私の知り合いで年輩の占い師に前世はカエルと言われた人がいた。
「人は何度か生まれ変わると聞きますが、その前は何だったのですか?」と食い下がって聞いたら「その前もカエル。
ずっーーっとカエルで今世で初めて人間になった」ときっぱり言われたらしい。
それを聞いた私達は、その「もとカエル」は他人に好かれる性格ではないので「それじゃ、あまりにもカエルがかわいそう」とカエルに同情してしまった覚えがある。
その雑貨屋の店長だって「あなたの前世はカエル」と言ったら客足が遠のくのは十分わかっているから古代エジプトのお姫様とか女心をくすぐり、女性が好きそうな言葉を並べるのである。相手の様子を伺いながら、上手に持ちあげて気分を良くするのだろう。
それにしても色々な商売の仕方があるものだと思いつつ、打ち合わせの場所に到着すると又、そこでも前世の話が出た。
「今日は前世デーだな」と思いつつ、話を聞いていると、営業の仕事をしている彼女が整体に行き、女性の先生に「昨日、急に背中が痛くなりました」と話したら
「それはそうよ。あなた、前世で背中を刺されて死んでるんだから」と言われたらしい。
彼女は大奥にいた女性で、跡目争いに巻き込まれて背中を2度刺されて死んだ。
彼女は先生の話が面白く、施術も上手なので又、行くと言っていたが私は疑いの目を向けてしまった。
こちらが何も言わなくても先生の方から「背中が痛くなったりしませんか?」と前世話が始まるのであれば、まだ信用する。
こちらが話した事に対してのリアクションであるから私としては、信ぴょう性としては今いちだと思ってしまうが面白がっているぶんには何の罪もない。
「横山さんの前世はきっと男性ですよね」と言われた事があるけれど私も、そんな気がする。
子供の時に、お墓で遊ぶのが大好きだったり、修行が好きだったり、何でも簡素に生きたいと思っていたり、伴侶は自分の人生に必要ないと考えているところをみると、宗教には全く興味はないが、私が考える自分の前世は坊さんだと思えてならない。
以前、霊感の強い人に「あなたは、前世でやり残したことを今の世の中でやってるんです」と言われ「そっか~前世でも、ぶつくさ文句を言ってたのか」と笑ってしまった。
でも、それは古代エジプトの、お姫様や大奥の女性よりも納得できる前世であった。
思い半ばにして亡くなっているとなると長命ではなかったのだろうし、争いに敗れて死んだとは思えないし、きっと足をすべらせて肥溜めにでも、はまって死んでしまったのかも・・・そう考えたら、ものすごく楽しくなってきて電車の中でへらへら笑ってしまった。
シミ、シワ、タルミ専門店
SOU創顔