あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

ゲーム障害

2019-07-10 22:26:00 | 日記・エッセイ・コラム
という言葉をお聞きになったことがありますか?
 
世界保健機関(WHO)年次総会が20日、ジュネーブの国連欧州本部で開幕した。オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな依存症として加えた「国際疾病分類」最新版が28日までの会期中に採択される予定だ。スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、ゲーム依存は世界各地で問題化している。WHOでは国際的な標準となる病気の分類に盛り込むことで、診断例が増えて研究が進み、治療法確立へ寄与すると期待している。総会ではこのほか、世界規模で流行するはしかなどの感染症対策も議題になる。WHOは昨年、「国際疾病分類」の最新版を公表した。WHO報道官や外交筋によると、ゲーム障害の疾病認定を巡っては、一部の加盟国には「研究例も少なく、さらなる議論が必要では」との慎重意見もあるが、日本をはじめ大多数の加盟国が支持しており、採択となる見通しだ。採択されれば、20221月から施行される。
 
(日本経済新聞より)
 
当院でも、このような悩みを抱えておられる患者さまのお話をちょくちょく耳にするようになりました。ゲーム依存で生活が乱れることは大変な問題ですが、思考力の低下や視力低下、頸肩腕症候群などの健康被害も多く見られています。これらは、交感神経優位の状態が長く続き起きてくる症状です。活動したら休むというバランスが大切なのですが、現代人は仕事でパソコン、通勤中も自宅でもスマホといったように、目も頭も休む暇なく活動していて、身体は動かすことがありません。いかにアンバランスな暮らしをしているか思われます。
 
ICT機器の発達により、このブログもそうなのですが、情報発信や受信の方法や量も格段に増えました。このような時代だからこそ、機械に振り回されないように律していくことも必要になってきています。
 
東洋思想家の安岡正篤先生が、よく語られた言葉に「知識・見識・胆識」というものがあります。先生の高弟・山口勝朗さんが致知出版社刊『安岡正篤に学ぶ人間学』で、次のようにわかりやすく述べておられます。(一部要約)安岡先生は知識・見識・胆識とおっしゃっていました。知識とは理解と記憶力の問題で、本を読んだり、お話を聞いたりすれば知ることのできる大脳皮質の作用によるものです。知識は、その人の人格や体験あるいは直観を通じて見識となります。見識は現実の複雑な事態に直面した場合、いかに判断するかという判断力の問題だと思います。胆識は肝っ玉を伴った実践的判断力とでも言うべきものです。困難な現実の事態にぶつかった場合、あらゆる抵抗を排除して、断乎として自分の所信を実践に移していく力が胆識ではないかと思います。
山口勝朗(元全国師友協会事務局長)さん(『安岡正篤に学ぶ人間学』(致知出版社刊)より)
 
現代は知識はどれだけでも一方的に入ってくる時代です。これを見識や胆識にするためにはやはり実行することが求められるのですね。
 
便利になったぶん、失ったものも多いと思います。時にはこのような機器から一歩離れて考える時間を持ちたいものですね。
治療室でも、毎回首と肩の凝りがひどい状態でお見えになる方が多いです。多くの方が、職場で座ったままでパソコン操作、自宅ではスマホ📱という生活をなさっています。1週間に1度の治療がないと大変!と仰いながら通院していらっしゃいます。本当は原因を改善できるといいのですが、なかなか難しいようですね。
 
困難な時にしっかりと立ち向かえる力を、普段から身につける努力をしたいと思います。
コメント
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