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2009年、オバマ大統領の広島訪問を断っていた外務官僚

2016年04月11日 | 憲法改悪、集団的自衛権反対



2009年4月5日 チェコの首都プラハで、「核なき世界」を語ったオバマ大統領(ロイター)


オバマ大統領自身が、就任当初からずーーーっと、願っていた広島訪問。
ここに来て伊勢志摩サミットを終えたあと、広島訪問の可能性が出てきたそうです。




11日の午前には、「G7の各国外相が、広島の平和公園に献花したあと、ケリー国務長官の提案で原爆ドームまで足を伸ばした」というニュースがありましたが、オバマ大統領もぜひ、実現させていただきたいと、祈っています。

「オバマ大統領が広島訪問を検討」米紙電子版が報道
(朝日新聞デジタル2016年4月10日)
 米ワシントン・ポスト紙(電子版)は9日、オバマ米大統領が5月の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)後に広島を訪問する検討を始めたと報じた。米政府当局者の話として伝えた。まだ決断はされていないとしつつ、広島に数時間滞在し、核軍縮をテーマにした演説をする可能性も探っているという。



そういえば、大統領就任した翌年、彼が広島訪問と原爆投下の謝罪を希望した時に、事もあろうに日本政府の方から、断ったんだよね、・・・ということを思い出し、自分のブログにも書いたような気がしたんだけど、見つからなかった・・・とほほ

仕方ないので検索をかけたら、ありました。
2011年に、ウィキリークスに暴かれていたのですね。大統領は広島訪問に本気であったにもかかわらず、2009年8月28日、外務省がルース駐日大使に対して断ってしまったのだ。それは、崩壊寸前の麻生政権時代のこと。
   ↑
(付記:日にちと政権名をあえて赤字にしたのは、you tubeで、これを断ったのが鳩山元総理だと断定するデマが流されていたためです。JOC会長の息子で明治天皇の玄孫(孫の孫)という竹田某、日本会議関係者の発言ですが、彼らが民主党政権に対して、こうやって、虚偽の情報を垂れ流しして政権つぶしをを図っていたということを裏付けるものです)


オバマ大統領の広島訪問と原爆投下への謝罪を断った外務省」というタイトルで、 以下のブログが新聞の魚拓を残していてくださっていた。感謝。
以下、記事抜粋。

オバマ大統領の広島訪問と原爆投下への謝罪を断った外務省 - ウィキリークスより
(狂騒のパジェント2015年8月5日)

広島・長崎の原爆犠牲者慰霊式典への米国政府の対応を調べていて、2009年11月に初来日した米国オバマ大統領が当初、広島を訪問し原爆投下に対して謝罪する可能性があったことを知った。
これに対し、藪中外務事務次官(当時)が「時期尚早」と断念するようルース駐日大使(当時)に伝えていたようだ。

オバマ大統領の広島訪問 外務次官「時期尚早」 ウィキリークス公開の米公電
2011.9.26 18:08(産経ニュース)
 オバマ米大統領の平成21年11月の初来日を前に、当時の藪中三十二外務事務次官がルース駐日米大使に対し、原爆投下の謝罪のため大統領が被爆地の広島を訪問することに否定的な姿勢を示し、謝罪を目的としない訪問自体も「時期尚早」との考えを伝えていたことが26日、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電で明らかになった。
 21年9月3日付の公電によると、藪中氏は同年8月28日にルース氏と会談し、「核兵器なき世界」を掲げたオバマ氏の広島訪問について、特に反核グループ内で期待が高まっていくとの見通しを示し、日米両政府でそうした世論の期待を抑えなければならないと伝えた。その上で謝罪目的の広島訪問が成功する見込みはないとの考えを示した。
 外務省顧問の薮中氏は産経新聞の取材に対し「外務省はウィキリークスの件でコメントしないので私もコメントしない」と語った。



平成21年は、2009年ですね。世界で唯一原爆を落とされた日本で、このような応対をするなんて考えられないです。
しかも、その理由が、わかりやすく言えば「反核団体が調子に乗るから」って言うような内容。外務官僚だって、国民の税金で生活してるんでしょうに、よくもそんなことが言えたものだ。完全にアメリカ視線ですよね。しかも軍産系のね。

当時はもう自民党は駄目すぎて、政権交代が起こるのも仕方なかったのではないかというような状況だったけれど、かように官僚は同じメンバーだから、結局、民主党は政権交代しても、獅子身中の虫に、だまされ翻弄され、壊されてしまった気がする。
おかげで、当時の民主党内も疑心暗鬼が高じて内部分裂してしまったし。

また、自民党政権になり、時間が逆戻りして、核なき世界どころか、核保有さえ念頭に置いた、9条放棄の改憲をめざす安倍政権。


以下、余談ですが・・

核なき世界への道は、依然けわしいですが、オバマ大統領だったからこそ、世界は、これですんでいたかもしれないと(中東で核が使われなかったから)、私は本気で思っています。

次の選挙で、共和党が勝ったら、世界はどうなってしまうのかとも思いますが・・・民主党のヒラリー・クリントンでも、彼女自身が大統領になって何をするかではなく、ただただ「大統領になりたい」という気持ちが見えてしまって、あまり期待が持てないのも哀しい。
貧困や弱者救済を謳う若者の代弁者であるサンダースは、良さそうに思えるけれど・・・心配なのは、マッチョと自由を是としてきたアメリカという国柄を全く考慮せずに突き進みそうで、折り合いの付け方に失敗して、一歩間違えば国内の分裂と混乱を更に助長させるかもしれないなあという危惧。
オバマ大統領のような人は、そうそういないのだなあと改めて思います。

ムヒカ善大統領同様、高いパワーの方は、政治家をやめてからも、活動を続けます。
オバマ大統領も核軍縮をライフワークとして、これからもきっと、何らかの形で活動されると期待しています。


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6 コメント

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記憶が・・・ (ひろみ)
2016-04-12 22:58:59
>オバマ大統領自身が、就任当初からずーーーっと、願っていた広島訪問。

やっぱりそうだったんですね。
でも、ウイキリークスで公表された2009年の訪問時の件は、ちょうどその頃人生で一番しんどい時期であったせいか、チェックできていなかったみたいです。
過去記事見ましたが、言及してませんでしたし・・・TWITTERにもメモがありませんでした。

就任当時から、私の中では、高い評価だったし、金木犀さんがおっしゃるとおり、この8年、なんとか持ち応えてくれたなぁ~って、思います。
大統領任期が終わる今だから、やっと実現するのかもしれませんね。

ノーベル平和賞受賞時の演説全文をブログの記事にしていました。

オバマ大統領演説(2009.12.12)
http://blog.goo.ne.jp/tres-cerdidos/e/9049bbe31216fd753b66725ffb117c28
オバマ大統領演説(2)(2009.12.12)
http://blog.goo.ne.jp/tres-cerdidos/e/7f5f9e6ed25459df6a4000e8e59b0298

(2)の記事のコメント欄に、2010年1月24日付けのメモがありました。

『オバマ大統領「広島に行きたいです」 市長と面会
広島市の秋葉忠利市長が21日午後(日本時間22日未明)、米国の主要都市の市長でつくる「全米市長会議」の代表団とともにホワイトハウスでオバマ米大統領と面会し、広島訪問を直接要請した。現職の広島市長が米大統領に会うのは、初めてのことだ。

 面会後に記者会見した秋葉市長によると、オバマ大統領と握手をした際に「広島市長です。いつか広島にいらして下さい」と呼びかけた。オバマ大統領は「行きたいです(I would like to come)」と応じた。秋葉市長は「目が合ってニコッとしていた。お世辞で言った感じではなかった」と語った。』

やっぱりですね!!!
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ひろみさんへ (金木犀)
2016-04-13 20:42:46
オバマ大統領就任直後から、広島訪問は話に出ていたと思います。
ただ、ダメになったのは、アメリカ側の事情なのだろうと勝手に推測していましたが
まさかまさか、日本側から断っていたのだとは・・・

日本の外務官僚は『国会のコントロールに米国は便利』と言ってはばからないようですからね
http://blog.goo.ne.jp/hanamiduki87/e/865f3d38a23beaf8cc296ebce71b25b3

外務省はアメリカの軍産系のシンクタンクと随分密な関係なのでしょう。
お互いに利用しあっている?

日本もそうですが、アメリカも一枚岩じゃないから、たとえリベラルな大統領でも、絡みあったしがらみを、よけながら進むのは、簡単じゃない。
あちらを立てればこちらが立たず。

ウルグアイのような小さな国ではできても、大国アメリカで同じことをするのは、時間も根気も必要です。
意識レベルが高いと言っても、彼だってスーパーマンじゃない、弱い一人の人間ですから、いいたくないことも言わなきゃならん時もあったと思いますよ。
‥・とひろみさんのリンク記事読みながら思いました。
8年間は、ほとんど葛藤ばかりだったのではないかと、想像します。

キューバと国交回復させたことで、任期終了が近いので、オバマは歴史に名を刻みたいのだ、とわかったようにいう人がいますが・・・
結果的にはそうなるかもしれませんが、単なる名誉欲のためじゃないはずです。

オバマは、本気で、核なき世界、世界の平和を少しでも前進させることを目指していたし、もちろん広島訪問もパフォーマンスではなく、彼の念願です。
返信する
やっぱり (ましま)
2016-04-15 08:00:16
あり得ることだと思っていたが、麻生さんが絡んでいるのですね。

現最有力閣僚だから、国会やマスコミで突いてほしいのにだんまりです。

もっとも、オバマさんには来てほしいので、忘れたふりをしていた方がいいか?
返信する
ましまさんへ (金木犀)
2016-04-15 19:03:27
熊本の大地震で、今、マスコミはこればかりですね。
ウィキリークスでも発表された当時も、スルーされた感がありましたし・・。
突っついて欲しいですが、このタイミングでは難しいですね。
わかっている人はわかっているけれど、わからない人はずっとわからないままなのだろうなと思います。
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アメリカの変革期 (メイプル)
2016-04-16 13:16:07
お久しぶりです。メイプルです。以前、コメント欄で何度かお世話になりました。

今度の大統領選は、アメリカという国の過渡期を象徴している気がします。特に、社会主義者のサンダースがここまで善戦していること自体が、私にはとても驚きです。

それほどまでに、アメリカという国は疲弊しているんでしょう。数字の上では、世界トップの経済力を誇っていますが、多くの国民が疲れ切って嫌気がさしているのかなと感じます。

国内の格差は、「格差」などという生易しいものではなくなり、中世の貴族も真っ青の「身分」と化しています。

ある研究によれば、人が「お金」で感じられる幸せというのはおおよそ年収600~700万あたりで打ち止めになる性質があるようです。それ以上のどれだけ稼いでも、幸福度はなかなか上がらないラインというものがあります。

思うのですが、ある一定のラインを超えると「お金」は実感を伴わなわなくなるのではないでしょうか。いつしかお金が地に足の着いた実感を離れ、モニターの上で上下する数字になるのでは

というか、今多くの人が「資本主義」に対して大きな疑念を抱いているのではないでしょうか?

他者と共存して生きる。富を分かち合う。こんな基本的なことが、今の世界ではとても難しいです。富は独占され、法がその独占を正当化する。社会は分断され、人々はまるで社会をサービスを引き出す道具にように使います。でも、そうした荒廃に心は傷付き荒む…

ムヒカ前大統領が注目されたのも、おそらく資本主義の行きつく果てにたどり着いてしまう前に、どうにかして立ち止まりたいと願う人々の願いがったからなのかもしれません
返信する
メイプルさんへ (金木犀)
2016-04-16 21:57:49
メイプルさん、お久しぶりです。
いつも興味深いコメントありがとうございます。

本当に、トランプが強いのもびっくりですが、サンダースの善戦もびっくりでした。
アメリカという国が、行き詰まってきて、両極端に触れてきているのでしょう。
あの国の貧富の格差は、異様です。

>ある研究によれば、人が「お金」で感じられる幸せというのはおおよそ年収600~700万あたりで打ち止めになる性質があるようです。それ以上のどれだけ稼いでも、幸福度はなかなか上がらないラインというものがあります。

それは知りませんでしたが、わかるような気がします。
衣食足りて礼節を知る、といいますが、最低限+アルファのゆとり・・・があれば、かなり十分。
幸せは贅沢が目的ではなくて、ちゃんとご飯が食べられ教育が受けられたうえで
家族や身近な人達と心から信じ合えたり喜びを分かち合えたりできることが、人にとっての幸せと思います。

>というか、今多くの人が「資本主義」に対して大きな疑念を抱いているのではないでしょうか?

本当にそうですねえ。
それでも、過去にしがみついている人も多いので、みんなが一斉にこっちがいいよ、とはゆかないでしょうが、
こんな感じで、ゆるく突然に変化が起こるのかもしれないですね。
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