愛しのボニー

元保護犬
2020年9月21日没(推定10歳)
ラブラドール・レトリバーのボニーの思い出

続き…そして今

2021-10-10 15:20:14 | つぶやき

姉がわたしのことをうらやましがっていると母から聞いた。

「幸せそうだ」

「あの子みたいに貧しい暮らしが平気だと あんな風になれるのかな」

そう言ったそうだ。

 

わたしは(OL時代)とくに貧しい暮らしなどしていなかった。

通勤のことだけ考えて住む場所を決めた。

それだけだった。

 

その後は賃貸マンション、戸建てと住み替え

わたしは何も言わなかった(言えなかった)ので

うまくいっているように見えたのだろう。

 

人はほんの表面しか見ていないものだ。

家庭の中のことなんてわからないものだから。

普通の家庭の「普通」ってなんだろう?

 

何も言わないけれどわたしのような思いを抱えている人は

いるのではないのかな。

 

夫は普段は話し方も穏やかでとっつきやすい印象があるからか

姉は夫より年下にもかかわらず いつも上から目線だった。

母はもっと上からで 完全に夫のことも

もちろんわたしのことも見下していた。

 

今になって思うと もしも夫がいなかったら

弟は完全に母を見捨て

母は満足な治療を受けられず

どうしようもない状態…大変な修羅場を迎えていたことだろう。

 

さんざん二人で見下してきた夫に助けられたことを

どう思っていたのだろうか。

世の中はつくづく皮肉にできている。

 

仕事ばかりしてきた夫

癌だけを怖れてきた夫

 

病を得てやっと人間らしい生活を送っている。

 

夫の癌は大きくなり

「もうわたしはこの先 長くないだろう」

と言う。

「そうですね」

とわたしは答える。

 

もう

「新しい治療法がみつかるはず」

という希望は持てないし そう言って励ますことすら

残酷に思えてきている。

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