近くの出張所に印鑑証明をとる為にカードを持参したら窓口の女性が「あちらの機械で使えますので画面の指示に従ってください」と言い機械のあるブースまで案内してくれた。
「はあ・・・・ありがとうございます」
私はその大きな機械の前で立ち尽くしていた。
手数料もそこで支払うようになっていて、コンビニのコピー機と同じ仕組みだ。
本当に印鑑証明が入手できるのかと首をかしげつつ、手数料の小銭を機械に入れ、緊張してカードを入れると「カードの向きが違います」と大音量の機械の声がフロアに響き渡った。
(ひぇぇーー、恥ずかしーーい)
私はどっと噴き出してきた汗を拭きながら、カードを入れ直した。
手順に従って操作をすると、ぐいーんと音がして紙切れが一枚出て来た。
たしかに私の実印が押された印鑑証明であった。
白地ではなく細かい柄のある紙に印刷はされているものの、どこか安っぽい。
昔の証明書は立派で「証明する!」と威厳が感じられたけれど、機械から吐きだされた証明書は「わかんないけど使えるんじゃないの」といった雰囲気だ。
私はこれは本当使えるのだろうかと不安になり、すかしてみたり、匂いを嗅いだりしてみたが、とりあえず書類に添付して送った。
公務員の人件費削減の問題もあるのだろう。
書類は問題なく受付られたが、証明書がこんなに簡単に発行されるとは思わなかった。
これからは、こういった身の回りの変化にも慣れないといけないなぁと、改めて感じた日であった。
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