昨日に引き続きニコルさんのお話です
C.W.ニコル氏の話の中で大変興味深い話がありました。
イギリスの開業医の先生は『森の散歩』を病気によっては処方されるというのです。
私は思わず「すばらしい」と膝をたたきました。
小鳥や動物が住まう大樹は大気を放っています。
木が氣を養うのですね。健康を快復するのは至極当然のことなのです。
病は氣から
氣が疾むから病気になると云われていますが、医療の現場で
本当に病気を診ているでしょうか?
『病』を診る事は素晴らしい進歩を遂げているかもしれませんが
『氣』を見落としてはいないでしょうか。
生命は氣・血・津液から成り立っているというのが東洋医学の考え方です。
生命から『氣』を補うことで『津液(水)』が衛気・営気・精気・宗気などのエ
ネルギーとなり『血』を活性化して健康を快復していきます。
『氣』が失われたらたんなる骸(なきがら)であるのです。
イギリスでのこの森の処方を学びに行かれた日本の医師が
細かい処方箋の指示や内容を聞きましたが『そんなのはない。
森に行けば治るのだから』と答えられたそうですが、日本の医師は
参考にならなかったと残念がって帰国したそうです。
結果が出ているのにそれを受け入れられない態勢を嘆きますね。
この森の処方箋、疾患別にコースや回数もおおよそ決まっているそうです。
われわれの鍼灸治療も森の処方箋に共通する箇所が多くございます。
一番は人に本来ある自然治癒力にはたらきかけ、最も副作用のない
最も人間らしい治癒の経過をたどるということです。
科学的な証明を求められると完全ではありませんが、人間には
本来自分から治る力があるということは証明できなくても事実なのですね。
イギリスの医師は必ず治るということを時間をかけてゆっくり説明されるそうです。
私も見習わなければと反省しきりでした。
まだまだ続きがございます。もうしばらくお付き合いくださいませ。