首相、5年連続「加害」触れず 天皇陛下と対照的
東京新聞 2017年8月16日
安倍晋三首相は十五日の全国戦没者追悼式での式辞で、第二次政権の発足後から五年続けて、先の大戦での諸外国に対する「加害と反省」の言葉を盛り込まなかった。天皇陛下がお言葉で、戦後七十年を迎えた二〇一五年から「深い反省」という表現を使っているのとは対照的だ。
歴代首相は式辞で「多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と加害と反省の意を示してきた。
安倍首相も〇七年の第一次政権時は踏襲したが、第二次政権以降は変更。今年を含め、一五年からは戦後の日本を「戦争を憎み、平和を重んずる国」と表現している。歴代首相が使ってきた「不戦の誓い」については、一三、一四年は触れず、今年は一五、一六年と同様に「戦争の惨禍を、二度と、繰り返してはならない」と言及した。
一方で「未来を切り開く」と五年連続で未来志向を強調。今年は新たに「争いの温床ともなる貧困の問題」に取り組む考えも示した。首相は一五年の戦後七十年談話で、次世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせない」と表明しており、未来重視の姿勢は今回も変わっていない。
(柚木まり)
東京新聞 2017年8月16日
安倍晋三首相は十五日の全国戦没者追悼式での式辞で、第二次政権の発足後から五年続けて、先の大戦での諸外国に対する「加害と反省」の言葉を盛り込まなかった。天皇陛下がお言葉で、戦後七十年を迎えた二〇一五年から「深い反省」という表現を使っているのとは対照的だ。
歴代首相は式辞で「多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と加害と反省の意を示してきた。
安倍首相も〇七年の第一次政権時は踏襲したが、第二次政権以降は変更。今年を含め、一五年からは戦後の日本を「戦争を憎み、平和を重んずる国」と表現している。歴代首相が使ってきた「不戦の誓い」については、一三、一四年は触れず、今年は一五、一六年と同様に「戦争の惨禍を、二度と、繰り返してはならない」と言及した。
一方で「未来を切り開く」と五年連続で未来志向を強調。今年は新たに「争いの温床ともなる貧困の問題」に取り組む考えも示した。首相は一五年の戦後七十年談話で、次世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせない」と表明しており、未来重視の姿勢は今回も変わっていない。
(柚木まり)
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画像:報道ステーション(2017/8/15)
式辞のあと安倍総理をまっすぐに見つめる陛下
いつもの温和に微笑む陛下の表情とは、違う
じっと、射るような目が印象的だった。
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陛下に見つめられた安倍さんは、このときどんな表情をしていたのだろう。