ハノハノ*ニジイロビヨリ

旧ハノハノ*アラチビヨリ
和やかにふんわりと、時々欲張りな日々。

風が強く吹いている

2010-01-06 00:10:14 | Book&Comic
三浦しをん作品を読みたいなぁと思い、色々物色していると
私にぴったりな題材がありました。
以前から実はちょっと気になってたんだけど、600ページを越える長編。
読みきる自信がなく(汗)
でも、先日も箱根駅伝を熱くTV観戦した今だったら!と思いまして
そうしたらするするっと読めました。


風が強く吹いている (新潮文庫 み 34-8)
三浦 しをん
新潮社

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高校時代に1度は挫折した長距離走、しかも箱根を虎視眈々と狙う灰二(ハイジ)
の住むおんぼろ寮に住む10人が箱根駅伝を目指す話です。

リアルに考えると絶対ないだろうとド素人でも思うっていう。
練習1年で箱根って!いくら経験者(陸上の神に見初められたランナー)がいるとはいえほぼ素人軍団が箱根って。
って思いながら読み進めていくとあら不思議。
気がついたらめちゃんこ応援してしまっていました。

ランナー達の素直さ、人のよさはさることながら、何故走るのかという葛藤。
そして淡い恋心、仲間意識などいろんなエッセンスがちりばめられていて
キャラクター達が私の頭の中でどんどん色がついて動いていく感じでした。

そうして、大切なことを教えてもらった気がします。

長距離走者への最大の賛辞は「早い」じゃなく「強い」っていう言葉だと。

どんだけ早く走るのか、ではなくどうやって走っていくのか、それまでの過程が
充実することが大切なんだなぁと。
得るものの質が大事なんだなぁって。

そういうのはスポーツだけでなく、例えば勉強だってそうだしいくら早く計算できても
間違いだらけだったら意味がないのと一緒なのね。

それって生き方だなと思いました。

だからあんなに神々しいんだな、ランナー達は。

好きなことを我慢して、ただただ自分の限界に挑戦しとてもストイックで。
そういう生き様がフォームに、整った筋肉に、そして顔に出ていて
それを見ること、生きてることを実感させられるから目が離せないのかもしれません。

作者が隅々まで取材をされてる様子がわかるので、とてもリアリティがありました。
練習メニューとかね。
走り終えた選手は交通規制がされてる中どうやってゴールの大手町や芦ノ湖まで
ランナーより早く辿り着いているんだろう?ってつい先日思ってた謎も解けました。

しまったな、この作品を見て箱根を見たかったなぁと思ったり。

そうそう、映画化もされているのです。
DVDは4月に出る模様。外国人ランナー役がソフトバンクのお兄ちゃんだし
双子のランナーが斉藤兄弟ってベタだなと思ったことあったわそういえば。


これでいいのかな?とかちょっとなにかに詰まった時に
ああ答えはもっと単純なのかもしれない、って気付かされる少しばかり
勇気をもらえるかもしれない、そんな本だなと思いました。

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