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今回は人気の電気機関車EF510(マイクロエース製・品番A1161)を触ってみます。
いつも通り、知人から修理と調整を頼まれた物です。
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早速始めましょう。
初めにパンタ交換です。
パンタグラフは上半分が吹き飛んで無くなっており、交換部品も手に入らない状況ですので
思い切って他社製品のパンタを載せます。
若干加工する箇所がある為、車体と下回りを分離します。
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車体のガラスに付いている4ヶ所の爪と下回りの間に爪楊枝を差し、隙間を広げて車体を外します。
車体が分厚い上に、爪が下回りをガッチリとホールドしているのでやや躊躇しますが、思い切って爪楊枝を差します。
分解する事を考えていないのかもしれませんので、これから作業する方はくれぐれも車体を破損しないように注意して下さい。
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今回使用したパンタグラフはTOMIXのFPS5型(品番0248)です。
レール方向の寸法は割りと良かったのですが、枕木方向の寸法がTOMIX製の方がやや広い為、
パンタ台の穴を枕木方向へ広げた上で取り付けました。
マイクロ製に比べ全体的に線が太い印象ですが、その分壊れにくそうではあります。
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続いて下回り関係です。
買った当初からの不調との事で、原因を探るべく試運転や導通試験をした結果
片側の台車から全く集電をしていない事が分かりました。
具体的には、台車と車体側の集電シューは互いにちゃんと触れているのに電気が流れていないと言う状態です。
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故障箇所が台車付近に絞られましたので台車を分解してみます。
台車端にある爪を起こし、台車側面を広げて台車枠を引き抜きます。
ちなみにこのような構造ですので、車体を下回りから外す事なく作業が出来ます。
(今回はパンタ交換の関係で車体を外しています。)
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台車各部の油分を拭き取った上で試運転しましたが改善されなかったので、
台車の集電板を疑いましたがどうやら正解だったようです。
集電板の先端を金属地肌が見えるまでヤスった所、ちゃんと電気が流れるようになりました。
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台車を分解したついでに、油分でユルユルでフニャフニャになっていた車輪のゴムも交換しておきました。
使用したゴムはKATOの5.6mm車輪用トラクションタイヤ(品番Z04-0274)です。
大き目の機関車の車輪に5.6mmじゃキツキツで入らないよ!と思ったのですが、ゴムが伸びた分だけ幅が狭くなり
薄いマイクロエース製の車輪幅にピッタリと合いました。
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と言う事で作業完了です。
ゴム交換をした為なのか、元からのバランスがいいのか分かりませんが、
重量が軽い機関車の割には牽引力がそこそこある事を付け加えておきましょう。
以上。