心のままに・・・

実体験をもとに小説仕立てでお話を書いています。
時々ひとりごとも…

あの日見た夢・・・23

2018-03-01 09:58:25 | あの日見た夢

案内してくれたお宿は

こじんまりとした佇まいの落ち着いた空間

隅々まで綺麗でとても気持ちが良かった

平日に突然やって来た客に

今日はたいしたものが出せないや

と言いながらも

食べきれないほどの料理を振る舞ってくれた

ここら辺りは皆知り合いばかり

皆、親戚のようなものだと

海で会った

健太郎と言う名の青年が笑って言っていた



温泉なんて久しぶり

あぁ 生きてて良かった

なおが大きくため息をついて

ぽつりと呟いた

アイツなんで私をこんな目に

なおを襲った男は未だ見つかっていない

今もどこかでなおを狙っているのかもしれないし

通りすがりの犯行だったかもしれない

急に海が見たいと言い出したなお

私は山が近い場所で育ったので

幼い頃から海にはあまり来たことがなかった

なおはいつでも海が見える場所で育ったので

海はとても落ち着く場所だと言う

波の音を聞きながらのんびりと入った温泉は

今までに体験したことのない心地よさだった

なおと一緒にお風呂に入った事なんて

なかったけれど

綺麗な肌

膨よかに丸みを帯びた綺麗な胸は

お湯を弾いて輝いている

脇腹の傷が痛々しかったが

あたし治癒力高いんだろうね

というだけあって

傷口は痛々しいが確実に治っている

良かった、本当に良かったよ

しげしげと身体を見つめて言う私に

はな、あんたやらしい目であたしを見てるよ

いつまで見てんのさ

そんな趣味はないからね

いつもの毒舌健在で

そう言われて改めて恥ずかしくなってしまった



夜中

なおの呻くような声に私は慌てて飛び起きた