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どちらを選ぶかは自分次第

社会の悪意を象徴する都議のヤジ

2014年06月22日 | 社会のニュースを考える
6月22日の東京新聞の胸のすくコラム「筆洗」より

 「曲がったことが大嫌い。牛の角なんか見るのも嫌。道を曲がる時なんか、泣きながら曲がっている」▼落語の「井戸の茶碗(ちゃわん)」に出てくる清兵衛さん。清兵衛なら号泣するか。これほど曲がった話はない。東京都議会のやじ問題である▼「やじ」とは呼べぬ。「やじ」には弁士を絶句させる正当性と鋭さ、そして「笑い」がなければならぬ。出産に悩む女性への支援について質問した女性議員に対する「結婚したらいいじゃないか」「産めないのか」は「やじ」ではない。悪意である。暴力である。これが、第一の曲がったことである▼第二はこの人物が名乗り出ぬことである。発言に責任を持つことこそ最大の仕事といえる政治家が責任を負うどころか、逃げ隠れしている。ほとぼりが冷めるのを待っている。曲がっている▼第三は暴言を制止する人間がいなかったこと。誰の発言か知っているのに、黙っている議員が恐らく存在する。「黙れ、愚か者」と誰も声を上げぬ。しがらみか、見て見ぬふりをしている。これが最も曲がっている。曲がったことを許さず、正しいと信じたことを主張する。命に代えても、主張する。そうでなければ政治家である意味も資格もない▼「他人の赤ちゃんが嫌いだった。子犬さえ憎かった」。同級生の女性。授からなかった。その苦悩を暴言とそれに沈黙する人が笑っている。曲がっている。

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筆洗氏の言を借りれば、3つの曲がったことは、今回の都議の件だけに限らないと思った。

第一 問題の本質をずらし、暴言を吐いて他人を傷つけ、一方的に貶めておきながら
第二 言った本人は名乗らない。自分の言ったことに責任をとらない。
第三 仲間も止めるどころか、加わって、一緒にはしゃぐ。


まるで、この野次を飛ばした都議は、匿名で暴言を書き散らす今のネット社会の負の象徴のような態度である。
(今、社会にはびこるいじめや、ヘイトスピーチなども同じ構造だと思う。)
今回だって、そばにいた人は誰が喋ったかは、わかるはずなのに、身内をかばって言わない。それは、悪意を許容する社会につながる。

最近では石原伸晃環境相の「金目」発言といい(彼は、以前には、2ちゃんねるのスラングをテレビでしゃべっていた・・)、自民党ネットメディア局長の「黙れババア」といい、安倍さんの原発事故当時のデマ拡散といい、自民党議員こそが、ネットの悪意や衆愚社会を作り、社会を劣化させている牽引役ではなかろうかと思う今日このごろです。

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6 コメント

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本当に (A・S(たわごと的オピニオンの))
2014-06-22 16:12:28
このような者が選挙で選ばれて代表として都政を方向づけているとしたらなんと情けないことか。もっとを隠れてこのようなことを言って、こそこそわからないようにしているのですから選挙民も騙されているのかも。もっと広報でその人と成りをというか、考え方がわかるようにしないと、そして少なくとも誠実な者を選ばないと成らないと言う事が明瞭になりましたね。
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Unknown (メイプル)
2014-06-22 19:11:43
問題になっていますね、この暴言問題。わが家でも物議を醸しました。

今回の問題で恐るべきは次の3点であると思います。

1:公の場で、しかも議論の本質から離れたプライベートな領域に土足で踏み込む無神経さ。

2:「男は外 女は家」では世界の流れとしても、また現実問題としても時代遅れなのに、未だにそういった偏見を捨てようとしない頑迷さ。日本を国際社会の中で導く役割を負う議員がこれでは洒落になりません。

3:暴言を吐いたのならそれ相応の処断を受けなければならないのも関わらず、こそこそ隠れる姑息さ。

本当に今の日本の政治の程度の低さには失望するしかありませんよね。

特に「産めないのか」には驚きました。もうこの言葉が出てきた時点でその人間の性根が透けて見えますね・・・女性が最も気にしている領域の一つであろう所に土足でずかずかと踏み込み、足蹴にしておきながら、こそこそと身を隠す卑劣さ。見て見ぬふりをする周囲の議員。

最近は特に陰湿で卑劣ないじめが学校や会社に増加してきていますが、国の中枢もとは何と言えばいいか・・。

少子化は女が社会に出て子供を産まなくなったせい、などと本気で思っているんでしょうねぇ・・。

しかも最近はそういう暴言には社会が敏感です。暴言や暴力は瞬く間にインターネットを通じ日本のみならず世界にまで拡散するこの情報化時代に、自分の身が可愛いのなら言って「いい事」と「悪い事」が存在することすら分からない無能さ加減には戦慄しました(汗)

いつから日本はこんなに劣化してしまったんでしょう。少なくとも明治~大正にかけては優秀な政治家が大勢居たというのに・・というか、政治家に限らず企業のトップや財政界の重鎮など、今の日本の上に立つおっさん連中の劣化が酷いです。

恐らく、戦後の高度経済成長やバブルの頃の夢が抜けきっていないんでしょうね・・。

より大きな視点で見れば、男性性偏重の社会が今大きく揺れているのかもしれません。

争い、獲得し、支配し、搾取し、繁栄する・・というこのサイクル自体の限界を感じます。

昔は人間の活動範囲自体が狭く、どれだけ戦争しようか地球の環境再生の許容量を超える事はありませんでした。

しかし、今は人間の活動範囲は自然環境の再生速度を凌駕し始めています。本来ならば自然の循環に添った社会を築く事に全力を投入すべきなのに、欲に目のくらんだ人間ほどおぞましい化物はおらず、今人間社会や経済活動が成り立てているのは、自然環境があってこそのものであるという事すら忘れ、互いに相手を喰らおうと必死です。

ただ、世界では支配や搾取に対するデモや反対運動、或いは新時代を担うリーダーの卵たち(マララさんなど)が生まれている訳で、人の潜在意識もこれではマズイ、と危機感を覚えているんでしょうね・・。

少し話が逸れてしまいましたが、すっかり頑迷になったおっさんやおやじ達(男とは頑迷になりやすい生き物です)の姿を見て、「人のふり見て我がふり直せ」と、ああいうおやじにはならないように気を付けて生きていきたいと思います。

長文失礼しました。それでは
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何でもまかり通ると思ってる (ローズクォーツ)
2014-06-23 01:10:18
このままうやむやにできるとでも?
とドヤ顔になりますわ。( *`ω´)

ただ80代の母が
言われた時点で、ハッキリ不快感を
出さないと。
怯んでいたのが、気になった。
と、言っております。
デリケートな問題こそ
多岐に渡る工夫が必要。
男女双方で深める事案に
下卑たヤジは不適切。と先ずは
釘を刺すところ
ではありましたかね。



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A・Sさんへ (金木犀)
2014-06-24 11:52:18
コメント頂きありがとうございます。

>広報でその人と成りをというか、考え方がわかるようにしないと、そして少なくとも誠実な者を選ばないと成らない

そうですね。
政党だけで人を選ぶと、こんなことになりますね。
本人がようやく名乗りましたが、一見、そういうことを言うように見えない紳士顔の方が、言うわけですね。
本音と建前を使い分けて、言い訳している。
議員が誠実であるかないかは、一番近くにいる方が、一番良くわかっている のかも・・
返信する
メイプルさんへ (金木犀)
2014-06-24 12:22:00
いつもありがとうございます。

現状は嘆かわしいことばかりですが、それは別として、メイプルさんのような真摯な思考をされる若い方がいらっしゃること。それは、私にはとても、嬉しいです。


>より大きな視点で見れば、男性性偏重の社会が今大きく揺れているのかもしれません。

本当にそう思います。
今まで、そういうものと我慢してきた女性議員たちも大勢いたのです。
でも、我慢していたら、現状は変わりませんし、男性議員も悪いことだと気づかないまま、失礼で下卑たことを言い続けていたのでしょう。
だから、今回問題が大きくなって脚光を浴びたことは、次のステップにゆくためには、良かったのかなあと。

>すっかり頑迷になったおっさんやおやじ達(男とは頑迷になりやすい生き物です)の姿を見て、「人のふり見て我がふり直せ」と、ああいうおやじにはならないように気を付けて生きていきたいと思います。

残念ながら、反面教師はたくさんいますよね。
本当は自分に自信がないから、相手を貶めることで、自分が優位に立っているのだと自分自身に確認しているような、浅はかな心理もあるのではないかと思います。
本人は気づいていないだろうけれど・・・

でも、大江健三郎さんとか、田坂広志さんとか、お手本なるような、(頑迷や頑固とは違う)一本筋が通った、かっこいいおじさんたちもいますから。
個人的には、非電化工房の代表藤村靖之さんも素敵だなあと思っています(笑)
メイプルさんも、ぜひ、素敵な紳士になってくださいね。
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ローズクォーツさんへ (金木犀)
2014-06-24 12:56:59
>このままうやむやにできるとでも?

ですよね~。
海外メディアにも取り上げられたので、いいぞいいぞ、と。
恥ずかしいことだけれど、日本の政治は外圧に弱いですもんね。
ある地方女性議員が、今回の件のあと、必ずひどいヤジが来たのが、全く来なくなったんですって。
男性たちが気づいて、今後、セクハラな暴言がなくなればいいですよね。

>怯んでいたのが、気になった。
 と、言っております。

漢字が読めなかった・・滝汗。「ひるんで」ですね。
人生のベテランには、キリッとひと睨みで言えることでも、新人議員には、毅然とした態度は、なかなか難しかったのかも。
でも、そういう風に言える、80代のお母様、かっこいいですわ。
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