心のままに・・・

実体験をもとに小説仕立てでお話を書いています。
時々ひとりごとも…

想いは伝わる・・・13

2024-02-08 16:58:00 | 想いは伝わる


朝から気分がいい 
今日は新しいヒールを履いて来た
わからないところで
お洒落してみるのも悪くない
それにしても仕事中なのに
なんだかニヤついてしまう
私ってわかりやすい女だろうな
誰かにバレやしないかと
内心ドキドキする

ランチタイムは
美菜に誘われお気に入りのカフェへ

あれ?
先輩素敵なヒールですね

さすがするどいわ
たぶんお洒落大好きな美菜には
このヒールを 
初めて履いて来たことが
ばれているだろう
人の服装にも
細かくチェックを入れるのが
この子のいいところでもあり 
悪いところでもある

急に美菜の表情が変わる
ところで先輩
チョットした噂を
聞いたんですけど

思わずドキッとした

え、なぁに?
どうしたの  
さりげなく
なるべくトーンを落として聞いてみる

えっと あのね

なんなのよ
なにが言いたいのかしら?
黙って聞いていると

少し気まずそうな顔つきで
実は先日の
イブの日の出来事なんですけどぉ

え、なにっ?

真由美が 
あ、わたしの同期なんですけど
その子が
イブの日にBlue Noteで
先輩と岡崎課長が
一緒にいるところを見たって
言うんですよ

わたしは
そんなの絶対見間違いよって
言ったんですけど
その子絶対間違いないって
しかも千秋先輩が泣いていたって
いうんです
一緒にいること自体まさかですけど
千秋先輩が泣くだなんて
まさか、信じられないですよね?

私は、何者だ
泣かない女
そんなに強い?
それとも
なんだと思っているの?
いやいや
そんなことは、どうでも良くて
そんなことより
あの時あの場所に
会社の子がいたってこと?
誰かに
あの様子を見られてたってこと?

それってやばいでしょ!

今、噂って言ったわよね
もう、噂になってるの?

美菜の話を 
静かに聞いていたが
手の震えがおさまらない
慌ててテーブルの下へ 
でもきっと美菜には気付かれてる

美菜は
じっと私の顔を 
見ていたが
何を思ったか急に微笑み

でも先輩
もしも、もしもですよ? 
先輩と岡崎課長が一緒にいたとして
誰にも何にも言われる筋合い
ないですよねぇ

第一 うちの会社 
社内恋愛禁止ってわけでもないんだし
ましてや
先輩も課長もひとり身なんだし
不倫しているわけでもないんだから

いい加減2人ともいい年だし
どうせならくっついちゃったら 
いいじゃないですか
課長と先輩って
とってもお似合いだと思いますよぉ

ふぅとため息をついて
参りました とつぶやいた

美菜ちゃんあなたってひとは
あなたには
嘘を言っても駄目だろうから
正直に話すわ
そう言って
大きく息を吐いた

そう
あなたのお友達が見たことは
本当よ 
あの日
岡崎さんに声をかけてもらって
待ち合わせしていたの
たまたまチケットを 
貰ったらしくてね
そのチケットが
私の大好きなアーティストさんの物
だったので
イブだからというのではなく
純粋に聞きたいだろうと思って
声をかけてくださったの 
でも私ったら
ちょっとしたトラブルにあって
時間に遅れて行ったのよ

慌てて行った時は
もうアンコールの時間くらいに
なっててね

その時私の一番好きな曲が始まって 
その曲を耳にした途端
自分でもわけがわからぬまま
涙が出てきた
ということなの
残念ながら
ロマンティックな場面で
泣いた訳では
なかったのよ

美菜は目をパチパチさせながら
私の話に聞きいっていた
聞き終わると
嬉しそうに身を乗り出してきて
嬉しそうに一言

だから今日は素敵なヒール
履いているんですね
もしかして今夜はデートですか?

おいおい
まだ付き合ってる訳じゃ
ないってばー!