ボニーは行ってしまった。
お預かりの方のところへ戻されるというのはボニーにとっても不名誉なことだ。
もう失敗は許されない。
毎日、書籍やwebで手がかりを探した。
「訓練を入れる」とか、「しつけ教室に通う」とか、やはり必要なのだろうか…?
わたしは家族として一緒に穏やかに暮らしたいだけだったのだけれど。
やがて傷も癒えてボニーに戻ってほしかったが、わたしはボニーの飼い主として不適格と判定されてしまった。
わたしはボニーに信頼してもらえず、耳の手入れもできていなかった。
かろうじてシャンプー時に洗浄液で洗うことができていただけだった。
浴室のような狭い場所では逃げまわれないのでそれだけはできたのだった。
当時のわたしは薬片手にボニーを追い回していたが、押さえつけるのを躊躇するような、そんなダメダメ飼い主だった。
心を改めます…とお願いして何とか再びボニーとの暮らしが戻ってきたが――