愛しのボニー

元保護犬
2020年9月21日没(推定10歳)
ラブラドール・レトリバーのボニーの思い出

失敗

2020-11-09 14:29:37 | 思い出

もう決して失敗は許されない。

 

しつけ教室を受講することにした。

ドッグ○○という、おだやかな名前の教室だった。

 

行ってみてすぐに、早くもわたしは後悔していた。

暗い雰囲気に、抑圧されているような犬たち。

(ケージにカバーがかけられていたので詳細はわからなかったが)

 

近くの公園まで歩いたが、度々命令口調の罵声が飛んでくる。

「匂いを嗅いでいいと言うまで、匂いをかがせるな!」と言う。

力いっぱいリードを引いてショックを与え、

「犬の首なんかいくらショックを与えても折れやしない」とニヤニヤ笑いながら言う。

わたしの方がショックだった。

 

「犬の祖先は狼だ!あんたは群れのリーダーだ!舐められるな!」と言う。

「餌も人間の食事が終わるまで待たせて、最後の最後だ!」

「忘れてるくらいでちょうどいい」

「テーブルの上に上がって貪り食うようになるんだよ!」

 

今、こうして書いているだけで気分が悪くなる。

犬を痛めつけるためにいるのか、この人は。

 

ボニーは素晴らしい子なのだ。

実際、美点だらけの子だった。

ボニーは自分のものでないものには一切、手を出さない。

それはもう見事なくらい、ノータッチなのだ。

いたずらも何もしない。

それは目を離そうが外出しようが何も変わらない。

自分の分というものを弁えているというか…

それは誰に教わったというのでなく、天性のものだと思われる。

崇高な心…と言ったら言い過ぎだろうか、しかし、そんな思いにかられる。

 

ボニーに向かって話かけると、わたしの目を見て、静かに、じっと聞いている。

理解しようとしているのだ。

 

わたしの願いは、怪我をしないで散歩できるようになりたい、ただそれだけだった。

それすら、ボニーがもうちょっと小柄であれば問題ないのだった。

 

「次回来るまでに練習してこい!」

と言われたが、二度と行くことはなかった。

 

 

 

 

 

コメント