昼過ぎ
なおのお兄さんご夫婦と一緒に
病院に向かうことになった
義姉さんが、着替えを取りに部屋に来たからだ
なおは、親とはウマが合わないとよく言っていた
お兄さんのことが大好きなのだとも言っていた
綺麗な人・・・
なおの義姉さんは、落ち着いていて
大人の女性そのものという雰囲気だった
お兄さんも
さすがになおが大好きと言うだけあって
スラリと背が高く
俳優の誰かさんに似ていた
なおも綺麗やもんな
口は悪いけど・・
なおは、脇腹を刺されていた
傷はそれ程深いものではないようだが
痛々しい姿だった
勢いよく転んだので
頭を強く打ち、そちらの方が心配だと
お医者さまが話していた
それにしてもなんの恨みでなおを
まだどこかで様子を伺っているのかもしれない
と、思うと気持ちが悪かった
毎日時間を作って見舞いに行った
じっと手を握るだけの日々が続いた
はな・・・
なお?気がついた?
はなは、ここにいるよ
はな、良かった
無事だったのね?
なんで?無事ってなに?
ん・・・?
なんかどこかでした様なやり取り
と、思った
ねぇ、花・・・
あたし夢を見たの・・・
タイムスリップする夢・・・
え・・・なんだかドキドキした
あたしはお姫さまなのよ
で、花 あんたはあたしの護衛
くのいちってやつかな・・・
刃物を持った奴が現れてね
追いかけてくるのよ
あんたと一緒に逃げるのよ
でも追い詰められて
あぁ もうダメってところで
素敵な忍者に救われるの
ふふふ、なんだか可笑しいわよね
忍者とかくのいちとか
昔、おばあちゃんとよく見た
時代劇みたいだったわ
へぇ
心臓の音がバクバクしていて
直に聞かれないかと心配した
同じ夢
見たの・・・?