女性で「ダイエット」を全く考えたことが無い人は皆無に近い。
痩せたいと口では言いながら、3度の食事も間食も、もりもり食べる。
意を決してダイエットをしたものの、長続きしなかったり、リバウンドを繰り返す。「もういいわっ、外見よりも中身よ」
っと言いつつ、しばらくたつと体型が気になって仕方なくなる。
そこで再びダイエットを始めるが、結局は効果があがらないのだ。
若い頃の太り方なんて、まだまだ可愛らしいものだ。
中高年と言われる年齢になっての体重増加が、こんなにすさまじく体型崩壊を招くとは、私自身、思ってもみなかった。
原因は年齢による代謝の低下と運動不足なのだろうから、それに気をつけて運動するなり、食事制限をすればいいのだろうが、真面目にキチンと手を打たないから、ズルズルと体型は崩壊していく。
全く歯止めがないのである。
ふと腹部に目をやると、まるで輪っかをはめたみたいに、肉があまっている。
息を吸って腹をひっこめると、肩をいからせた妙にいばったような姿になる。
息を吐くと肉の輪っかは又、出現する。
荷物が多い時、買い物に行ってレジの前で支払いをしようとすると、バッグの置き場がなくて困ることがあるが、そんな時にバッグをちょっと置いておける、丁度いい腹のせり出し具合なのだ。
とはいえ、中身がぎっちり詰まっているわけではない。
肉にハリが無いので今一つ、だらりんとしている。
風呂上りに鏡を見ると、ふと妖怪を思い出す。
首から下全部が、たるみきった「子泣きじじい」の顔みたいなのである。
肉と言うよりも皮が何層にもたるんでいると言った方がいい。
とにかく、ぱんっと張り切っておらず、ただただずるーーーんと下垂しているのだ。
私は生まれてからこのかた、標準だったのは生まれた時の体重だけで、あとは、身長に対する標準体重を下回ったことなど一度もない。
体質も関係するだろうが、同年輩なのに贅肉もついておらず、若い頃の体型を保っている女性がいるのも事実だ。
「よく保っていられるわねぇ」感心して理由を聞くと、やはり太らない体質の上に子供の頃から偏食がひどいのだという。
「肉も魚も食べられないし、ふだん食べてるのはご飯と納豆くらいのものだから、どっちかと言うと栄養不良だと思うんだけど」
165㎝で体重が45キロなんて、60歳目前で、あり得ないと思うのだが本人は「それなりに体型は崩れてるわよ」と言う。
「どういうふうに崩れてるの?」
「うーん、しぼんだ」痩せているから若い頃の体型を保っているわけではなく、それなりにしぼんでいる。
つまりデブであってもヤセであっても張りはなくなるのだ。
つづく
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