連絡しようと思って向かった店では
すでに岡崎が来ていて
カウンター席でひとり飲んでいた。
あ そうか、
あ そうか、
岡崎さんもこの店よく来てるんだった
男と二人きりは、ちょっと
男と二人きりは、ちょっと
と思うけれど
この人は、男といっても
アニキのような存在
それにしても この人の後ろ姿
アニキのような存在
それにしても この人の後ろ姿
なかなかカッコイイ
きっと知らない女性なら
きっと知らない女性なら
この背中を見ただけで
好きになるかもしれない
それでも私には
好きになるかもしれない
それでも私には
デキル上司としか思えないけど
視線に気付いた岡崎が振り返る
おぉ来たか
視線に気付いた岡崎が振り返る
おぉ来たか
どうだった 一次会は?
ええ お腹いっぱい飲んで、食べました
あはは、そうか
ええ お腹いっぱい飲んで、食べました
あはは、そうか
それはよかった
で、岡崎さんは お食事は?
ん まぁいいよ
で、岡崎さんは お食事は?
ん まぁいいよ
適当にここでつまんでいる
ドライマティーニを頼んで
ドライマティーニを頼んで
隣りのスツールに
周りからみたら
周りからみたら
私たちどんなふうに見えるかしら
おい、おまえ
おい、おまえ
強いのいくな
それもアイツの
と言いかけて
と言いかけて
私の頭越しに入口の方を見た
そして次の瞬間
そして次の瞬間
ニヤッと口元に笑みを浮かべた
・・・?
・・・?
と、思った私が振り返ると
そこには
そこには
何度も何度も会いたいと願ったあの人が
知らない女性を伴って立っていた
私の心は一瞬凍りついたが
知らない女性を伴って立っていた
私の心は一瞬凍りついたが
冷静を装い背筋をしゃんと伸ばして
座りなおした
どうしよう
私は
どうしよう
私は
今にも心臓が破裂しそうだった
そんな気持ちを
そんな気持ちを
知ってか知らずか
岡崎は 軽く手を挙げて
岡崎は 軽く手を挙げて
その後は私に向きなおった
大丈夫か?
大丈夫か?
もし辛いなら
別の店行こうか
いいえ、大丈夫です
いいえ、大丈夫です
私これでもかなり強いですから
そう言って精一杯いい女を
そう言って精一杯いい女を
装って座りなおした
元彼
元彼
宮本高志は
一瞬固まったように見えたが
岡崎と同じように手を挙げ
岡崎と同じように手を挙げ
あいさつすると
カウンターとは
カウンターとは
違うボックス席の方へ歩いて行った
いまさら慌てて店を出るのも
いまさら慌てて店を出るのも
不自然に思ったんだろう
宮本高志 35歳独身 会社経営
5年前までの3年間
宮本高志 35歳独身 会社経営
5年前までの3年間
千秋と付き合いがあった
岡崎とは大学時代の同級生
人懐っこく誰にでも愛想よく
岡崎とは大学時代の同級生
人懐っこく誰にでも愛想よく
仕事もできる
しかし、少々女癖が悪い
しかし、少々女癖が悪い
タカシ
あなた、私と岡崎さんの関係を
どう思った?
森田千秋 29歳独身
かなり美人ではあるが
メガネのせいでその容姿の良さを
知る者は少ない
男女共に好かれる
森田千秋 29歳独身
かなり美人ではあるが
メガネのせいでその容姿の良さを
知る者は少ない
男女共に好かれる
男前な性格
でも本当の性格は
でも本当の性格は