医学の進歩のことを日進月歩などと表現しますが、
よく言われるのですが、検査技術なんかが飛躍的に進歩したようですね。
当然、いわゆる新薬と呼ばれる類の開発なども含まれるようです。
しかし、この検査技術の進歩によって検査結果に
強く依存するような傾向が強くなってきたのは否めない事実だと感じています。
医療従事者も患者様も検査結果に一喜一憂してしまうことが
珍しくないように思えます。
一例として、高血圧という症状がありますが
人は高齢になるにしたがって血圧が自然と高くなる傾向があります。
これはごく自然現象です。
しかし、今WHOなどから出ている高血圧のガイドラインなどに
したがって病的な高血圧も自然現象の高血圧も降圧剤による
治療を受けていらっしゃる方が増えて来ていると感じます。
私の場合は、患者様の脈を拝見して脈相応の血圧であれば
特に血圧を下げるような積極的な治療はいたしません。
具体的に説明すると・・・
例えば病院で測ってもらうと緊張のために血圧が高く
なってしまう「白衣性高血圧」なんていうのがございますが、
当院ではそれを避けるために血圧計を使用していません。
脈診による脈の状態(脈の形状は30種類あります)により
降圧剤の服用の有無を判断します。
例えば脉診による血圧が140程度と判断しても脈状によりコレステロールの蓄積
や中性脂肪が多いと判断した場合は医師の受診をお奨めします
逆に180程度あると判断したときでも脈の形状に問題が無ければ受診をお奨めすることはありません(鍼灸治療のみで健康を保つことができるからです)
検査技術がこれほどまでに進歩したとはいえ、すべての病気を
完璧に検査によって見つけ出すことはできません。
むしろ、見つけられない病気のほうが多いぐらいかもしれません。
近頃、当院にいらっしゃる患者様でも検査がお好きなのか
検査を受けないと不安で仕方がないのか、よく検査を受けられる方が
増えてきたように思います。
私が検査について何か申し上げるつもりはないのですが、
何か気になるから・・・という感じで検査を受けられるのであれば
なるべくご自分の体調がよい時に受けられることをお奨めします。
お気づきではない方もいらっしゃいますが、検査の疲れで
体調を崩される方も増えてきたと感じているからです。
賛否両論あるとは思いますが、私の感じていることを
書かせていただきました。