10日の午前中の診療を終えて、家内に誘われていたC.W.ニコル氏の講演を
聴きに行ってまいりました。
C.W.ニコル氏は作家・探検家・環境保護活動家の方です
C.W.ニコル http://www.cwnicol.com/
前日の夜遅くまで起きていたものですから寝不足気味で
会場に向かうタクシーの中ではうとうとしていましたが
いざ講演が始まるとニコル氏の自然を愛するエネルギー『氣』のパワーでしょうか。
どんどん頭がさえてきました♪あまり素晴らしいお話でしたから
少し連載してみなさまにお伝えしたいと思います。
氏の故郷イギリスでは近代化を旗印とした自然破壊によって、
野山は砂漠状態と化し、900余年前に熊は絶滅、
400余年前には猪は絶滅する等悲惨な状態だったそうです。
氏が日本に初来日した時はまだまだ自然が残されており
大変感激し日本が羨ましくて仕方がなかったそうです。
それから50年近くのときが経ち、今の日本の森が粗末に扱われている
ことを大変嘆かれ、京都大学で『森』の大切さを訴えられても学生には
あまり反応がなく、まだ畑の大根に話しかけた方が楽しいぐらいなのですと
おっしゃわれました。思えば会場に着いたときにすぐ家内が、
「この会場、団塊の世代以上の人たちがほとんどで若い人はいないよ。」
と伝えてくれたことと重なってしまい、自分も大変心が痛みました。
洋の東西を問わず「地・水・火・風」は生命を営む上で重要な概念なのですね。
東洋医学に『天一水を生ずる』との教えがあります。『水』が無ければ生物は存在し
ません。その『水』は『山』によって生ずるのです。
東洋医学の教典にこういう言葉があります。
「手の太陰の気絶すれば、則ち皮毛焦る。太陰なる者は、気を行《めぐ》らせ
て皮毛を温むる者なり。故に気栄わざれば、則ち皮毛焦る。皮毛焦るれば、則ち
津液皮節を去る。」
皮毛(草木)、津液(水)と置き換えて考えてみて下さい。
常識的に考えれば水が無くなるから草木が枯れると思われませんか?
でも違うのです。草木の有るところに水が集まってきます。
山を守ることにより水が養われ生命が育まれ健康を保つことが出来るのです。
ニコル氏も人類のDNAは半分ぐらいは森から来ているとおっしゃってみえます。
例えば、パピルスは別としても紙も建物も道具も木材も食べ物も酸素も
森から来ていますから森がなければ人間は生きられないのですと。
われわれが忘れてしまったことを教えてくださる講演でした。
続きはまた明日アップしたいと思います。