一緒に暮らすようになっても車の音に耳を澄ませるのは変わらなかった。
それが変わったのは1年たった頃か。
もうお迎えは来ない、自分の家はここなのだとわかってくれたようだった。
ボニーはお散歩終わりに立ち寄る場所があって、いつもそこで伏せて夕陽を見ていた。
オレンジの夕陽はどこか寂しくて、わたしにはボニーが物思いに耽っているように見えた。
元の飼い主さんのことでも思い出しているのかな、と思ったりした。
ボニーの背中の毛は稲妻のように走って、キラキラと輝いていた。
ボニーはとても美しかった。