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古代の腸内細菌みつかる

2015年04月03日 | からだ・こころ
腸内細菌が、人の病気や意識まで影響を与えているのではないかという研究が進んでいる。
腸内フローラに代表されるように、最近急速に脚光を浴びる腸内細菌。

今度は、古代の腸内細菌がアマゾン川流域の狩猟採集民族からみつかったという話題。
何をもってして、古代なのか、はたまた新種なのか?
と小難しい話は抜きにしても、古代の腸内細菌は人にどんな影響を与えたのか?
現代人は古代の腸内細菌を失ったことでどんな影響を受けたのか。
個人的にかなり興味をもったので、以下、ナショナルジオグラフィックニュースより、やや長いけど、全文。



ペルーのマツェス族。数少ない狩猟採集民族のひとつで、塊茎類やバナナを主食としている。
(Photograph by Jeffrey L. Rotman, Corbis)



狩猟採集民から古代の腸内細菌が見つかる
炭水化物の消化を助け、繊維質を分解する種と近縁

2015.04.01

 オクラホマ大学とペルーの国立保健研究所の研究者らが、アマゾン川上流を訪れ、人の腸内細菌の調査を行った。この結果、ある人がどんな腸内細菌を持っているかは、住んでいる場所よりも、食べているものに左右されることが判明した。

 3日間かけて行われた今回の調査の目的は、日々の食事とライフスタイルが、人間の腸内に存在する数百兆個の細菌がつくる集団、つまり「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」の構成にどのような影響を与えるのかを詳しく調べることだった。

 腸内細菌叢は、消化と代謝において大きな役割を果たしており、肥満、糖尿病、大腸がんといった疾患へのかかりやすさとも密接な関わりがある(関連記事:2013年1月号「小さな細菌の世界」)。

 オクラホマ大学の遺伝学者セシル・ルイス氏らは先日、科学専門誌「Nature Communications」に、アマゾン川流域に暮らす狩猟採集民マツェス族の消化管から採取した細菌を分析した論文を発表した。世界でも残り少なくなった狩猟採集民であるマツェス族は、ジャガイモのような塊茎、プランテーン(バナナの一種)を主食にしており、その他、魚、サル、ナマケモノ、ワニなど、ジャングルに住む動物のタンパク質を摂取している。

 調査チームはまた、アンデス山脈高地の村トゥナプコに住むジャガイモ農家の人々のサンプルも採取し、これらふたつの集団から採った細菌を、オクラホマ州の町ノーマンの住民のものと比較した。

 マツェス族の腸内に存在する細菌の種類は、近隣のトゥナプコ村の人々のものよりもむしろ、海をひとつ隔てたアフリカ大陸の狩猟採集民のそれに近かった。一方で、マツェス族とトゥナプコ村の腸内細菌群は、典型的な「先進国型食生活」を送っているオクラホマの人々のものと比べれば、互いによく似ていた。

 また昔ながらの生活を送る人々の腸内には、より多様な種類の細菌が存在することもわかったという。「地理的な距離は問題ではなく、日々の食習慣が重要なのです」とルイス氏は言う。


消えた細菌

 ルイス氏のチームはまず、持参した顕微鏡を使ってマツェス族の人々に細菌について説明してから、大便を採取した。サンプルを大きな氷に包んでペルーの首都リマまで運び、そこで冷凍したものをアメリカへと輸送した。

 オクラホマの研究所でサンプルを分析したところ、先住民の腸には、先進国の人々が持っていない種類の細菌が含まれていることがわかった。トレポネーマ属と呼ばれる、梅毒やイチゴ状血管腫といった病気の原因菌を含む細菌属の仲間が、マツェス族やトゥナプコ村の住人から採取したサンプルから大量に見つかったのだ。

 マツェス族とトゥナプコの農民が持つトレポネーマ属の細菌は、ブタ、ウシ、シロアリなどが持つ、炭水化物の消化を助け、繊維質を分解する種と近い関係にある。「どれも繊維質をよく発酵させるものです」とルイス氏。

 過去に西洋の先進国で行われてきた腸内細菌叢の調査では、トレポネーマ属の細菌はまったく見つからなかった。アフリカや南アフリカの先住民の腸にトレポネーマ属が当り前のように存在することが判明したときは、調査を受けた先住民は「例外」なのだろうと研究者たちは考えた。

 しかし、今回の調査結果は、ルイス氏のチームが最近発表したほかの論文の内容とも一致する。2012年、ルイス氏らがコプロライトと呼ばれる1000年前の糞の化石を調べたところ、現代の西洋式の食事をしている人々のものよりも、マツェス族やトゥナプコの住人のものとよく似た細菌群が見つかったのだ。これはオクラホマの人々に代表される先進国のライフスタイル(加工食品を食べ、衛生的な環境に暮らし、抗生物質を多用する)こそが「例外」であることを示している。

 ドイツ、ライプツィヒにあるマックス・プランク進化人類学研究所のステファニー・シュノール氏は、昨年発表された論文で、タンザニアのハッザ族の腸内細菌叢を分析している。

 シュノール氏が発見した細菌群はマツェス族のものとよく似ており、先進国ではほとんど見つからないトレポネーマ属と古代種が多く含まれていた。ルイス氏の研究は「私たちの研究の正しさを証明する」ものだとシュノール氏は言う。「トレポネーマ属はさまざまな調査で見つかっています。トレポネーマ属の細菌を持たないほうが異常だという意見が主流になりつつあります」

 こうした研究は、産業革命前の人間がどんな食事をしていたのかをうかがい知るヒントとなる。伝統的な暮らしを送る人々が先進国社会と関わりを持ってライフスタイルや食事を変えてしまえば、彼らの腸内細菌も変わってしまうのかもしれない。

 ルイス氏がマツェス族から初めてサンプルを集めたのは2012年のことで、それ以降彼らは「先進国型の食べものに触れる機会が、以前よりもずっと増えた」という。「彼らのようなライフスタイルは、今まさに消滅しようとしているのかもしれません。伝統的な習慣がなくなれば、トレポネーマが人間の腸から消えてしまうこともあり得るでしょう」

 トレポネーマの存在(あるいは不在)が、肥満や糖尿病といった「文明病」に関わりがあるのかどうかは、これからの研究で明らかになるだろう。

文=Andrew Curry/訳=北村京子

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人類が文明社会で得たものもあるかわりに、失ったものもいっぱいある。その一つにまさか、腸内細菌もあったとは!

  

「産業革命」というキーワードで、ずっと以前読んだ「パパラギ―はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集」という本を連鎖反応的に思い出した。南の島の酋長が白人社会を体験し、白人たちが良かれと思っているその文明の不自由さ、不自然さ、滑稽さを痛烈に皮肉るという内容。
そう言われれば、産業革命以来、地球環境もどんどん変化してきた。悪い方に・・・。
合わせ鏡のように、人間の腸内環境も同様に変化してきたということだろう。

でも、先進国の生活(=加工食品を食べ、衛生的な環境に暮らし、抗生物質を多用する)によって、失われた腸内細菌は、かつての食生活を取り戻すことによってよみがえらせることができるのではないか、という可能性もあるのは、上記のような研究によって理解でき、ありがたいことだと思いました。

そして、ついでに書くなら、経済真理教のもと、今のばかみたいにイケイケドンドンで進む電子機器に囲まれた環境(今度は身につけたままの状態でさらに便利さを追求する「ウェアラブル」なんですと)も、人の心と体を内側から蝕んでしまうのだ、ということも白日の下になる日が来ると信じたい。 



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