお借りして御礼申し上げます。
それでは早速作業を始めましょう。
まずは台車を抜き、12箇所のツメがある上蓋を外します。
集電板を保持するプラパーツを外すとモーターが現れます。
モーター単体で通電させた所、片方のモーターが既にお亡くなりになっていました。
もう片方のモーターも急に減速したりしてまともに動いてくれませんでした。
モーター交換をした所でこの動力ユニットの構造上まともに走るとも思えません。
思案しているとダイキャスト製床板の中央に思わせぶりなスペース(左側モーターと右側モーターの間)があるじゃないですか・・・。
集電板を保持するプラパーツの中央にも何かを模ったような構造物がありますねぇ・・・。
と言う事で、ダイキャスト製の床板中央をエンドミルで拡張します。
出来ました。
ご覧の通りの1モーター化改造です。
ちょうど手元にあったカトーのモーターがすっぽりと納まってくれました。
12箇所のツメがある上蓋は試運転と調整の繰り返し時の利便性を考慮し3分割してあります。
モーターの位置やウォームギア付き軸の軸受の角度などはほぼ現物合わせでの作業でしたので試運転と調整が重要です。
10分間の試運転を1セットとし、2~30回程繰り返してモーターや軸受の発熱のもっとも少ない位置を探りました。
ウォームギア付き軸の保持方法が今回一番苦労した所でしょうか。
試行錯誤した結果、外径4.0mm・内径3.0mmの真鍮パイプの内径を3.4mm強に拡張し台座を付けた物で保持する事に。
ここさえクリア出来れば後はいわゆる1モーター動力ユニットの調整と変らない作業になります。
上蓋を閉じた所です。
中央の上蓋にはモーター用の通気口を開けてあります。(効果は不明です)
車体を被せてみました。
外観上は変化がありませんので特に記す事もありませんが・・・。
上蓋に開けた通気口から電気子の回転が僅かに見える事くらいでしょうか。
下面はウォームギア付き軸の軸受と、それを保持する台座の固定ネジが見える程度です。
手持ちの車両を数両つないで最終的な試運転中の一コマです。
車体を被せてみて分かったのですが、走行音がカトーの動力ユニットのそれでちょっと笑ってしまいました。
カトーのモーターを使っているので当たり前と言えば当たり前なんですね(笑)
走行性能の方はと言いますと2モーターの物より格段に良く、実に安定した走りで当方の試運転線では全く問題点はありませんでした。
程よい回転数でもそれほど速く走らない為、スローも良く効きスケールスピードで楽しむ方には良い感じです。
GMさんのこの動力は2Mだった事以外は素晴らしい出来だったと私は思います。
最後にビフォー(上)、アフター(下)です。
※この加工は全ての動力ユニットにおいて有効であるとは限りません。
また、加工をしてしまった動力ユニットで不具合が出てもメーカーの保証は受けられないと思われます。
加工はあくまでも自己責任で!
そして他社の動力ユニットに載せ換えた方が絶対に楽(ここ重要)で確実です。
以上!