懐かしい時計のご紹介です。
弊社で1999年ちょうど20年前に販売した時計です。
フリーガーUTCです。
同年代にマーク12、マーク15、ドッペルクロノグラフ等がありますが、パイロットウォッチとしては一番良い年代だったのではないでしょうか。実際この年代のパイロットウォッチを今でも大切に使用されているお客様は多いです。UTCは若干これらのモデルの陰に隠れた存在だったような気がします。現在においてもシンプル3針の需要がより高くなっているようです。ただ、個人的には好きなモデルでデザインの鈍臭さが他モデルとは違って良いです。
1999年はマーク12が生産終了になりマーク15が発表された年でもありますね。
代理店はコサ リーベルマン㈱で、フリーガーUTCの当時の価格は¥580,000+税。マーク12,マーク15よりも当然高く、フリーガー・クロノグラフよりも数万円高かったです。
ケース径は39mm、ケース厚は13.5mm、防水性は60m、耐磁性は32,000A/m、デュアルタイム。
UTC(Universal Time Coordinated)
UTCとは、特定の地域の現地時間とは独立した世界共通の基本時間を指します。国際的な航空時刻表もこのUTCに基づいており、ほとんどのエアラインや航空管制センターに採用されてきました。
TZC(Time Zone Corrector)
世界各地の現地時刻(ローカルタイム)は、タイムゾーンを区切る経線によって1時間ずつ異なり、その差が時差となります。この時計のタイムゾーン・コレクター機能を使用すると、時針のみを1時間単位で前後に調整できるため、時差修正が容易に行えます。
取扱説明書より
文字盤下のTはご存知の通りトリチウムを意味しますが、だいたい他メーカーもこの年代まででその後ルミノバ夜光に変更になります。
面白いのはこの時計の場合、12時ポイントと長短針にトリチウムが使われていますがバーインデックスは蓄光のルミノバが使われています。因みに数字はプリントです。
針同様リューズも購入時から交換されていません。
所謂魚マークでこれに拘る方も多いですよね。現在メーカーでは文字が入ったタイプに交換になりますのでいけるところまではコレで頑張りたいところです。まだねじ込みも比較的効いていますのでもう少しは大丈夫かと思います。
夏場はブレスレットに限りますが、それ以外の季節ではカーフ等の革ベルトも良く似合いますので是非試して戴きたいですね。
ケース含め全体的にキズも多いですがこの時計の場合それくらいがちょうど良いのではないでしょうか。
付属品も年代を感じますね。
最後にちょっとご紹介したいものが。
これ約20年前のIWCのセールスマニュアルです。
IWC顧客ターゲットのページですが、何となく今とズレているところが面白いです。
今回ご紹介のパイロットが、「20代~30代半ばの男性ヤングアダルトで、腕時計好きなこだわりタイプ。」と表現されていますね。何よりヤングアダルトという言い方が気になって仕方ありませんが。また、ポートフィノの位置付けなんて随分違いますよね。
これ20年前の時計ですが、20年後って時計業界はどうなっているんでしょうね。
そして、今旬の時計って20年後にはどう感じられるんでしょうね。
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