こんにちは。今日は名古屋市内で名古屋ウィメンズマラソン
が開催されました。治療院の近くがコースになっていますので、
散歩がてら沿道に応援に行っていたりもしましたが、
今年は自粛要請もあり、自宅で観戦しました😊
当院の患者さまも数名走られていましたが、無事完走されたでしょうか?
毎週日曜日は、院長の自伝です。
今回は以前本会の機関誌に掲載した論考をそのまま載せます。
「無知の知」という有名なソクラテスの言葉がある。様々な解釈があるが、真
の知への探求は、まず自分が無知であることを知ることから始まるということだ。
私には、五歳の娘がいるが、その吸収力にはただただ驚くばかりである。その知
識欲も旺盛だ。少しでも彼女がわからない単語で語りかけると「それってどうい
う意味?」と問いかけてくる。
その質問に完璧に答えられることもあるが、曖昧に説明せざるを得ないことも多
い。自身の『無知』に気付かされる瞬間だ。「わかったつもり」のいかに多いことか。
この『気付き』は大変重要である。誰しもこのような時期を過ごしてきたであろ
うが、還暦を過ぎた私の脳は完全に理解できるできないに拘わらず右から左へと
非常に風通しが良いのを嘆くばかりだ。
論語の中にも「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」と
いう類似した教訓がある。洋の東西を問わず、己の浅学を自覚して研究を怠るこ
と無かれと教えられる。どれだけの年数を重ねてもなお、重みのある言葉ではな
いか。真実は風化されないとはこれか、と改めて実感する。
私が経絡治療を始めた頃と比べ、学習環境は格段の変化を遂げた。書籍の良否
はともかくとして、現代は古典書物を読み解くための解説も容易に入手できるよ
うになった。
パソコンのクリック一つで『無知』の解消に至ることもできる。「その気」にな
れば学習環境は比較にならない進歩だ。
当然本会の学習環境も変わりつつある。学術部における抄録のデータ配信もそ
の一環である。
発表者の抄録をデータ配信することにより、研修者全員が同じ目的の下に研修会
を盛り上げていこうというのがその目的だ。
発表を行った諸先生は発表に際して過去の論文や古典書物に触れ、それまで知ら
なかった知識を吸収して臨床の幅も広がったことだろう。
今回の発表はまだまだ小さな点にすぎないかもしれないが、それが線となり、や
がて面となって、漢方はり治療に奥行きや深みを出していくに相違ない。
研修者においても予習することにより、自らの課題を持って研修に臨むことだ。
疑問に感じたなら、どんどん質問していただきたい。
「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」という言葉もあるではないか。質問され
て初めて「無知」に気付かされる発表者も多いはずである。
この『気付き』こそ、次へのステップチャンスであり、教え教わるのではなく共
に学ぶボトムアップの研修会方式をとっている当会の最大の醍醐味ではないか。
トップダウンの講習会形式ではこの『気付き』は得られないだろう。
すでに学術部において来年度のカリキュラム編成を行っている。今年度同様全
員参加型の編成を予定している。
会員皆様の協力なしでは良い研修会の実現は難しい。皆様の積極的な『気付き』
によってますます充実した会としたいものである。
平成23年度 睦月記す
「無知の知」という有名なソクラテスの言葉がある。様々な解釈があるが、真
の知への探求は、まず自分が無知であることを知ることから始まるということだ。
私には、五歳の娘がいるが、その吸収力にはただただ驚くばかりである。その知
識欲も旺盛だ。少しでも彼女がわからない単語で語りかけると「それってどうい
う意味?」と問いかけてくる。
その質問に完璧に答えられることもあるが、曖昧に説明せざるを得ないことも多
い。自身の『無知』に気付かされる瞬間だ。「わかったつもり」のいかに多いことか。
この『気付き』は大変重要である。誰しもこのような時期を過ごしてきたであろ
うが、還暦を過ぎた私の脳は完全に理解できるできないに拘わらず右から左へと
非常に風通しが良いのを嘆くばかりだ。
論語の中にも「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」と
いう類似した教訓がある。洋の東西を問わず、己の浅学を自覚して研究を怠るこ
と無かれと教えられる。どれだけの年数を重ねてもなお、重みのある言葉ではな
いか。真実は風化されないとはこれか、と改めて実感する。
私が経絡治療を始めた頃と比べ、学習環境は格段の変化を遂げた。書籍の良否
はともかくとして、現代は古典書物を読み解くための解説も容易に入手できるよ
うになった。
パソコンのクリック一つで『無知』の解消に至ることもできる。「その気」にな
れば学習環境は比較にならない進歩だ。
当然本会の学習環境も変わりつつある。学術部における抄録のデータ配信もそ
の一環である。
発表者の抄録をデータ配信することにより、研修者全員が同じ目的の下に研修会
を盛り上げていこうというのがその目的だ。
発表を行った諸先生は発表に際して過去の論文や古典書物に触れ、それまで知ら
なかった知識を吸収して臨床の幅も広がったことだろう。
今回の発表はまだまだ小さな点にすぎないかもしれないが、それが線となり、や
がて面となって、漢方はり治療に奥行きや深みを出していくに相違ない。
研修者においても予習することにより、自らの課題を持って研修に臨むことだ。
疑問に感じたなら、どんどん質問していただきたい。
「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」という言葉もあるではないか。質問され
て初めて「無知」に気付かされる発表者も多いはずである。
この『気付き』こそ、次へのステップチャンスであり、教え教わるのではなく共
に学ぶボトムアップの研修会方式をとっている当会の最大の醍醐味ではないか。
トップダウンの講習会形式ではこの『気付き』は得られないだろう。
すでに学術部において来年度のカリキュラム編成を行っている。今年度同様全
員参加型の編成を予定している。
会員皆様の協力なしでは良い研修会の実現は難しい。皆様の積極的な『気付き』
によってますます充実した会としたいものである。
平成23年度 睦月記す
次週に続く
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